1992年2月号 表紙:中江有里
SOFT TOP20
『ブランディッシュ』が2ヶ月連続でトップ。2位は『ランス3』。4位に『指輪物語』が入るなど、久しぶりにRPGがチャート上位を賑わせた。
TAKERUはRPGコンストラクションツールの『ログインRPGツクール・チャイムズクエスト』がトップ。「ツクール」シリーズは、これが第1段なのではないだろうか。当時は作ったゲームを配布する方法がなかったが、現在はインターネットがあるので出来の良い自作ゲームを遊べるようになった。
新作
サイキックディテクティブシリーズの最新作『ナイトメア』が登場。当時はマシンパワーのあるFM-TOWNSでしかプレーできなかったので、このゲームを羨望の眼差しで見ていたものである。
飯島健男がパンドラボックスというソフトハウスを設立。同社と同名の『パンドラボックス』というゲームを出した。
源平もののSLG『義経』が日本ソフテックから登場。光栄のもそうだが、源平ものはあんまりヒットしないようだ。ヒットしたのは『源平討魔伝』ぐらいのもの。
コンプRPG月報
コンプRPG第2号のお知らせ。
今月の新作はゲームではないが『ワースブレイドがよくわかる本』。『D&Dがよくわかる本』を皮切りに、ルールごとにこういう本が続々と登場するようになった。でも、「TRPG」という包括的なゲームの紹介にまで及んでいたという点で、D&Dが群を抜いていたと思う。当時は、これを何度も読み返して「TRPGとは、どんなものなんだろう?」と想像を膨らませていたものである。
メディアミックスといえば角川の十八番だが、『モンスターメーカー』もメディアミックス大展開中だった。
特集
【戦国ゲーム最前線】
『天下統一2』を筆頭に、『三国志3』『関ヶ原』『川中島異聞録』と揃った。昔は歴史SLGとして一括りにされていたが、この頃になると歴史物だけでもいろんなジャンルが登場するようになった。
【'92日本ファルコム基礎知識】
『アドバンスト・ロードモナーク』『ぽっぷるメイル』『ブランディッシュ』と新作を立て続けに出したファルコムの特集。『イース』や『ソーサリアン』のドラゴンスレイヤーシリーズは影も形もない…一応、コミック版『ソーサリアン』の全巻プレゼントってのはやってるけど。
How to Win
『ロードス島戦記2』の攻略だが、このリプレイ形式はアイデア賞ものだと思う。というのも、とっくにゲームをクリアしているオレのような読者にとっても、読み物としての価値があるからだ。記事中、SNEの高山浩がテストプレーヤーの不甲斐なさを嘆いているが、そんなものオレに任せれば大丈夫だ(笑)。
他に『ブルトン・レイ シナリオ集Vol.3』『ロボクラッシュ98』『信長の野望・武将風雲録』『プリンセスメーカー』『幻影都市』『ウルティマ6』『KIGEN』『レミングス』『ウルティマBCF』も。
RPGリプレイ
『蟻帝伝説クリスタニア』:最終話
真紅の皇帝とは戦闘にならず、神獣クロイセを説得して帝国の侵略戦争は終止符を打つ。だが、一行の真の目的は戦死したテューレを蘇らせること。マーファの高司祭の力によって無事に生き返ったテューレ。だが、生き返ったテューレには莫大な借金が残っていて…第3部に続く。
SLG WORLD
なんだか、雑多な内容。このコーナーに大量の投稿をする読者の宗近三十郎氏のマンガが秀逸。
戦国合戦バトルロイヤルは信長と信玄が、もし戦ったらというもの。
福袋
ジャストの社長以下開発メンバーが「わいせつ文書等販売目的所持容疑」で逮捕された。そのため福袋ではエロゲーは一切扱っていない。で、この影響からエロゲーの表現が厳しくなり、またエロゲーに「18禁シール」が貼られるようになった。1991年までは、この手の規制もなかったのである。
ちなみに、この事件が発覚した原因は中学生がエロゲーを万引きしたことであった。万引きした商品を警察が検分したところ、日本の法律では見せてはいけないものまで見せていた、ということが明るみになって、この逮捕に繋がった。
くだらんことだけどエロゲー的には、わりと重要な出来事。
コミック
『竜惑星叙事詩 バーストランド』:前編
杉田流仙によるマンガ。
『ムーンクエスト』:第10話
付録
【平成4年 日本のソフトハウス】
新春恒例企画だが、例年より1号遅れての登場。
バショウハウスはエメドラ以来のゲーム『ドラゴン創世記』を発表。それにしても、この時点で未だにエメドラの呪縛に縛られているとは…
パンドラボックス社長の飯島健男の「今度こそ、この会社は決して辞めません」ってシャレになってない。何のことか分からない人は、当コンプテョークを読み直してほしい。
この企画、各ソフトハウスの従業員数も記載しているのだが、笑ってしまうのが富士通の5万人。これは富士通全社員の人数だろって。
マトリックスという聞き慣れないソフトハウスがあるが、ここには、あかほりさとるがいた。この当時の写真にも面影が残っているが、なによりも痩せている!
それにしても、この頃はTRPGにも元気があったのだな~と、しみじみしたりする。
その他・備考
リセットちゃん休載のため新田真子の未来ちゃんがピンチヒッター。扱ったのは『パワーモンガー』だった。
読者参加ゲーム『ゲートワールド』が開始。でも、オレってこの手の読者参加ゲームには参加していない。郵送するのが手間で。