2001年1月21日日曜日

この胸のときめき

プレイステーション.com



 前回でも述べているが、どこにいってもプレステ2が見つからない。
 業を煮やした私は、プレイステーション.com(以下、PS.com)で購入することにした。
 PS.comとはSCEが運営するインターネット直販サイトのことである。
 昨年、サイト始動と同時に膨大なアクセスがあって、サーバーがパンクしてしまったことでも有名だ。



 アクセスしてIDを取得して、早速、プレステ2を注文。
 ……いとも簡単に注文できた。
 市内を歩き回っても入手できなかったというのに、ネット上では簡単な手続きと、僅かなクリックで注文ができた。
 正直言うと、品薄で注文できないのではないかと思ってもいたのだが、何の支障もなく注文できた。
 配達は注文から5日後ということだったが、バイトが休日の土曜日に配達してもらうことにした。
 以前、SCEがPS.comを立ち上げる際に、小売店が「自社流通を優先されると、小売りが打撃を受ける」と不安を漏らしていた。
 実際に、小売店で入手できなかったプレステ2が、ネットでは容易に入手できたのだから小売店の不安は、あながち間違っていなかったということになる。
 だが、消費者側としては確実に入手さえできれば、ネットだろうか小売りだろうが関係ない。
 しかも、愛想の悪い小売りや、「好評発売中」のノボリを立てながら実際には商品を置いていない小売りなど、具体名は記さないが不愉快な小売店もいくつかあった。
 全ての小売りが不愉快だとは決して言わないが、私は今回のプレステ2購入行脚の旅では、けっこう不愉快な思いをしている。
 そういった小売りから買うぐらいなら、ネットで買った方が精神衛生的にも健全だ。
 ネットなら対面販売はしないので、少なくても不愉快な奴に出くわさなくて済むから。



決戦前夜



 1月19日。
 プレステ2到着を目前にして、私はプレステ2専用ソフトを買うためにゲームショップIを訪れた。
 購入したのは『スキャンダル』。
 私が好きなやるドラシリーズのプレステ2第1弾だ。
 しかも、主役が高乃麗さんであるというのもポイントが高い。
 ついでにプレステ2が売っていないかもチェックした。
 相変わらず品切れで「入荷日未定」とのことで、ホッと胸をなで下ろす小心者の私。



 いよいよ、明日はプレステ2が届く……
 でも、特にドキドキというか、ワクワクというか、ゲームを手にするときの「ときめき」がなかった。
 ネットで注文した日に予定通りに届く……ただ、それだけだ。
 それ以上でも、それ以下でもない。
 ……ホントにそうなのだろうか?
 いったい、いつからだろう。
 ゲームを買う前日にドキドキしなくなったのは。
 昔はゲームを買うときは前日からドキドキして、ゲームショップへはワクワクしながら走っていたものである。
 今でも鮮明に覚えているのが『ボンバーマン』を買いにいったとき。もちろん、初代ファミコン版である。
 お小遣いを手にして、夜中なのにゲームショップまで走ったもんだ。
 他にも、『ダウボーイ』『忍者じゃじゃ丸くん』『ちゃっくんぽっぷ』などなど……思い入れが強かっただけに、クソゲーを掴んだときのショックも大きかったものだ。



 でも、今はそういう「ときめき」がない。
 ゲーム誌やネットで入念にチェックしたゲームを、中古になってから買っている。
『スキャンダル』もそうやって入手した。
 それとネットでの購入も、「ときめき」減退の要因かもしれない。
 パソコンの前でキー操作して、あとは商品が届くのを待つだけ。
 全てが予定調和的で、ゲームを入手するというよりも、ゲームが手元に届くという感覚が「ときめき」を奪っているのかもしれない。
 そう考えると、この合理的なデリバリーシステムにも弊害があるといえるのか?
 でも、やっぱり私自身が「ときめき」を感じることが少なくなったというのが、一番の要因だろう。
 どうして、こうなってしまったんだろうか?
 心が「ときめき」に対して鈍磨になってしまったんだろうか……?



プレステ2



 1月20日。
 前日、上記のようなことを書いたのだが、実は今日はやたらと早く目が覚めた。
 少しだけプレステ2を待ち望んでいる「ときめき」が残っていたようで、少しだけ私は嬉しかった。
 そして、ついに、ようやく待ちに待ったプレステ2が到着した。
 ちなみに配達は佐川急便だった。



 デバッグでも触れたことがなかったので、プレステ2とはこれが文字通りの初対面である。
 でも、あらゆるメディアで露出していたので、ファーストインパクトの衝撃はあんまりなかった。
 これはデバッグの職場で初遭遇したドリキャスの感動に比べると、ちと薄い。
 説明書は読まず、すぐさま起動。基本的にプレステと同じだから、迷うことはない。
 そして、『スキャンダル』を立ち上げたのだが……
「こ、これはスゴイ!」
 色々と意見はあるだろうが、デジタルコンテンツに対する目が肥えていない私には、『スキャンダル』のゲーム画像は、なにからなにまでがスゴかった。
 プレステの『ダブルキャスト』を初めて見たときも、そのアニメーションに度肝を抜かれたが、『スキャンダル』は従来の作品とは根本的に次元が違った……そう、これがプレステ2のパワーなのだ!!
 このプレステ2のパワーに圧倒された私は、ついつい3時間以上もゲームをプレーしてしまった。
 ……どうやら私は、まだゲームに対する熱意は失っていなかったようである。



掘り出し物



なし



購入品



『プレイステーション2』
『スキャンダル』



2001年1月2日火曜日

逢いたいときに貴女はいない

賀新年



 明けましておめでとうございます。
 いよいよ、21世紀が始まりました。
 今世紀もよろしくお願いします。



悲劇は突然に



 年が明けようと、新世紀になろうと、セカンドインパクトが起きようが、核の炎に包まれようと、私の本質は変わらない。
 バイトの苦難から解放される正月休みは、例年通り寝正月ならぬゲーム正月を迎えようと思ったが……ゲームが動かない。
 クリアを楽しみしていた『東京魔人学園剣風帖』 だったが、ゲームが動かないのである。
 一応、タイトル画面までは行くのだが、戦闘を開始すると戦闘処理中に止まるのだ。
「そんなバカな……」
 去年の年末は『ドラゴンクエスト7』で奇怪なシーク音ながらも、きちんと動いていたではないか!
「動け動け動け動け! 今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ! もうそんなのヤなんだよ! だから動いてよ!――」
 そんな私の願いも空しく、ついにマイプレステは永眠した。
 思えば、『ときめきメモリアル』をやりたくて買ったマシンだから、すでに5年も前に買ったハードである。
 ご苦労様でした……合掌。



決断



 ゲームが出来なくて暇をもてあました私は、なんとなくホームページをリニューアル。
 新世紀の年明けにちなんでいて、まあ、これはこれで良かったのではないだろうか。
 が、しかし。
 やっぱり、ゲームをやりたい。
 ドリキャスはあるけれど、やりたいゲームはプレステのゲームばかりなのだ。
 っていうか、『東京魔人学園剣風帖』をクリアしてないし。
 というわけで、私は意を決してプレステ2を買うことにした。
 このハードをチョイスした理由は『スキャンダル』と『BLOOD THE LAST VAMPIRE』 をやりたいから。
 私はやるドラが好きなのだ。どうせ買うなら、やるドラDVDが動くプレステ2を買った方が良いに決まってる。
 昨年末、Sの崩壊を見届けた後に訪れたYでは、プレステ2が山積みになっていた。
 だから、プレステ2なんて、すぐに買えるだろうと高を括っていたのだが……後に、これが大きな誤りであることを痛感することになろうとは、いったい誰が予想していただろうか(まるで定型文みたい)。



長い旅



 当然、最初に訪うたのはYである。山積みになっていたから。
 が、しかし!  見事に無くなっていた。
 僅か一週間足らずだというのに、山積みになっていたプレステ2が一台もないのだ。
 あれは私が見た幻覚だったのだろうか?



 その後も、C区のT小路にある家電ショップを虱潰しに歩き回ったが、どこにもプレステ2はなかった。
「なんてこった!」
 天を見上げた私は日を改めて、地元のN区でプレステ2の探索を再開した。



 最初に入ったHで、早速プレステ2を発見!
「好評発売中!」なのだという。
 さっそく買おうと財布に手を伸ばした私であったが、そこに注意書きがあるのに気がついた。
「ゲームハードに限って現金のみでの取り扱いになっています」
 な、なにを言ってやがるんだ!?
 なんだか客にとっては理不尽な注意書きだが、背に腹は代えられないので銀行のCDで金を下ろす。
 雪が吹きすさぶ寒空の下、またHまで戻る。
 そして、私はレジでプレステ2を要求した。ついにプレステ2を手に入れるときが来たのだ……ところが!
「あいにく品切れです」
 私は我が耳を疑った。
 おいおい、「好評発売中」じゃあねえのかよ? 発売中ってのは、商品を取り扱っているからこそ発売中なんであって、商品がなかったら発売中じゃねえんだよ!
 などとイチャモンをつけたかったが、そこまで無分別ではなかったので、私は言葉を飲み込んで店を後にした。



 次に訪ねたのはD。Sの次に閉店の危機が危ぶまれているDだ。
 売り場が3階から地下1階に変更されていたので戸惑いつつも、なんとかプレステ2を発見。
 さあ、買うぞ! と意気込んでみると、そこにはまたもや小さな張り紙が。
「プレステ2は現在品切れです」
 おいおいおい! そこにある箱は何だ!? 空箱か? ゴミなら店頭に置くな! 紛らわしいんじゃ!
 と言ってやりたかったが、面倒を起こしてもしようがないので、すごすごと退散。



 結局、最終的に行き着いたのは去年も取り上げたHである。
 ちなみに先に訪れたHの本店である。
 2階に上がると老夫婦が二人、今まさにプレステ2を買うところであった。
「ビンゴ!」
 内心小躍りしながら、私はプレステ2を探して店内を見回す。
 だが、どこにもプレステ2が見当たらない。
 私の背後では、
店員:「ソフトはいらないんですか?」
老人:「ソフトとは?」
店員:「ゲームです」
老人:「ゲームとは?」
店員:「ソフトがなければ遊べません」
 などという禅問答のようなやりとりがされていた。
 やがて、老夫婦は納得したのかしないのかレジに背を向けると、どういうわけかドリキャスのコーナーへと歩を進めていった。
 どこにも見当たらないプレステ2。
 私は老夫婦がいなくなって手持ちぶさたの店員に、「プレステ2はありますか?」と尋ねた。
 すると店員は眼下にあるプレステ2を指さし、
「これで終わりです」
 ガーーーン! ショーック!
 こんなマンガみたいな、フィクションじみた事態が本当に起こり得るなんて!
 あまりにも劇的な展開に、私はむしろ清々しい気持ちでHを後にした。



 ドリキャスのゲームではなく、プレステ2のゲームを買えたのかどうか、老夫婦のその後についてはつまびらかではない。
 願わくば、孫の望んだゲームを購入していてほしい。
 ドリキャスのゲームを買って孫の不興を買っていないことを、今はただ祈るだけである。



掘り出し物



孫のために苦労している老夫婦



購入品



なし