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2001年11月25日日曜日

出会えてよかった(某所Tにて)

余暇



 この「ワゴンセールのはてに…」の更新も約半年ぶりとなる。
 この半年間、サラリーマンへのジョブチェンジしたため、なかなかゲームショップをハシゴするという時間的・体力的余裕がなかったのである。
 転職直後は能力値が低くて深い階層まで潜れないのは、『ウィザードリィ』と一緒である。
 でも、ここ最近はわりと体力的な余裕も出てきたし、くわえて今日は3連休の中日ということもあって時間的な余裕もあった。
 というわけで、久しぶりにワゴンセールを求めて市内を旅してみることにした。



これってレアもの…?



 まず最初に訪れたのは、書籍の二次販売に一石を投じているB。
 ゲームには、さほど目を引くものはなかったのだが……
 ジャンクコーナーで驚くべきものを発見。
『ハイスクール奇面組』のLPレコード(懐かしい響きだ)が、ジャンクコーナー無造作に山積みされていたのだ。
『ハイスクール奇面組』といえば、『少年ガンガン』にて連載中であるが、このレコードは『週刊少年ジャンプ』の黄金時代にアニメ化された当時のものである。
 この『ハイスクール奇面組』のレコード、何がスゴイって主題歌を当時人気絶頂期だったおにゃんこクラブの「うしろゆびさされ組」が歌っていたってこと。
(唄については、「うしろゆびさされ組」のアルバムでも聴いてくだされ)
 ジャンプ黄金期を支えた『ハイスクール奇面組』、しかも主題歌がおにゃんこクラブとなれば……もしかして、これってレアもの?
 レアものかもしれないと思いつつも、店頭では特に気にもかけず、一旦、自宅へ帰宅。
 だが、この「ワゴンセールのはてに…」を制作中に、「レアものかもしれない」という気持ちが次第に高まっていき……ついに財布を握りしめて、またもやBへと向かってしまった。
 ところが!  なんと、再びBを訪れたときには、すでにレコードは売れた後であった……
 この間、僅か3時間ほど。
 この僅かな時間に、某所という限られた地域のBという店に、私と同じ考えを持っていた人間が、少なくとももう一人はいたということに私は戦慄と感動を覚えたのであった……



Tにて



『ハイスクール奇面組』のレコードは買えなかったが、それ以上に貴重なブツを入手することができた。
 以前も重要拠点として取り上げたTである。
 Tでは店頭で文字通りのワゴンセールを行っていた。
 このワゴンセール、いわゆる在庫処分なのだがバラエティは非常に豊富であった。
 ワゴンセールの雄、スーファミソフトとセガサターンソフトが売られているのはもちろんのこと、100円以下でファミコンソフトも売られていた。
 今日び、ファミコンソフトといえば不当な投機対象となっているのが常であるが、Tではファミコンソフトを100円以下で販売しているのだ。
 まさに「ファミコンショップ」の鑑ともいえる店である。
 他にも、(おそらくサーチ済みであろう)トレーディングカードや、なぜか「ZOO」のアルバムが50円で売られていた。
 昔、「館ひろし」のアルバムが100円で売られているのを見たことがあるが、50円とは……っていうか、トレカと同じ値段かよ。
 他にも、シングルCDはみんな20円で売られていた。太っ腹である。
 と、これだけ前振りをしておきながら、ワゴンセールの中から購入したのは「こねこもいっしょ」のストラップだったりする……
 ワゴンセールは、この程度であったがファミコンソフト売り場では、驚くべきものを発見した。
 その名も『流れ花お流 花札遊侠伝』 という脱衣花札ゲーム。
 ゲーム内の描写にはとりわけ厳しい任天堂ハードで、こんな脱衣ゲームが出ていたなんて? と疑問に思うが、仕掛けは簡単。任天堂からのライセンスを受けていなかったのだ。
 これまでも話のタネやとして聞いたことはあるが、実物を見るのは私も初めて。
 ちなみにカートリッジの形状は、やや台形っぽくて、いかにも任天堂のライセンスを受けていないってカンジだった(笑)。
 話のタネとして面白そうなので購入しようかと迷ったが、1480円という微妙な値段が最終的に購入をためらわせた。



ときめき



 以上、購入を見送ってばかりいた私であるが、ついに私の興味を大いに引いたゲームに巡り会った。
 それはPC-ENGINEの売り場であった。
 探していた……
 長年、探し求めていた。
 PC-ENGINE版『ときめきメモリアル』!
 しかも、不当な高額ではなく1580円という妥当な値段で。
 これまでにも、私の故郷や帝都への出張の折りにも、PC-ENGINE版『ときめきメモリアル』が売られているのを発見していた。
 だが、そのいずれもPC-ENGINEというハードの現状を考えると、不当としか思えないような高額(中には定価以上の場合もあった)で売られていたため、どうにも私の食指が伸びずにいたのである。
 だが、1580円ならば買える。
 というわけで、買いました。
 これで「PC-ENGINE版はやったことないくせに…」という後ろ指を指されずに済む……とはいえ、PC-ENGINEのCD-ROM2は持っていなかったりするのだが。
 ついに、ようやく念願の『ときメモ』を購入できて意気揚々……と言いたいところだけど、『ハイスクール奇面組』のレコードを買い逃したことだけが心残り。
 今日の教訓「見つけたら、買え!」



掘り出し物



『ハイスクール奇面組』のレコード
『流れ花お流 花札遊侠伝』



購入品



『こねこもいっしょ』ストラップ
PC-ENGINE版『ときめきメモリアル』
0010009



2001年6月4日月曜日

一番長い一日(某所Sにて)

はるかなるときめき



『ときめきメモリアル2』のドラマCDセカンドシリーズの発売が始まったので、私はCDショップを見て回ったのだが……。
 言うまでもなく田舎な某所のためか、どこのレコード屋を見てもドラマCDが置いていない。
 っていうか、売り場の総面積に比例して、扱っているCDが圧倒的に少ないのだ。
 ほとんど新譜以外のCDは買えない(置いていない)という状況。
「なんてこった!」
 ってなわけで、今、私はネット上で購入できないかと模索している最中である。



巴里へ!



 どこに行っても見あたらないの、なんとなく以前も取り上げたTへと向かう。
 何か面白いブツはないかな、と思って。
 すると、なんと『サクラ大戦3』の『巴里歌謡全集』が売っているではないか。
 目的のものとは違ったが、どこのCDショップにも置いていなかった代物だけに、思わず私は購入を即断。
 とても良い買い物をしたなと、このときは思っていたのだが……



Sにて



 ドラマCDは買えなかったが、『巴里歌謡全集』を買えたので、すっかりと気分が良くなった。
 天気も良いので、もう少しいろんな店を回ってみようと思い立つ。
 すると某Bの隣に、ひっそりとたたずむ一軒の店を発見。
「マルチメディアリサイクルショップ」を謳い文句としているSである。
 マルチメディア(苦笑)を謳う以上、何か面白いものでもあるかもしれないと思い、とりあえず店内を覗いてみた。
「マルチメディア」を謳うだけあって、とりあえずAV機器やパソコンも扱っていた(とは言えカウンターに置いてあるノートパソコンが二台だけだったが)。
 なんじゃこりゃ、と思いながらCD売り場へと足を運ぶと。
 ラインナップ的には、普通の中古CDと変わらないような気がするのだが……
 そこで、面白いものを発見。
『西部警察』のテーマ曲集が450円で売られていたのだ。
 しかも、その背後には『西部警察2』『ゴリラ』『ゴリラ2』、そして『館ひろしベストアルバム』が並んでいた。
『西部警察』ファンの私にとっては、たまらないラインナップである、っていうかこれは明らかに確信犯の並べ方である。
 店主のツボを押さえたCDの配置に、思わず私は『西部警察』テーマ曲集を購入してしまった。



サンクチュアリ



 この店はリサイクルショップと銘打っているだけあって、CDや古本以外にも、古着やスポーツ用品、楽器などいろいろなアウトレットグッズを売っている。
 そういうアウトレットグッズをかき分けて進んでいると、唐突に視界に入ったのは……な、な、なんと、『ときめきメモリアル』のジグソーパズル。
 ジグソーパズルのアウトレットも扱っているのかと思って、周囲を見渡した私は次の瞬間、度肝を抜かれた。
 なんと、そこの一帯は『ときめきメモリアル』グッズを一手に扱っていたのである。
 ジグソーパズルはもちろん、ピンズ(コンプリート済み)やトランプ、マグカップなど、今となっては入手が困難なグッズが山のように。
 まさに「ときメモのサンクチュアリ」と呼ぶに相応しい。
 そんなサンクチュアリの、きわめつけが「紐緒閣下おやすみシーツ」!!!!!
 どういうわけか、おやすみシーツは閣下の分しかなかったのだが、とにかく閣下のシーツが売られていたのである。
 こ、これは困った……いつもの私なら躊躇なく買っていたことであろう。
 だが、つい先ほど 『巴里歌謡全集』を買ったばかりである。
 しかも、今の私は一応、単身者とはいえ世帯主であり自由に金が使えるような生活はできない。
 さらに言えば「リサイクル」品である……シーツのリサイクル品……
 迷うこと、しばし……私は無念の涙をのんで、今回は購入を見送ることにした。
 この決断に要した苦渋のほどを理解していただきたい。
 悔しい。
 これほど悔しい思いをしたことが、今までにあったであろうか。



掘り出し物



ときめもグッズの山



購入品



『巴里歌謡全集』
『西部警察』総集編





西部警察 総集編西部警察 総集編
価格:¥ 2,039(税込)
発売日:1996-01-21


2001年4月2日月曜日

旅立ちの詩(某所にて)

旅立ち



 私は今年の春より大学を卒業して社会人になる。
 しかも住み慣れたS市を離れ、津軽海峡を渡って某所での就職となる。
 よって、今後は別天地でのワゴンセールに趣を寄せてみたいと思う。
 住み慣れた土地を離れてエッセイを書くなんて、まるで旅行記のようだが、さほど優雅なものではないのがサラリーマンの悲しい業である。
 なお、当ホームページでは私のプライバシー保護のため、勤務地を「某所」と記している。



小手調べ



 全く初めて訪れる土地で土地勘がないので、まずはタウンページを眺める。
 現在のタウンページは「ゲームショップ」という項目があることを初めて知り、ちょっとした衝撃を受ける。
 だが、住所が分かっても肝心の、その住所がいったいどの位置にあるのか、という位置情報がなかったりもした。
 というわけで、とりあえず道に迷わない程度に、市内を探索することにした。



Kにて



 市内ではとりあえず二店舗発見することができた。
 チェーン店ということで販売形態も似ており、良く言えば買い物がしやすい、悪くいえば個性がなかった。
 ところが……。
 私はチェーン店の一方で『サクラ大戦3』と『ときめきメモリアル2 対戦ぱずるだま』と『ときめきメモリアル2 Substories Leaping School Festival(以下サブスト2)』を買おうと思ったのだが、あいにく『サクラ大戦3』と『サブスト2』の方は売っていなかった。
 というか、全体的に商品が少ないという印象が否めなかった。
 そのくせして、高額な箱なしファミコンソフトが文字通り「ワゴンセール」になっていたりするのだが。



Vにて



 なかなか、マニアックな店構えで興味をそそる店舗である。
 市内では珍しく古本屋ながらも中古ゲームも扱うという販売形態である。
 そのくせして誰が買うのか分からないギターなんかも置いてあったりして、注目度は高いのだが……。
 いかんせん、「トレーディングカード」も扱っているため、いつも店内は中高生に支配されており、ゆっくりゲームを見ていられない。
 機会があれば、じっくりと探索してみたい店の1つではある。
 なお、この店でも箱なしファミコンソフトが高額でワゴンセールされていた。



Bにて



 言わずと知れた、書籍の再販制度に一石を投じている、あの店のチェーン店である。
 ここにも申し訳程度にファミコンソフトが扱われていたが、この店ならではの値付けで私的にはやや納得。
 もっとも、あの投げやりな販売方法では誰も買わないだろうけど。
 それよりも、私の興味をそそったのはBの電化製品部門Hの方である。
 パソコンや関連商品も売られているのだが、そこのジャンクコーナーにPC-8801があったのだ。
 動作保証すら分からない状態だが、手元に資金があれば食指がのびそうな物であった。
 同時に、ジャンクコーナーには売れないCDやゲームソフトなども乱雑に並べられていた。
 この辺は、面白いブツが掘り出せる可能性もあるので、後日日を改めてじっくりと調査してみたい。



Tにて



 とにかく品揃えが凄まじい。
 ファミコンはもちろんのこと、16bitの旧世代機から全て揃っているのである。
 携帯型PCエンジンなんて、情報としては知っていたが現物を見るのは、この店が始めてである。
 今回は顔見せ程度だったので、ざっと見て回っただけであったが、この店もじっくりと探索する必要がありそうである。
 ちなみに懸案となっていた『サクラ大戦3』と『サブスト2』は近所のスーパーマーケットで買うという、このエッセイの趣旨に合わない緊急措置で入手している。



掘り出し物



PC-8801のジャンク
携帯型PCエンジン



購入品



なし



2001年3月14日水曜日

想い出は時の流れの中に(C市にて)

遠征



 市内での探索が主であった当コンテンツであったが、今回はC市への遠征を試みた。
 目的はもちろん、レアなアイテムを発見することである。
 田舎のオモチャ屋には、時として思わぬアイテムが眠っていることがあるのは、すでに実証済みである。
 ならば、さらなる田舎であるC市ならば、さらに驚くべきアイテムが隠されているのではなかろうか、と判断したわけである。



汝、迷うことなかれ



 JRで揺られること40数分、目的のC市へと到着した。
 元々、この町の郊外には祖母が住んでいるため、そちらの方面に関しては、ある程度の地理は知っている。
 その一方で、古くからのオモチャ屋などがある市街地の方には、ほとんど行ったことがない。
 だが、その市街地のオモチャ屋には私には忘れられない想い出があった。
 私的クソゲー筆頭の『フロントライン』を買ったのが、このC市のオモチャ屋なのである。
 15年ほど前に祖母に連れられた時の記憶を頼りに、私は市街地へと足を運ぶことにした。



 市街地を目指す前に、まずは駅沿いの通りにゲームショップがないかと周りを見渡す。
 私の記憶では、この近辺に『Zガンダム・ホットスクランブル』を中古で買った店があったはずなのだが……残念ながら、発見することができなかった。
 幸先の悪いスタートに、土地勘のない土地。
 不安要素を抱えたまま、私は薄れた記憶と方角だけを頼りに、市街地を目指すことにした。
 見覚えのない町なのだが、不思議なことに歩いている方角には自信があった。
 クソゲーの帰巣本能とでもいうのだろうか。



失われたアーク



 しばらく歩いていると、商店街が目に付いた。
 この商店街には見覚えがあった。いや、正確にはおぼろげな記憶がある。
 商店街を道なりに進んでいくと、正面左手の方角には白い大きな建物が見えてきた。
 私の記憶が正しければ、これはCデパートのはずである。
 私は自分の方向感覚と記憶力の確かさに小躍りしたい気分で、Cデパートを目指した。



 ところが……Cデパートは、とっくの昔に潰れていたらしい。
 今は、持て余した巨大なたたずまいをそのままに、廃墟同然にそこに建っているだけであった。
 C区のSは閉店後、すぐさま大型家電店が入店することになり、その巨大な建物は、市のIT戦略化のシンボルとなろうとしている。
 だが、こちらのCデパートは新たなテナントが入る予定すらなく、ただただそこに巨体を横たえているだけである……なんとも、哀れな姿である。
 Cデパートといって思い出深いのは、祖母に『ドンキーコングJr』を買ってとお願いしたのに、祖母が『ドンキーコング』を買ってきたことであろうか。
 この手のミスで年間、数万人の老人が孫の信頼を失っているという話は寡聞にして聞いたことがないかもしれない。



 Cデパート倒産はショックだったが、まだ近辺にはオモチャ屋がある。
 幸い、Cデパートとは交差点を挟んで正面にオモチャ屋が健在であった。
 記憶の中と変わらないたたずまいに、私はホッと胸を撫で下ろし、オモチャ屋を訪ねたのだが……。
 どうにも様子がおかしい。
 ペットの姿が目に付く。
 なんだ、これは……?
 と思い、店内を眺めてみると、なんとオモチャ屋がペットショップに変わっていたのである。
 ……『戦場の狼』と間違えて『フロントライン』を買ったこと、『マイティ・ボンジャック』を買おうと思って『ソロモンの鍵』を買ったら案外面白かったこと、などなど……。
 幼い日のファミコンの想い出が走馬燈のように蘇っては消えていった。
 結局、この近辺ではオモチャ屋を発見することができなかった。
 栄枯盛衰、諸行無常とはこのことなのだろうか……などと考えながら、私はとぼとぼと家路についたのであった。



掘り出し物



なし



購入品



なし



2001年2月24日土曜日

光と影(N区にて)

散華~血にまみれた掌~



 今日はN区の中でも、私があまり足を運ばない北方を探索してみようと思った。
 いつも某所へ行く途上で見かけるゲームショップがあり、それが気になったからである。
 自宅を出て北上している途上で、迂闊にも私はアイスバーンで転倒してしまった。
 これは数年ぶりの雪面での転倒で、私が世紀を跨いで維持してきた不転倒記録も、これで潰えてしまった。
 ついでといってはなんだが、転倒した際に受け身を取ったため、右掌がざっくりと切れて血まみれになってしまった。
 それと痛打した腰が今でも痛い。  



Mにて



 目的の店へ向かう途上、うらぶれたオモチャ屋を発見した。
「田舎のオモチャ屋には宝物が眠っている」
 とは定説である。
 だが、こういう小さい店構えの店は足を踏み入れるのはともかく、何も買わずに店を後にするのは気が引けたりする。
 店に入るべきか否か逡巡したのだが、店の入り口に「スーパーファミコン大特価」と張り紙がしてあったのを目撃した。
「せっかくだから、オレはこの店に入るぜ」
 ってな感じで、店を訪れることにした。
 店内は一昔前の駄菓子屋のような作りになっており、プラモデルや駄菓子、オモチャなどが陳列されていた。
 そういったオモチャの中に、キン肉マン(無論、スグルだ)のぬり絵があったりして、思わず私の胸を熱くさせる。
 そして広くもない店内を見て回っていると、確かにスーファミソフトのワゴンセールが行われていた。
 だが、そのワゴンの足下には……なんと、無造作にファミコンソフトが床に置かれているではないか。
 ワゴンセールとはワゴンに入った廉価販売だが、このように床に置かれている販売方法は何というのだろうか……?
 床に置かれていたソフトは『信長の野望・武将風雲録』『水滸伝』『ランペルール』『テクモボウル』そして『トップストライカー』の五本だけ。
 しかも、どういうわけか値付けは『トップストライカー』だけが500円で、残りは1000円だった。
 というわけで、最も廉価な『トップストライカー』を購入。
 ナムコのサッカーゲームなのだが、珍しく「ファミリー」が付かない代物だった。
 また、その脇にはメガドラ、PCエンジン、セガサターンもワゴンセール。プレステとドリキャス、N64はなかった。



Cにて



 思わぬところで思わぬ買い物をした私は、その後、ようやく目的の店にたどり着いた。
 店の名前はCといい、一般的なゲームショップといえる店構えであった。
 値付けに関しては、かなりまともな価格帯といえる。
 スーファミソフトは、だいたい1000円程度で、『スーパーファイヤープロレスリング』にいたっては180円だった。
 このゲームがこの値段なら、お買い得であろう。
 また、セガサターンソフトに関しては販売価格からさらに10%値引いていたり、ゲーム市場のニーズにあった販売をしている。
 サターンのゲームは今でも遊べるゲームがあるので、これはお勧めである。
 もっとも、ファミコンは『ソロモンの鍵2』が2480円だったりと、相変わらずファミコンは価格帯が高めに設定されている。



コナミ優遇措置



 Cではコナミだけ別コーナーを設けていた。
 そこではベスト化された『ときめきメモリアル・ドラマシリーズ』も扱われていたが、それらはいずれも2280円だった。
 中古にしては割高だが、メモラーの私としては嬉しい値付けだった。
『プライベートコレクション』などがワゴンセールの常連になっている、現在のゲーム市場は私にとって悲しいのだ。
 ときメモシリーズは常に定価販売されていてほしい、と切に願っている。



80円の衝撃



 売り場の中央にはショーケースがあるのだが、なぜかそのショーケースは「説明書がコピー用紙」というバッタモン紛いのものばかりが扱われていた。
 普通、ショーケースは目玉商品を扱うものだと思うのだが……
 そのショーケースの中で、一際私の目を引いたのが『ワンチャイ・コネクション』。
 フッくんが主演するクソゲー常連のこのゲームであるが、なんと80円という値段で売られていたのである。
 100円以下で買えるゲームは、これまでも雑誌等では見たことはあったが、実物を肉眼で目撃したのはこれが始めてである。
 しかも、この話にはオチもある。
 箱・説明書完備品は280円で売られているのだ。
 つまり、『ワンチャイ・コネクション』は箱と説明書に200円分の価値があるということなのだ。
 クソゲー中のクソゲーという評価を受けた『デスクリムゾン』は、逆にクソゲーゆえにプレミア価格が付いている。
 だが、同じクソゲーの『ワンチャイ・コネクション』は説明書以下の扱いを受ける羽目となってしまったとは……。
 陽の目を見てプレミアが付くクソゲーもあれば、陽の目を見ることもなく不当と言うより、もはや暴虐とも言える値段で売られてしまうクソゲーもあるのだ。
 なお、本来ならワンチャイを買って、そのレシートをここに掲載すべきだったのだろうが……
 私にはショーケースを開けてもらう勇気がなかったので、結局、280円のワンチャイを買ってしまった……
 クソゲーを買ってしまった後悔と、店員さんに言い出す勇気を振り絞れなかった後悔とで、二重の慚愧に捕らわれている私なのであった……



掘り出し物



80円で売られている『ワンチャイ・コネクション』



ワンチャイコネクション
価格:¥ 8,190(税込)
発売日:1994-11-22


Amazonで扱われているワンチャイの定価をご覧いただきたい。



購入品



『トップストライカー』
280円の『ワンチャイ・コネクション』



2001年1月21日日曜日

この胸のときめき

プレイステーション.com



 前回でも述べているが、どこにいってもプレステ2が見つからない。
 業を煮やした私は、プレイステーション.com(以下、PS.com)で購入することにした。
 PS.comとはSCEが運営するインターネット直販サイトのことである。
 昨年、サイト始動と同時に膨大なアクセスがあって、サーバーがパンクしてしまったことでも有名だ。



 アクセスしてIDを取得して、早速、プレステ2を注文。
 ……いとも簡単に注文できた。
 市内を歩き回っても入手できなかったというのに、ネット上では簡単な手続きと、僅かなクリックで注文ができた。
 正直言うと、品薄で注文できないのではないかと思ってもいたのだが、何の支障もなく注文できた。
 配達は注文から5日後ということだったが、バイトが休日の土曜日に配達してもらうことにした。
 以前、SCEがPS.comを立ち上げる際に、小売店が「自社流通を優先されると、小売りが打撃を受ける」と不安を漏らしていた。
 実際に、小売店で入手できなかったプレステ2が、ネットでは容易に入手できたのだから小売店の不安は、あながち間違っていなかったということになる。
 だが、消費者側としては確実に入手さえできれば、ネットだろうか小売りだろうが関係ない。
 しかも、愛想の悪い小売りや、「好評発売中」のノボリを立てながら実際には商品を置いていない小売りなど、具体名は記さないが不愉快な小売店もいくつかあった。
 全ての小売りが不愉快だとは決して言わないが、私は今回のプレステ2購入行脚の旅では、けっこう不愉快な思いをしている。
 そういった小売りから買うぐらいなら、ネットで買った方が精神衛生的にも健全だ。
 ネットなら対面販売はしないので、少なくても不愉快な奴に出くわさなくて済むから。



決戦前夜



 1月19日。
 プレステ2到着を目前にして、私はプレステ2専用ソフトを買うためにゲームショップIを訪れた。
 購入したのは『スキャンダル』。
 私が好きなやるドラシリーズのプレステ2第1弾だ。
 しかも、主役が高乃麗さんであるというのもポイントが高い。
 ついでにプレステ2が売っていないかもチェックした。
 相変わらず品切れで「入荷日未定」とのことで、ホッと胸をなで下ろす小心者の私。



 いよいよ、明日はプレステ2が届く……
 でも、特にドキドキというか、ワクワクというか、ゲームを手にするときの「ときめき」がなかった。
 ネットで注文した日に予定通りに届く……ただ、それだけだ。
 それ以上でも、それ以下でもない。
 ……ホントにそうなのだろうか?
 いったい、いつからだろう。
 ゲームを買う前日にドキドキしなくなったのは。
 昔はゲームを買うときは前日からドキドキして、ゲームショップへはワクワクしながら走っていたものである。
 今でも鮮明に覚えているのが『ボンバーマン』を買いにいったとき。もちろん、初代ファミコン版である。
 お小遣いを手にして、夜中なのにゲームショップまで走ったもんだ。
 他にも、『ダウボーイ』『忍者じゃじゃ丸くん』『ちゃっくんぽっぷ』などなど……思い入れが強かっただけに、クソゲーを掴んだときのショックも大きかったものだ。



 でも、今はそういう「ときめき」がない。
 ゲーム誌やネットで入念にチェックしたゲームを、中古になってから買っている。
『スキャンダル』もそうやって入手した。
 それとネットでの購入も、「ときめき」減退の要因かもしれない。
 パソコンの前でキー操作して、あとは商品が届くのを待つだけ。
 全てが予定調和的で、ゲームを入手するというよりも、ゲームが手元に届くという感覚が「ときめき」を奪っているのかもしれない。
 そう考えると、この合理的なデリバリーシステムにも弊害があるといえるのか?
 でも、やっぱり私自身が「ときめき」を感じることが少なくなったというのが、一番の要因だろう。
 どうして、こうなってしまったんだろうか?
 心が「ときめき」に対して鈍磨になってしまったんだろうか……?



プレステ2



 1月20日。
 前日、上記のようなことを書いたのだが、実は今日はやたらと早く目が覚めた。
 少しだけプレステ2を待ち望んでいる「ときめき」が残っていたようで、少しだけ私は嬉しかった。
 そして、ついに、ようやく待ちに待ったプレステ2が到着した。
 ちなみに配達は佐川急便だった。



 デバッグでも触れたことがなかったので、プレステ2とはこれが文字通りの初対面である。
 でも、あらゆるメディアで露出していたので、ファーストインパクトの衝撃はあんまりなかった。
 これはデバッグの職場で初遭遇したドリキャスの感動に比べると、ちと薄い。
 説明書は読まず、すぐさま起動。基本的にプレステと同じだから、迷うことはない。
 そして、『スキャンダル』を立ち上げたのだが……
「こ、これはスゴイ!」
 色々と意見はあるだろうが、デジタルコンテンツに対する目が肥えていない私には、『スキャンダル』のゲーム画像は、なにからなにまでがスゴかった。
 プレステの『ダブルキャスト』を初めて見たときも、そのアニメーションに度肝を抜かれたが、『スキャンダル』は従来の作品とは根本的に次元が違った……そう、これがプレステ2のパワーなのだ!!
 このプレステ2のパワーに圧倒された私は、ついつい3時間以上もゲームをプレーしてしまった。
 ……どうやら私は、まだゲームに対する熱意は失っていなかったようである。



掘り出し物



なし



購入品



『プレイステーション2』
『スキャンダル』



2001年1月2日火曜日

逢いたいときに貴女はいない

賀新年



 明けましておめでとうございます。
 いよいよ、21世紀が始まりました。
 今世紀もよろしくお願いします。



悲劇は突然に



 年が明けようと、新世紀になろうと、セカンドインパクトが起きようが、核の炎に包まれようと、私の本質は変わらない。
 バイトの苦難から解放される正月休みは、例年通り寝正月ならぬゲーム正月を迎えようと思ったが……ゲームが動かない。
 クリアを楽しみしていた『東京魔人学園剣風帖』 だったが、ゲームが動かないのである。
 一応、タイトル画面までは行くのだが、戦闘を開始すると戦闘処理中に止まるのだ。
「そんなバカな……」
 去年の年末は『ドラゴンクエスト7』で奇怪なシーク音ながらも、きちんと動いていたではないか!
「動け動け動け動け! 今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ! もうそんなのヤなんだよ! だから動いてよ!――」
 そんな私の願いも空しく、ついにマイプレステは永眠した。
 思えば、『ときめきメモリアル』をやりたくて買ったマシンだから、すでに5年も前に買ったハードである。
 ご苦労様でした……合掌。



決断



 ゲームが出来なくて暇をもてあました私は、なんとなくホームページをリニューアル。
 新世紀の年明けにちなんでいて、まあ、これはこれで良かったのではないだろうか。
 が、しかし。
 やっぱり、ゲームをやりたい。
 ドリキャスはあるけれど、やりたいゲームはプレステのゲームばかりなのだ。
 っていうか、『東京魔人学園剣風帖』をクリアしてないし。
 というわけで、私は意を決してプレステ2を買うことにした。
 このハードをチョイスした理由は『スキャンダル』と『BLOOD THE LAST VAMPIRE』 をやりたいから。
 私はやるドラが好きなのだ。どうせ買うなら、やるドラDVDが動くプレステ2を買った方が良いに決まってる。
 昨年末、Sの崩壊を見届けた後に訪れたYでは、プレステ2が山積みになっていた。
 だから、プレステ2なんて、すぐに買えるだろうと高を括っていたのだが……後に、これが大きな誤りであることを痛感することになろうとは、いったい誰が予想していただろうか(まるで定型文みたい)。



長い旅



 当然、最初に訪うたのはYである。山積みになっていたから。
 が、しかし!  見事に無くなっていた。
 僅か一週間足らずだというのに、山積みになっていたプレステ2が一台もないのだ。
 あれは私が見た幻覚だったのだろうか?



 その後も、C区のT小路にある家電ショップを虱潰しに歩き回ったが、どこにもプレステ2はなかった。
「なんてこった!」
 天を見上げた私は日を改めて、地元のN区でプレステ2の探索を再開した。



 最初に入ったHで、早速プレステ2を発見!
「好評発売中!」なのだという。
 さっそく買おうと財布に手を伸ばした私であったが、そこに注意書きがあるのに気がついた。
「ゲームハードに限って現金のみでの取り扱いになっています」
 な、なにを言ってやがるんだ!?
 なんだか客にとっては理不尽な注意書きだが、背に腹は代えられないので銀行のCDで金を下ろす。
 雪が吹きすさぶ寒空の下、またHまで戻る。
 そして、私はレジでプレステ2を要求した。ついにプレステ2を手に入れるときが来たのだ……ところが!
「あいにく品切れです」
 私は我が耳を疑った。
 おいおい、「好評発売中」じゃあねえのかよ? 発売中ってのは、商品を取り扱っているからこそ発売中なんであって、商品がなかったら発売中じゃねえんだよ!
 などとイチャモンをつけたかったが、そこまで無分別ではなかったので、私は言葉を飲み込んで店を後にした。



 次に訪ねたのはD。Sの次に閉店の危機が危ぶまれているDだ。
 売り場が3階から地下1階に変更されていたので戸惑いつつも、なんとかプレステ2を発見。
 さあ、買うぞ! と意気込んでみると、そこにはまたもや小さな張り紙が。
「プレステ2は現在品切れです」
 おいおいおい! そこにある箱は何だ!? 空箱か? ゴミなら店頭に置くな! 紛らわしいんじゃ!
 と言ってやりたかったが、面倒を起こしてもしようがないので、すごすごと退散。



 結局、最終的に行き着いたのは去年も取り上げたHである。
 ちなみに先に訪れたHの本店である。
 2階に上がると老夫婦が二人、今まさにプレステ2を買うところであった。
「ビンゴ!」
 内心小躍りしながら、私はプレステ2を探して店内を見回す。
 だが、どこにもプレステ2が見当たらない。
 私の背後では、
店員:「ソフトはいらないんですか?」
老人:「ソフトとは?」
店員:「ゲームです」
老人:「ゲームとは?」
店員:「ソフトがなければ遊べません」
 などという禅問答のようなやりとりがされていた。
 やがて、老夫婦は納得したのかしないのかレジに背を向けると、どういうわけかドリキャスのコーナーへと歩を進めていった。
 どこにも見当たらないプレステ2。
 私は老夫婦がいなくなって手持ちぶさたの店員に、「プレステ2はありますか?」と尋ねた。
 すると店員は眼下にあるプレステ2を指さし、
「これで終わりです」
 ガーーーン! ショーック!
 こんなマンガみたいな、フィクションじみた事態が本当に起こり得るなんて!
 あまりにも劇的な展開に、私はむしろ清々しい気持ちでHを後にした。



 ドリキャスのゲームではなく、プレステ2のゲームを買えたのかどうか、老夫婦のその後についてはつまびらかではない。
 願わくば、孫の望んだゲームを購入していてほしい。
 ドリキャスのゲームを買って孫の不興を買っていないことを、今はただ祈るだけである。



掘り出し物



孫のために苦労している老夫婦



購入品



なし



2000年12月26日火曜日

強者どもが夢の跡(C区Sにて)

クリスマス



 12月25日……クリスマス。聖夜である。
 冬の夜空にホワイトイルミネーションの光が瞬き、降り積もる雪が恋人たちを包み込む。二人の間に言葉はいらない。冬の夜空を見上げた二人の心に小さな明かりが灯る……なんて、心配は一切ない私にとって、この日は別の意味を持つ日だった。
  この日、無節操な拡大路線で我が身を滅ぼした大手百貨店Sが、不採算店舗の店終いをする日であった。
 数ある不採算店舗の中に、私が住むS市の店舗も含まれていた。
 最大のバーゲンは閉店セールとは百貨店の不吉なジンクス。
 ある意味、最大のワゴンセールっていうか、店ごとワゴンセールになる今回の閉店セールをぜひ見ておきたいと思い立ち、私は印刷屋のバイトを終えると、すぐさまSと向かったのであった。



阿鼻叫喚の地獄絵図



 その光景は、あまりにも異質で奇怪な光景だった。
 私は百貨店でもバイトをしているのだが、閉店直前のSはあまりにも見慣れない光景で、私は少しだけ動揺してしまった。
 1階――貴金属やバッグ、アクセサリの投げ売りに雲霞のごとく人々が群がっていた。
  ここまでの人が群がっている百貨店なんて見たことがない。
「これが閉店セールか…」
 のっけから私は脅かされた。



 その後、何か面白いものは売ってないかと、エスカレータに乗って店内を徘徊した。
 3階、4階、5階……フロアを見渡して感じるのは、とにかく広いということ。
 通常、百貨店は一つのフロアに複数の売り場やテナントを設けており、それぞれの売り場を什器や売り物で仕切っている。
 そのため、百貨店は一つのフロアにいくつもの店が並んでいる、まるで商店街のような様相となる。
 だが、今、目の前に広がるSの状況は違った。
 什器はあらかた撤去されており、売り場の仕切りは全くなくなっている。
 ただ、ワゴンに乗せた売り物を整然と並べているだけなのだ。
 しかも、閉店間際ということで人気商品は殆ど売れてしまったため、商品も人影もわりとまばらだった。
「百貨店はこんなに広いのか……」
 フロアの端から対面の端を眺めやりながら、私は呻き声を上げていた。
 百貨店の端から端まで眺められるなんて、普通の百貨店ではあり得ないことなのだ……まさに百貨店にとっての地獄絵図。
 そんな閑散とした光景の中、長い行列で一際目を引いている売り場があった。
 ディズニーグッズの販売店だった。
 この不況下、大したものを売っているわけでもないのに、ディズニーグッズにだけは人が群がっていた。
 ウォルト、あんたはやっぱりすげぇよ……



 その後、私はオーディオソフト売り場へ行った。
 全店が激安価格で放出しているのに対し、ここだけは割引率が15%と吝いものとなっていた(それでも邦楽CDが値引きされているのだから、特殊といえば特殊か)。
 これらのソフトは、その手のバイヤーに任されば、それなりの値段で取り引きされるからなのだろうけれど……往生際の悪さみたいものを垣間見てしまった。



 結局、全フロアを見て回ったがゲームは一切扱っていなかったので、店を後にしようとした。
 店を出ようとするとき、
「クリスマスプレゼントに、いかがですかーっ!」
 女性販売員が手にしたスカーフをはためかせながら、金切り声を上げていた。
「クリスマスにプレゼントにどうですかーっ! お安くしますよーっ!」
 恥も外聞も、見栄も体裁もかまっていられないのだろう。
 女性販売員は金切り声を上げながら スカーフを振り回していた。
 時計を見やると、すでに時刻はPM7:40。
 閉店まで残り20分であった。
 彼女の奇声に物珍しさも手伝って、徐々に人々が集まってきた。
 そんな彼らに背を向けて、私はSを後にした。



強者の王国



 その後、私は大手家電ショップYへと向かった。
 もちろん、ここは閉店セールなどやっていない。
 だが、店舗正面の横断歩道で信号待ちをしている間にも、ひっきりなしに人が出入りしていた。
 これが日本経済を支えている要因なのか……ふとSでの女性販売員の金切り声が脳裏に蘇ってきた。



 店内に入ると、先月まで売っていた500円のセガサターン用のキーボードが無くなっていた。
 売り切れたのか、撤去されたのか……?
 いずれにせよ、私的には当コンテンツのネタが無くなり少し残念だった。
 その代わりではないが、ゲームソフトのワゴンセールでは『スーパープロデューサーズ(スパプロ)』が980円で売っていた。
 このゲームは多分、私が一生のうちで最もプレーしたゲームなのではないだろうか。
 このゲームほど、濃密に関わったゲームはない。
 なのに、私はこのゲームを持ってなかったりする。
「買うべきか…?」
 すでに今月をもって、スパプロ最大のウリであったネットワークサービスが停止している。
 つまり、このゲームにはもはや一円の価値もないといっても過言ではないのだ。
 逡巡する私。
 だが、気がつくと私は『スパプロ』を手にしてレジに向かっていた。
 ワゴンセールは時にして人間の思考を麻痺させる……



 Sの女性販売員の悲痛な声が未だに耳から離れない。



掘り出し物



百貨店の末期を眺められたこと



購入品



『スーパープロデューサーズ』



2000年12月13日水曜日

Rの奇妙な値付け(C区Rにて)

原初の地にて



 私に、このコンテンツを立ち上げさせるきっかけとなった、C区の百貨店Rでは奇妙な出来事が発生していた。



漸進的な値下げ(泥縄的ともいう)



 Rでは当初、プレステのソフトは全て定価で販売されていた。おそらく、SCEの勧告に律儀に対応していたであろう。
 ところが、それでは不人気ソフトは売れ残ってしまう。
 そこで『メディアボックス』のワゴンセールが始まるのと同時に、一部の売れ行きの悪いソフトを定価から20%オフで販売することにした。
『ドラゴンヴァラー』や『グランツーリスモ2』などの秀作もあったが、それ以外のほとんどは筋金入りの不人気ソフトばかり。
 当然、20%オフ程度では簡単には売れなかった。
 売れないソフト群に業を煮やした(と推測される)Rでは、しばらくすると何の予告もなしに30%オフとした。
 だが、それでも売れ行きは上がらず、いつもの面々は、いつもの位置に納まっていた。



 もう、こうなってしまうと、あとはヤケクソである。
 30%オフが40%オフになり、50%オフになるのも時間の問題であった。
 このような価格の推移を見守っていた私は、密かにある野望を抱いていた。
 ゲームとしては、さほど評価の高くない『攻殻機動隊』。
 このゲームも、このダンピング禍の中心にあったソフトである。
 ゲームとしては評価できないらしいが、原作のファンだった私は、このダンピングが加速化し、60%まで値引きされたら購入する腹づもりでいた。
 なぜ60%なのかというと、50%オフだと消費税込みで3000円を超えてしまうからである。
 60%オフだと【5800×(1-0.6)×1.05=2436】となり、2500円でお釣りが来る。この差は、精神的に相当な違いがある(と思う)。
 50%まで漸進的に値下げされてきたのだから、この勢いで60%まで値下げされるはずだ……と密かに期待していたのだが……



まちぼうけ



 それは『メディアボックス』のワゴンセールが撤去された日のことであった。
 ワゴンセールがなくなると当時に、プレステソフトの値下げも一斉に解除されてしまったのである。
 これまで半額でも売れなかったソフトたちが、一斉に定価へと引き戻され、売れ筋ソフトたちと、また肩を並べてしまったのである。
 無論、『攻殻機動隊』とて例外ではない。
 これは、かなりショックであった。
「こんなことなら半額でも良いから買っておけば良かった……」
 5800円の値札が張られた『攻殻機動隊』を前にして、私は『まちぼうけ』の寓話を思い出していた。



大逆転



 だが、物語はこれでは終わらなかった。
 年の瀬が押し迫ってきた12月11日。
 なんと、プレステソフトのワゴンセールが再開したのである。
 そのワゴンに並ぶのは、かつて50%までダンピングされた面々。
 しかも、その価格たるや2000円以下と以前をも上回る値下げ額。
 そして、『攻殻機動隊』 にいたっては1000円という破格値。
 この期を逃すことは出来ないとばかりに、私はすかさず『攻殻機動隊』を購入した。中古なら、さらに安いだろうということは念頭にはなかった。
 どういうわけか『サンパギータ』もワゴンセールになっており、R的には士郎正宗の人気がないということが露呈した。
 かように複雑で、怪奇で、奇妙なRの値付け。
 この一連の経過は以下のグラフのとおりである。



Wagon01



 なお、大逆転といえば『ドラゴンヴァラー』はワゴンセール行きを免れ、今でも定価販売されている。



奇妙な違和感



 Rの奇妙な挿話をもう一つ。
 Rではセガ商品は一切扱っていないのだが、どういうわけか『スペースチャンネル5』だけが売られていた。
 しかも、プレステ用ソフトとして。
 そして、今回のワゴンセールに際して、『ドリームキャスト用商品です』とシールが貼られて、しっかりとワゴンセールの仲間として売られることとなった。



掘り出し物



プレステ商品として扱われていた 『スペースチャンネル5』





スペースチャンネル5スペースチャンネル5
価格:¥ 6,090(税込)
発売日:1999-12-16


(このあと『スペースチャンネル5』はプレステ2に移植されている)



購入品



『攻殻機動隊』



2000年12月10日日曜日

大いなる遺産(N区Hにて)

思い出とともに



 私の近所には、昔からの馴染みのオモチャ屋さんのHがある。
 私が物心ついた頃からその店はあるので、かれこれ20年近く営業していることになる。
 昔はウグイス廊下ばりの板張り床であったが、今は床だけはフローリングされている。
 だが、その店のたたずまいは今も変わりない。
 今回は、その店を訪ねることにした。



レジェンド



 ゲームコーナーは二階にあるのだが、ゲームコーナーに踏み込んでいきなり目に飛び込んできたのが『カセットビジョン』のワゴンセールであった。
『カセットビジョン』とはファミコンと同時期に登場したゲーム機である。
 カートリッジ方式を採用しており、ゲームも『ドラゴンスレイヤー』を揃えるなど、現在のファミコンの地位を脅かすだけのポテンシャルは十分に持っていたはずである。
 だが、ファミコンに比べて遙かに高価であり、さらに使いづらいコントローラーが不評でメジャーな存在になれず、市場から消え去った。
 その『カセットビジョン』が、一本どれでも1000円という高いのか安いのかわからない値段でワゴンセールされていた。
 ちなみにハードの方も販売されている。



歴戦の強者たち



『カセットビジョン』に驚いた私をさらに衝撃を襲う。
 次に発見したのは、『ファミコン専用カセットテープレコーダー』。
 これは、まだ『ディスクシステム』や『ターボファイル』が登場する以前に、ファミコンの外部記憶装置として登場したもので、今で言うところのDATである。記録媒体として使用するのは市販のカセットテープである。
 主にファミリーベーシックで作成されたプログラムを保存するものだったのだが、他にも『ロードランナー』のマップコンストラクションで作成したステージを保存することなどができた(『ロードランナー』の自作マップをムック形式にして売っていた)。
 他にも『ジョイボール』も売っていた。
 少し前なら『ディスクシステム』も売っていたのだが、今回は見あたらなかった。売れてしまったのだろうか?
 これらファミコンの外部機器は、驚くべき事に全て定価で販売されている。
 そのいずれもが新品なので当然といえば当然なのだが、商売する気があるのだろうかと勘ぐってしまうが、それさえもまた趣深い。
 なお、その後、セガの『メガドライブ』のソフトも発見したことも付記しておく。



掘り出し物



『カセットビジョン』一式
『ファミコン用カセットテープレコーダー』
『ジョイボール』



購入品



なし



2000年12月5日火曜日

ナムコの凋落(C区Iにて)

噂を訪ねて



 Iでは中古プレステソフトを、さらに廉価で販売するという安売りコーナーを設けている。
 今回は、そこの安売りコーナーを訪ねてみることにした。



ワゴンセールの常連



 色々な店で、色々なワゴンセールをやっているが、たいていの店に置かれているのが、ナムコのゲームである。
 ワゴンに並ぶのは、プレステの黎明期を支えた『リッジレーサー』シリーズ、 プレステの大躍進のきっかけとなった『鉄拳』シリーズと、一昔前なら壮観とも呼べるラインナップである。
 これらの名作が500円前後で買えるというのだから、時代は変わったものである。
 1500円で粗製濫造されるゲームより、こちらの方がお買い得度は遙かに高いだろう。
 卓越した技術と、ゲーム業界を常にリードしてきたトップカンパニーのナムコ。
 プレステ2の登場期も、『リッジレーサーⅤ』がプレステ2の描画能力を示すサンプルとして、各種メディアに露出していたものである。



 ところが最近のナムコはセールス的には不調である。今やゲームではなく、不動産で会社を持たせているなどと揶揄されるほどだ。
 技術があり、ゲーム的に完成されたものであっても、セールス的に不調なものは容赦なくワゴンセール行き…マーケットは売り上げに対して、常に厳しく、冷たい。
 ちなみにゲームとしては遙かに時代が古いゲームばかりを収録した『ナムコミュージアム(含むアンコール)』シリーズは、なかなか中古でも価格が下がらない。
 現在となっては技術的には劣るゲームの方が、最新技術を駆使したゲームの数倍の値段で販売されているとは……これだからワゴンセールは趣きがある。



なんだ、これ?



 なお、これだけナムコゲームに感慨を寄せておきながらも、私が買ったのは380円と異様に値段が安かった『TIZ』と、山田章博のイラストでジャケ買いしてしまった『マーメノイド』というRPGであった。
 ちなみに『TIZ』は、声優にホンジャマカの石塚や爆笑問題、そして水森亜土を起用。豪華なのかどうかよくわからないソフトである。



掘り出し物



なし



購入品



『TIZ』
『マーメノイド』



2000年12月2日土曜日

幻のマルチメディアマシン(C区Rにて)

■出会い



 私が「ワゴンセール」に山積みになったゲームを意識するようになったのは、C区にあるRというデパートでバイトするようになってからである。
 Rのオモチャ売り場の一角に設けられたワゴンセールスコーナー。
 その中でもひときわ目を引いたのが、超巨大ボックス仕様の『同級生2 初回限定版』 であった。
 登場キャラクタのフィギュア12体が同梱されているという代物なのだが、メーカーの思惑とは裏腹に初回限定版は大量に売れ残ってしまった。その巨大な箱は、どの店に行っても邪魔者扱いされながら、店の片隅に積まれているのが日常的な光景となっている。
 そんな『同級生2』は見慣れていたのだが、その脇に、大きさでは勝るとも劣らない不思議な箱が置かれていた。
 それが『メディアボックス』 であった。
 タイトーが開発した、テレビと接続するだけでインターネットが出来るという、いわゆるセットトップボックスのようなものらしい。ピピン@のようなものと言った方が、分かりやすいかも知れない。
 そればかりではなく、ゲームやカラオケまで出来るという、まさに夢のマルチメディアマシン……らしいのだが、そんなもの今まで見たことも聞いたこともなかった。
そもそも、セットトップボックスが成功した例なんて、とりあえず今の時点では聞いたことはない。
 よくも、こんなハードを開発したものだ……とタイトーに驚き呆れたものだが、同時にこんな代物を仕入れたRも大したものである。
 とりあえず、ワゴンセールということで半額で売られてはいたが、それでも2万円近い金額である。
 当然と言うべきか、いつまで経ってもメディアボックスは売れることはなく、その巨体をワゴンの中で窮屈そうにかがめていた……



■日常



 いつも、そこにあるメディアボックス。
 次第に私はメディアボックスの動向が気になり始め、オモチャ売り場の前を通るたびに、メディアボックスの所在を探すようになっていた。
 時にはゲーム売り場からワゴンが移動したりもしたが、それでもメディアボックスは『同級生2』と一緒に、寄り添うようにそこにいた。
「いつになったらメディアボックスが買われるのだろうか」、いつしか私は子を持つ親のような心境になっていた。



■別れは突然に…



 そして、その日は突然やってきた。
 Rに新たにサンリオの専門ショップがオープンし、その影響でオモチャ売り場が縮小された。
 そして……ワゴンセールのワゴンは撤去されていた。
 メディアボックスは、ない。  跡形もなく消えていた。
 誰かに買われていったのだろうか……?
 真相は分からない。
 ……まるで祭りの後のような物寂しさと、趣深い情緒のようなものが、私の心の内に残った。
 ワゴンセール……いつ消えるともわからない、その危うさと、売れないゲームのもの悲しさ。
 このメディアボックスの存在が、私にこのコンテンツを立ち上げさせるきっかけとなったのである。



■掘り出し物



メディアボックス



タイトー メディアボックス M88S 家庭用通信カラオケタイトー メディアボックス M88S 家庭用通信カラオケ
価格:¥ 41,790(税込)
発売日:



■購入品



なし