1990年4月9日月曜日

1990年4月号

1990年4月号 表紙:増田未亜



SOFT TOP20
『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』が6位まで下降。まだ、88SRのみの対応だったから仕方がない。とはいえ、PC9801にも対応したエロゲーの『ドラゴンナイト』がドラスレを抜いたとは、なんとも象徴的なランキングである。
 このころは88と98の世代交代が進みつつある時期で、98のみで出すゲームと、88で出した後に98に移植するゲームとがあった。1位の『三国志2』は、この時期はまだ88専用だった。



新作
 角川お得意のメディアミックス『天と地と』がゲームになって登場。
『タッグ・オブ・ウォー』といえば筋肉番付でおなじみだが、同名タイトルのゲームが登場。魔物と綱引きで対戦して、囚われの恋人を救出するというものらしい。突飛すぎた発想でヒットには至らず。


特集
【アメリカゲーム特集】
『ポピュラス』と『シムシティ』の日本語版が出ることが決定。今となっては当たり前のゲームなのだが、この当時の衝撃はすさまじかった。なんというか、既存のジャンルに当てはまるゲームではなかったからだ。これは方々で言い尽くされている言葉だが、このゲームが日本に上陸したことによって、SLGの概念が大きく変わってしまったのだ。まさに黒船。
 それと『ダンジョン・マスター』の登場も大きい。リアルタイムに処理される3DRPGっていうのは、これまでになかったゲームだから。これはオレの勝手な憶測だが、この『ダンジョン・マスター』の影響で『DOOM』のような3D主観ゲームが産まれたのではないかと考える。
 この当時、旧態依然とした『ウィザードリィ』が焦って、『6』以降では見るも無惨な姿に…
 ダンマスと一緒に特集を組まれている『ウィザードリィ5』の姿は、まるでウィズファンの墓標のように見える。
 なにはともあれ、この特集で取り上げられたアメゲーたちは、後のゲームの形を大きく変えるエポックメイキングだったのだ。
 他に『T&T』も。


How to Win
 いよいよ『三国志2』のリプレイが開始。秋葉原、四谷、お茶の水、イボンヌ(イヌボン)の4人によるマルチプレーだ。ログインのリプレイも好きだったが蘊蓄ばかりだったので、ライトで読み物として楽しめるコンプの方が好きだったという記憶がある。
 攻略のしようがない『電脳学園3トップをねらえ!』。攻略は期待すべきではないだろうが、『トップをねらえ!』のマンガは楽しかった。
 他に『エメラルド・ドラゴン』『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』『ギルガメッシュ・ソーサリアン』『ルーンワース』『夢幻の心臓3』『遙かなるオーガスタ』も。


RPGリプレイ
『漂流伝説クリスタニア』:第6回
 バザールで武器を買い換えたり、毒消し草というアイテムを入手したり、かなりRPGしてる展開。ロードスでは、あんまりこういう展開はなかった(書いていなかった)。やっぱり初心者向けだからだろうか。
 今月の新作は『ウィズボール』と『トレボー戦役』。
『トレボー戦役』は『ウィザードリィRPG』のキャンペーンシナリオ。トレボーがリルガミンから 外へ討って出るというキャンペーンで、リルガミン周辺の地域データも収録されている。
 これはオレもやった。ウィズというなじみ深いシステムと世界観だったので、相当にハマった。また、面白いのがコンピュータ版も、きちんとダイスで管理されていたということ。だから、コンピュータ版の乱数は、だいたいダイスで説明できるのだ。


SLG WORLD
 大戦略を語ってしまおうということで、システムソフトの開発者と対談をしている。大戦略ファンなら楽しめるのだろうが、オレの場合は…信長を語ろうで光栄スタッフとの対談なら。


福袋
『DPS』といっても電撃プレステのことではなく、『ドリーム・プログラム・システム』のこと。短編を集めたオムニバス形式のもので、これは後にシリーズ化され、他社も追随してオムニバス形式のゲームを出すようになる。


コミック
『トップをねらえ!NeXT GENERATION』:第5話
 グレートガンバスターに導かれ、なんとか窮地を脱するマリナ。そのころ絶滅したはずの宇宙怪獣が重力波をシリウス星へ向けて放った。

『ルーンワース 星の勇者』:第8話 


付録
【システムソフト宝船】
 読者参加ゲームから産まれた『ロボクラッシュ』がゲーム化。
 それと『ブルトン・レイ・シナリオエディター(仮)』の情報も。『ソーサリアン』では後塵を拝したため参加できなかったが、こちらでは自分の企画を売り込んで…と思い立って、『ブルトン・レイ』を買ったものである。


その他・備考
『ドラゴンハーフ』の見田竜介が原画を勤めたエロゲー『シェナン・ドラゴン』というゲームがあったようだ。でも、テクノポリス・ソフト(徳間書店)のゲームだから、コンプでは扱われなかった。
『トップをねらえ!』CDにはコンプの一般読者もガヤ役で出演。声優さんと一緒に記念撮影をしていた。羨ましいぜ!
 89年度のソフト大賞のノミネートゲームを発表。