原初の地にて
私に、このコンテンツを立ち上げさせるきっかけとなった、C区の百貨店Rでは奇妙な出来事が発生していた。
漸進的な値下げ(泥縄的ともいう)
Rでは当初、プレステのソフトは全て定価で販売されていた。おそらく、SCEの勧告に律儀に対応していたであろう。
ところが、それでは不人気ソフトは売れ残ってしまう。
そこで『メディアボックス』のワゴンセールが始まるのと同時に、一部の売れ行きの悪いソフトを定価から20%オフで販売することにした。
『ドラゴンヴァラー』や『グランツーリスモ2』などの秀作もあったが、それ以外のほとんどは筋金入りの不人気ソフトばかり。
当然、20%オフ程度では簡単には売れなかった。
売れないソフト群に業を煮やした(と推測される)Rでは、しばらくすると何の予告もなしに30%オフとした。
だが、それでも売れ行きは上がらず、いつもの面々は、いつもの位置に納まっていた。
もう、こうなってしまうと、あとはヤケクソである。
30%オフが40%オフになり、50%オフになるのも時間の問題であった。
このような価格の推移を見守っていた私は、密かにある野望を抱いていた。
ゲームとしては、さほど評価の高くない『攻殻機動隊』。
このゲームも、このダンピング禍の中心にあったソフトである。
ゲームとしては評価できないらしいが、原作のファンだった私は、このダンピングが加速化し、60%まで値引きされたら購入する腹づもりでいた。
なぜ60%なのかというと、50%オフだと消費税込みで3000円を超えてしまうからである。
60%オフだと【5800×(1-0.6)×1.05=2436】となり、2500円でお釣りが来る。この差は、精神的に相当な違いがある(と思う)。
50%まで漸進的に値下げされてきたのだから、この勢いで60%まで値下げされるはずだ……と密かに期待していたのだが……
まちぼうけ
それは『メディアボックス』のワゴンセールが撤去された日のことであった。
ワゴンセールがなくなると当時に、プレステソフトの値下げも一斉に解除されてしまったのである。
これまで半額でも売れなかったソフトたちが、一斉に定価へと引き戻され、売れ筋ソフトたちと、また肩を並べてしまったのである。
無論、『攻殻機動隊』とて例外ではない。
これは、かなりショックであった。
「こんなことなら半額でも良いから買っておけば良かった……」
5800円の値札が張られた『攻殻機動隊』を前にして、私は『まちぼうけ』の寓話を思い出していた。
大逆転
だが、物語はこれでは終わらなかった。
年の瀬が押し迫ってきた12月11日。
なんと、プレステソフトのワゴンセールが再開したのである。
そのワゴンに並ぶのは、かつて50%までダンピングされた面々。
しかも、その価格たるや2000円以下と以前をも上回る値下げ額。
そして、『攻殻機動隊』 にいたっては1000円という破格値。
この期を逃すことは出来ないとばかりに、私はすかさず『攻殻機動隊』を購入した。中古なら、さらに安いだろうということは念頭にはなかった。
どういうわけか『サンパギータ』もワゴンセールになっており、R的には士郎正宗の人気がないということが露呈した。
かように複雑で、怪奇で、奇妙なRの値付け。
この一連の経過は以下のグラフのとおりである。
なお、大逆転といえば『ドラゴンヴァラー』はワゴンセール行きを免れ、今でも定価販売されている。
奇妙な違和感
Rの奇妙な挿話をもう一つ。
Rではセガ商品は一切扱っていないのだが、どういうわけか『スペースチャンネル5』だけが売られていた。
しかも、プレステ用ソフトとして。
そして、今回のワゴンセールに際して、『ドリームキャスト用商品です』とシールが貼られて、しっかりとワゴンセールの仲間として売られることとなった。
掘り出し物
プレステ商品として扱われていた 『スペースチャンネル5』
スペースチャンネル5 価格:¥ 6,090(税込) 発売日:1999-12-16 |
(このあと『スペースチャンネル5』はプレステ2に移植されている)
購入品
『攻殻機動隊』
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