2000年12月13日水曜日

Rの奇妙な値付け(C区Rにて)

原初の地にて



 私に、このコンテンツを立ち上げさせるきっかけとなった、C区の百貨店Rでは奇妙な出来事が発生していた。



漸進的な値下げ(泥縄的ともいう)



 Rでは当初、プレステのソフトは全て定価で販売されていた。おそらく、SCEの勧告に律儀に対応していたであろう。
 ところが、それでは不人気ソフトは売れ残ってしまう。
 そこで『メディアボックス』のワゴンセールが始まるのと同時に、一部の売れ行きの悪いソフトを定価から20%オフで販売することにした。
『ドラゴンヴァラー』や『グランツーリスモ2』などの秀作もあったが、それ以外のほとんどは筋金入りの不人気ソフトばかり。
 当然、20%オフ程度では簡単には売れなかった。
 売れないソフト群に業を煮やした(と推測される)Rでは、しばらくすると何の予告もなしに30%オフとした。
 だが、それでも売れ行きは上がらず、いつもの面々は、いつもの位置に納まっていた。



 もう、こうなってしまうと、あとはヤケクソである。
 30%オフが40%オフになり、50%オフになるのも時間の問題であった。
 このような価格の推移を見守っていた私は、密かにある野望を抱いていた。
 ゲームとしては、さほど評価の高くない『攻殻機動隊』。
 このゲームも、このダンピング禍の中心にあったソフトである。
 ゲームとしては評価できないらしいが、原作のファンだった私は、このダンピングが加速化し、60%まで値引きされたら購入する腹づもりでいた。
 なぜ60%なのかというと、50%オフだと消費税込みで3000円を超えてしまうからである。
 60%オフだと【5800×(1-0.6)×1.05=2436】となり、2500円でお釣りが来る。この差は、精神的に相当な違いがある(と思う)。
 50%まで漸進的に値下げされてきたのだから、この勢いで60%まで値下げされるはずだ……と密かに期待していたのだが……



まちぼうけ



 それは『メディアボックス』のワゴンセールが撤去された日のことであった。
 ワゴンセールがなくなると当時に、プレステソフトの値下げも一斉に解除されてしまったのである。
 これまで半額でも売れなかったソフトたちが、一斉に定価へと引き戻され、売れ筋ソフトたちと、また肩を並べてしまったのである。
 無論、『攻殻機動隊』とて例外ではない。
 これは、かなりショックであった。
「こんなことなら半額でも良いから買っておけば良かった……」
 5800円の値札が張られた『攻殻機動隊』を前にして、私は『まちぼうけ』の寓話を思い出していた。



大逆転



 だが、物語はこれでは終わらなかった。
 年の瀬が押し迫ってきた12月11日。
 なんと、プレステソフトのワゴンセールが再開したのである。
 そのワゴンに並ぶのは、かつて50%までダンピングされた面々。
 しかも、その価格たるや2000円以下と以前をも上回る値下げ額。
 そして、『攻殻機動隊』 にいたっては1000円という破格値。
 この期を逃すことは出来ないとばかりに、私はすかさず『攻殻機動隊』を購入した。中古なら、さらに安いだろうということは念頭にはなかった。
 どういうわけか『サンパギータ』もワゴンセールになっており、R的には士郎正宗の人気がないということが露呈した。
 かように複雑で、怪奇で、奇妙なRの値付け。
 この一連の経過は以下のグラフのとおりである。



Wagon01



 なお、大逆転といえば『ドラゴンヴァラー』はワゴンセール行きを免れ、今でも定価販売されている。



奇妙な違和感



 Rの奇妙な挿話をもう一つ。
 Rではセガ商品は一切扱っていないのだが、どういうわけか『スペースチャンネル5』だけが売られていた。
 しかも、プレステ用ソフトとして。
 そして、今回のワゴンセールに際して、『ドリームキャスト用商品です』とシールが貼られて、しっかりとワゴンセールの仲間として売られることとなった。



掘り出し物



プレステ商品として扱われていた 『スペースチャンネル5』





スペースチャンネル5スペースチャンネル5
価格:¥ 6,090(税込)
発売日:1999-12-16


(このあと『スペースチャンネル5』はプレステ2に移植されている)



購入品



『攻殻機動隊』



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