1987年10月21日水曜日

video days 創刊号

表紙:イラスト

映画の醍醐味100本
マンガ家が選ぶ感覚派映画20本:玖保キリコ
舞台演出家が選ぶ20本:木野花
映画で楽しむニューヨーク20本:川本三郎
落ち込んだ時、元気がでる映画20本:中野翠
女の友情・男の友情20本:渡辺祥子、筈見有弘
「映画」とあるけど、あくまでもビデオで見られることが大前提の各々のテーマに沿った100本。

ビデオで見るコスチュームデザイナー:川本恵子
イデス・ヘッドとその衣装

すり切れるほど見たい!
奥田瑛二、古村比呂、三枝成章、伊藤比呂美、柳葉敏郎、木佐貫邦子
各著名人が「ビデオがすり切れるほど見たい」映画をオススメする。


パゾリーニの映画をビデオで見るための短いメモ:長谷川集平
『ソドムの市』などで知られるパゾリーニの作品について。
ただし、この時点ではまだ『ソドムの市』はソフト化されていなかった。

"丸顔"にこだわってみる映画あれこれ
柴門ふみ、安西水丸、川本三郎
俳優に関する座談会。

わたせせいぞうのTRY TO REMEMBER
男と女
わたせせいぞうのイラストとテキストによるエッセイ。

New Video Pick Up
期間中に発売される新作ビデオの簡単なレビューと発売元や値段などのデータ。
ビデオ専門マガジンっぽい企画だけど、キネ旬的なこだわりのあるレビューだったんだと思う。よくわかんないけど。

新作ビデオリスト
ソフト化される映画の一覧。
創刊号にだけ載っており、以降はこのリストの掲載はなかった。

PAUSE Video Days Information(読者コーナー)+プレゼント
「おしゃれな映画館は業界人でいっぱい!」という記事では、「映画館に行けば役者や制作者に遭遇できる」ということで、映画館に行ってみような感じにまとまっている。ビデオ専門マガジンなのにねえ…。
「ソニーVSビクターの映画対決」という記事では、ビデオを扱っていたソニーとビクターが映画製作にも出資するようになったとのこと。

フレッド・アステアを追って:小林信彦
フレッド・アステアのフィルモグラフィーとビデオ化作品のリスト。

これが未公開の玉だ:伊藤勝男
「陽の当たらなかった作品を発掘する喜び」
日本では劇場未公開ながら、ビデオ化された映画について取り上げている。
個人的には、現在の映画秘宝系の雰囲気があって、ビデオが映画と映画ファンに及ぼした影響を如実に物語る記事でお気に入り。
記事中の「ビデオの登場で玉石混淆となった映画市場、中でも玉の作品を紹介―穴は掘らねば宝の発見はない」は名言だと思う。
なお、伊藤勝男さんはこの記事と同等の内容で『B級ビデオ発掘カタログ』 『珍作ビデオのたのしみ』(カルトビデオ冒険団として共著)という本も出している。

ビデオで見るキネマ旬報ベスト・テン
1924年~1986年のキネ旬ベストテンと、ソフト化の有無を一覧表にしたもの。

名作をビデオで見る映画の楽しみ:品田雄吉
キネ旬ベストテンを受けて、各年代の見所のある映画を取り上げている。
かつては公開時に劇場でしか見られなかった映画を、ビデオにして個人が所有できる、いつでも見られるというのは確かに大きな変革だった。

ビデオマーケットの現在:掛尾良夫
映画に二番館があるようにビデオに二番レンタルがあってもいい:大橋雄吉(東宝株式会社)
ビデオの収入を考えないで制作、買い付けは出来ない:窪谷元之(松竹株式会社)
メディアランドを通してお客さんと情報交換:丸山寿敏(株式会社ポニー)
映画の輸入はここ二、三年で急増:竹内清和(社団法人外国映画輸入配給協会)
今後予想されるあらゆる映像を手掛けていく:川田雄基(三菱商事=MCN)
ビデオは映画の二次使用と違う新しいメディア:藤村哲哉(ギャガ・コミュニケーションズ)
日本でもワン・ダラー・ア・デイの時代に:増田宗昭(CCC株式会社)
80年代の日本で、映画会社からレンタルビデオ業まで、各界の人たちの意見を述べたもの。
当時の日本のビデオを取り巻く考え方が語られていて面白い。
興味深いのは、映画会社が映画=ビデオにこだわりレンタル料金の低価格化に難色を示す一方、レンタルビデオ業界は映画もビデオとして流通するコンテンツの一つという考え方なところ。

Audio Visual Days
S・VHSとED・Beta:潮晴男
LVDとVHD:長田号
3-Dとはなにか―『キャプテンEO』を引き合いに出し、『13日の金曜日3』や『ジョーズ3』について触れている。
ファミコンも、いよいよ立体ファミコンが発売とあるが、『ハイウェイスター』とか『ファルシオン』あたりのことか?

第2回東京国際映画祭バチバチ役立ち情報
東京国際映画祭と東京国際ファンタスティック映画祭'87のプログラムなどを網羅したもの。

その他
【バリウスってなんだ?】

謎の広告が掲載されている。
「バリウス」をインターネットを調べてみてもVAPの会社概要にバリウス新潟、よみうりテレビサービスの会社概要にバリウス大阪、VAP30周年サイトにバリウス設立が僅かに書かれているのみ。

【月刊ビデオ・インサイダー・ジャパン創刊の広告】

現在でもビデオ業界誌としてあるけれど、この時期に創刊した。
ただし会員登録が必要で、一般ユーザーが気軽に読めるわけではないみたい。
ビデオ・インサイダー・ジャパン

【悪名高きマウントライトコーポレーションの広告が掲載されている】

創刊号だけで、次号からは載っていないのが残念。

【死霊の盆踊りの扱い】

ネタとして有名な『死霊の盆踊り』だけど、どうやらこの当時からネタ扱いだった模様。

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