2001年2月24日土曜日

光と影(N区にて)

散華~血にまみれた掌~



 今日はN区の中でも、私があまり足を運ばない北方を探索してみようと思った。
 いつも某所へ行く途上で見かけるゲームショップがあり、それが気になったからである。
 自宅を出て北上している途上で、迂闊にも私はアイスバーンで転倒してしまった。
 これは数年ぶりの雪面での転倒で、私が世紀を跨いで維持してきた不転倒記録も、これで潰えてしまった。
 ついでといってはなんだが、転倒した際に受け身を取ったため、右掌がざっくりと切れて血まみれになってしまった。
 それと痛打した腰が今でも痛い。  



Mにて



 目的の店へ向かう途上、うらぶれたオモチャ屋を発見した。
「田舎のオモチャ屋には宝物が眠っている」
 とは定説である。
 だが、こういう小さい店構えの店は足を踏み入れるのはともかく、何も買わずに店を後にするのは気が引けたりする。
 店に入るべきか否か逡巡したのだが、店の入り口に「スーパーファミコン大特価」と張り紙がしてあったのを目撃した。
「せっかくだから、オレはこの店に入るぜ」
 ってな感じで、店を訪れることにした。
 店内は一昔前の駄菓子屋のような作りになっており、プラモデルや駄菓子、オモチャなどが陳列されていた。
 そういったオモチャの中に、キン肉マン(無論、スグルだ)のぬり絵があったりして、思わず私の胸を熱くさせる。
 そして広くもない店内を見て回っていると、確かにスーファミソフトのワゴンセールが行われていた。
 だが、そのワゴンの足下には……なんと、無造作にファミコンソフトが床に置かれているではないか。
 ワゴンセールとはワゴンに入った廉価販売だが、このように床に置かれている販売方法は何というのだろうか……?
 床に置かれていたソフトは『信長の野望・武将風雲録』『水滸伝』『ランペルール』『テクモボウル』そして『トップストライカー』の五本だけ。
 しかも、どういうわけか値付けは『トップストライカー』だけが500円で、残りは1000円だった。
 というわけで、最も廉価な『トップストライカー』を購入。
 ナムコのサッカーゲームなのだが、珍しく「ファミリー」が付かない代物だった。
 また、その脇にはメガドラ、PCエンジン、セガサターンもワゴンセール。プレステとドリキャス、N64はなかった。



Cにて



 思わぬところで思わぬ買い物をした私は、その後、ようやく目的の店にたどり着いた。
 店の名前はCといい、一般的なゲームショップといえる店構えであった。
 値付けに関しては、かなりまともな価格帯といえる。
 スーファミソフトは、だいたい1000円程度で、『スーパーファイヤープロレスリング』にいたっては180円だった。
 このゲームがこの値段なら、お買い得であろう。
 また、セガサターンソフトに関しては販売価格からさらに10%値引いていたり、ゲーム市場のニーズにあった販売をしている。
 サターンのゲームは今でも遊べるゲームがあるので、これはお勧めである。
 もっとも、ファミコンは『ソロモンの鍵2』が2480円だったりと、相変わらずファミコンは価格帯が高めに設定されている。



コナミ優遇措置



 Cではコナミだけ別コーナーを設けていた。
 そこではベスト化された『ときめきメモリアル・ドラマシリーズ』も扱われていたが、それらはいずれも2280円だった。
 中古にしては割高だが、メモラーの私としては嬉しい値付けだった。
『プライベートコレクション』などがワゴンセールの常連になっている、現在のゲーム市場は私にとって悲しいのだ。
 ときメモシリーズは常に定価販売されていてほしい、と切に願っている。



80円の衝撃



 売り場の中央にはショーケースがあるのだが、なぜかそのショーケースは「説明書がコピー用紙」というバッタモン紛いのものばかりが扱われていた。
 普通、ショーケースは目玉商品を扱うものだと思うのだが……
 そのショーケースの中で、一際私の目を引いたのが『ワンチャイ・コネクション』。
 フッくんが主演するクソゲー常連のこのゲームであるが、なんと80円という値段で売られていたのである。
 100円以下で買えるゲームは、これまでも雑誌等では見たことはあったが、実物を肉眼で目撃したのはこれが始めてである。
 しかも、この話にはオチもある。
 箱・説明書完備品は280円で売られているのだ。
 つまり、『ワンチャイ・コネクション』は箱と説明書に200円分の価値があるということなのだ。
 クソゲー中のクソゲーという評価を受けた『デスクリムゾン』は、逆にクソゲーゆえにプレミア価格が付いている。
 だが、同じクソゲーの『ワンチャイ・コネクション』は説明書以下の扱いを受ける羽目となってしまったとは……。
 陽の目を見てプレミアが付くクソゲーもあれば、陽の目を見ることもなく不当と言うより、もはや暴虐とも言える値段で売られてしまうクソゲーもあるのだ。
 なお、本来ならワンチャイを買って、そのレシートをここに掲載すべきだったのだろうが……
 私にはショーケースを開けてもらう勇気がなかったので、結局、280円のワンチャイを買ってしまった……
 クソゲーを買ってしまった後悔と、店員さんに言い出す勇気を振り絞れなかった後悔とで、二重の慚愧に捕らわれている私なのであった……



掘り出し物



80円で売られている『ワンチャイ・コネクション』



ワンチャイコネクション
価格:¥ 8,190(税込)
発売日:1994-11-22


Amazonで扱われているワンチャイの定価をご覧いただきたい。



購入品



『トップストライカー』
280円の『ワンチャイ・コネクション』