散華~血にまみれた掌~
今日はN区の中でも、私があまり足を運ばない北方を探索してみようと思った。
いつも某所へ行く途上で見かけるゲームショップがあり、それが気になったからである。
自宅を出て北上している途上で、迂闊にも私はアイスバーンで転倒してしまった。
これは数年ぶりの雪面での転倒で、私が世紀を跨いで維持してきた不転倒記録も、これで潰えてしまった。
ついでといってはなんだが、転倒した際に受け身を取ったため、右掌がざっくりと切れて血まみれになってしまった。
それと痛打した腰が今でも痛い。
Mにて
目的の店へ向かう途上、うらぶれたオモチャ屋を発見した。
「田舎のオモチャ屋には宝物が眠っている」
とは定説である。
だが、こういう小さい店構えの店は足を踏み入れるのはともかく、何も買わずに店を後にするのは気が引けたりする。
店に入るべきか否か逡巡したのだが、店の入り口に「スーパーファミコン大特価」と張り紙がしてあったのを目撃した。
「せっかくだから、オレはこの店に入るぜ」
ってな感じで、店を訪れることにした。
店内は一昔前の駄菓子屋のような作りになっており、プラモデルや駄菓子、オモチャなどが陳列されていた。
そういったオモチャの中に、キン肉マン(無論、スグルだ)のぬり絵があったりして、思わず私の胸を熱くさせる。
そして広くもない店内を見て回っていると、確かにスーファミソフトのワゴンセールが行われていた。
だが、そのワゴンの足下には……なんと、無造作にファミコンソフトが床に置かれているではないか。
ワゴンセールとはワゴンに入った廉価販売だが、このように床に置かれている販売方法は何というのだろうか……?
床に置かれていたソフトは『信長の野望・武将風雲録』『水滸伝』『ランペルール』『テクモボウル』そして『トップストライカー』の五本だけ。
しかも、どういうわけか値付けは『トップストライカー』だけが500円で、残りは1000円だった。
というわけで、最も廉価な『トップストライカー』を購入。
ナムコのサッカーゲームなのだが、珍しく「ファミリー」が付かない代物だった。
また、その脇にはメガドラ、PCエンジン、セガサターンもワゴンセール。プレステとドリキャス、N64はなかった。
Cにて
思わぬところで思わぬ買い物をした私は、その後、ようやく目的の店にたどり着いた。
店の名前はCといい、一般的なゲームショップといえる店構えであった。
値付けに関しては、かなりまともな価格帯といえる。
スーファミソフトは、だいたい1000円程度で、『スーパーファイヤープロレスリング』にいたっては180円だった。
このゲームがこの値段なら、お買い得であろう。
また、セガサターンソフトに関しては販売価格からさらに10%値引いていたり、ゲーム市場のニーズにあった販売をしている。
サターンのゲームは今でも遊べるゲームがあるので、これはお勧めである。
もっとも、ファミコンは『ソロモンの鍵2』が2480円だったりと、相変わらずファミコンは価格帯が高めに設定されている。
コナミ優遇措置
Cではコナミだけ別コーナーを設けていた。
そこではベスト化された『ときめきメモリアル・ドラマシリーズ』も扱われていたが、それらはいずれも2280円だった。
中古にしては割高だが、メモラーの私としては嬉しい値付けだった。
『プライベートコレクション』などがワゴンセールの常連になっている、現在のゲーム市場は私にとって悲しいのだ。
ときメモシリーズは常に定価販売されていてほしい、と切に願っている。
80円の衝撃
売り場の中央にはショーケースがあるのだが、なぜかそのショーケースは「説明書がコピー用紙」というバッタモン紛いのものばかりが扱われていた。
普通、ショーケースは目玉商品を扱うものだと思うのだが……
そのショーケースの中で、一際私の目を引いたのが『ワンチャイ・コネクション』。
フッくんが主演するクソゲー常連のこのゲームであるが、なんと80円という値段で売られていたのである。
100円以下で買えるゲームは、これまでも雑誌等では見たことはあったが、実物を肉眼で目撃したのはこれが始めてである。
しかも、この話にはオチもある。
箱・説明書完備品は280円で売られているのだ。
つまり、『ワンチャイ・コネクション』は箱と説明書に200円分の価値があるということなのだ。
クソゲー中のクソゲーという評価を受けた『デスクリムゾン』は、逆にクソゲーゆえにプレミア価格が付いている。
だが、同じクソゲーの『ワンチャイ・コネクション』は説明書以下の扱いを受ける羽目となってしまったとは……。
陽の目を見てプレミアが付くクソゲーもあれば、陽の目を見ることもなく不当と言うより、もはや暴虐とも言える値段で売られてしまうクソゲーもあるのだ。
なお、本来ならワンチャイを買って、そのレシートをここに掲載すべきだったのだろうが……
私にはショーケースを開けてもらう勇気がなかったので、結局、280円のワンチャイを買ってしまった……
クソゲーを買ってしまった後悔と、店員さんに言い出す勇気を振り絞れなかった後悔とで、二重の慚愧に捕らわれている私なのであった……
掘り出し物
80円で売られている『ワンチャイ・コネクション』
ワンチャイコネクション 価格:¥ 8,190(税込) 発売日:1994-11-22 |
Amazonで扱われているワンチャイの定価をご覧いただきたい。
購入品
『トップストライカー』
280円の『ワンチャイ・コネクション』