2001年1月2日火曜日

逢いたいときに貴女はいない

賀新年



 明けましておめでとうございます。
 いよいよ、21世紀が始まりました。
 今世紀もよろしくお願いします。



悲劇は突然に



 年が明けようと、新世紀になろうと、セカンドインパクトが起きようが、核の炎に包まれようと、私の本質は変わらない。
 バイトの苦難から解放される正月休みは、例年通り寝正月ならぬゲーム正月を迎えようと思ったが……ゲームが動かない。
 クリアを楽しみしていた『東京魔人学園剣風帖』 だったが、ゲームが動かないのである。
 一応、タイトル画面までは行くのだが、戦闘を開始すると戦闘処理中に止まるのだ。
「そんなバカな……」
 去年の年末は『ドラゴンクエスト7』で奇怪なシーク音ながらも、きちんと動いていたではないか!
「動け動け動け動け! 今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ! もうそんなのヤなんだよ! だから動いてよ!――」
 そんな私の願いも空しく、ついにマイプレステは永眠した。
 思えば、『ときめきメモリアル』をやりたくて買ったマシンだから、すでに5年も前に買ったハードである。
 ご苦労様でした……合掌。



決断



 ゲームが出来なくて暇をもてあました私は、なんとなくホームページをリニューアル。
 新世紀の年明けにちなんでいて、まあ、これはこれで良かったのではないだろうか。
 が、しかし。
 やっぱり、ゲームをやりたい。
 ドリキャスはあるけれど、やりたいゲームはプレステのゲームばかりなのだ。
 っていうか、『東京魔人学園剣風帖』をクリアしてないし。
 というわけで、私は意を決してプレステ2を買うことにした。
 このハードをチョイスした理由は『スキャンダル』と『BLOOD THE LAST VAMPIRE』 をやりたいから。
 私はやるドラが好きなのだ。どうせ買うなら、やるドラDVDが動くプレステ2を買った方が良いに決まってる。
 昨年末、Sの崩壊を見届けた後に訪れたYでは、プレステ2が山積みになっていた。
 だから、プレステ2なんて、すぐに買えるだろうと高を括っていたのだが……後に、これが大きな誤りであることを痛感することになろうとは、いったい誰が予想していただろうか(まるで定型文みたい)。



長い旅



 当然、最初に訪うたのはYである。山積みになっていたから。
 が、しかし!  見事に無くなっていた。
 僅か一週間足らずだというのに、山積みになっていたプレステ2が一台もないのだ。
 あれは私が見た幻覚だったのだろうか?



 その後も、C区のT小路にある家電ショップを虱潰しに歩き回ったが、どこにもプレステ2はなかった。
「なんてこった!」
 天を見上げた私は日を改めて、地元のN区でプレステ2の探索を再開した。



 最初に入ったHで、早速プレステ2を発見!
「好評発売中!」なのだという。
 さっそく買おうと財布に手を伸ばした私であったが、そこに注意書きがあるのに気がついた。
「ゲームハードに限って現金のみでの取り扱いになっています」
 な、なにを言ってやがるんだ!?
 なんだか客にとっては理不尽な注意書きだが、背に腹は代えられないので銀行のCDで金を下ろす。
 雪が吹きすさぶ寒空の下、またHまで戻る。
 そして、私はレジでプレステ2を要求した。ついにプレステ2を手に入れるときが来たのだ……ところが!
「あいにく品切れです」
 私は我が耳を疑った。
 おいおい、「好評発売中」じゃあねえのかよ? 発売中ってのは、商品を取り扱っているからこそ発売中なんであって、商品がなかったら発売中じゃねえんだよ!
 などとイチャモンをつけたかったが、そこまで無分別ではなかったので、私は言葉を飲み込んで店を後にした。



 次に訪ねたのはD。Sの次に閉店の危機が危ぶまれているDだ。
 売り場が3階から地下1階に変更されていたので戸惑いつつも、なんとかプレステ2を発見。
 さあ、買うぞ! と意気込んでみると、そこにはまたもや小さな張り紙が。
「プレステ2は現在品切れです」
 おいおいおい! そこにある箱は何だ!? 空箱か? ゴミなら店頭に置くな! 紛らわしいんじゃ!
 と言ってやりたかったが、面倒を起こしてもしようがないので、すごすごと退散。



 結局、最終的に行き着いたのは去年も取り上げたHである。
 ちなみに先に訪れたHの本店である。
 2階に上がると老夫婦が二人、今まさにプレステ2を買うところであった。
「ビンゴ!」
 内心小躍りしながら、私はプレステ2を探して店内を見回す。
 だが、どこにもプレステ2が見当たらない。
 私の背後では、
店員:「ソフトはいらないんですか?」
老人:「ソフトとは?」
店員:「ゲームです」
老人:「ゲームとは?」
店員:「ソフトがなければ遊べません」
 などという禅問答のようなやりとりがされていた。
 やがて、老夫婦は納得したのかしないのかレジに背を向けると、どういうわけかドリキャスのコーナーへと歩を進めていった。
 どこにも見当たらないプレステ2。
 私は老夫婦がいなくなって手持ちぶさたの店員に、「プレステ2はありますか?」と尋ねた。
 すると店員は眼下にあるプレステ2を指さし、
「これで終わりです」
 ガーーーン! ショーック!
 こんなマンガみたいな、フィクションじみた事態が本当に起こり得るなんて!
 あまりにも劇的な展開に、私はむしろ清々しい気持ちでHを後にした。



 ドリキャスのゲームではなく、プレステ2のゲームを買えたのかどうか、老夫婦のその後についてはつまびらかではない。
 願わくば、孫の望んだゲームを購入していてほしい。
 ドリキャスのゲームを買って孫の不興を買っていないことを、今はただ祈るだけである。



掘り出し物



孫のために苦労している老夫婦



購入品



なし



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