2001年11月25日日曜日

出会えてよかった(某所Tにて)

余暇



 この「ワゴンセールのはてに…」の更新も約半年ぶりとなる。
 この半年間、サラリーマンへのジョブチェンジしたため、なかなかゲームショップをハシゴするという時間的・体力的余裕がなかったのである。
 転職直後は能力値が低くて深い階層まで潜れないのは、『ウィザードリィ』と一緒である。
 でも、ここ最近はわりと体力的な余裕も出てきたし、くわえて今日は3連休の中日ということもあって時間的な余裕もあった。
 というわけで、久しぶりにワゴンセールを求めて市内を旅してみることにした。



これってレアもの…?



 まず最初に訪れたのは、書籍の二次販売に一石を投じているB。
 ゲームには、さほど目を引くものはなかったのだが……
 ジャンクコーナーで驚くべきものを発見。
『ハイスクール奇面組』のLPレコード(懐かしい響きだ)が、ジャンクコーナー無造作に山積みされていたのだ。
『ハイスクール奇面組』といえば、『少年ガンガン』にて連載中であるが、このレコードは『週刊少年ジャンプ』の黄金時代にアニメ化された当時のものである。
 この『ハイスクール奇面組』のレコード、何がスゴイって主題歌を当時人気絶頂期だったおにゃんこクラブの「うしろゆびさされ組」が歌っていたってこと。
(唄については、「うしろゆびさされ組」のアルバムでも聴いてくだされ)
 ジャンプ黄金期を支えた『ハイスクール奇面組』、しかも主題歌がおにゃんこクラブとなれば……もしかして、これってレアもの?
 レアものかもしれないと思いつつも、店頭では特に気にもかけず、一旦、自宅へ帰宅。
 だが、この「ワゴンセールのはてに…」を制作中に、「レアものかもしれない」という気持ちが次第に高まっていき……ついに財布を握りしめて、またもやBへと向かってしまった。
 ところが!  なんと、再びBを訪れたときには、すでにレコードは売れた後であった……
 この間、僅か3時間ほど。
 この僅かな時間に、某所という限られた地域のBという店に、私と同じ考えを持っていた人間が、少なくとももう一人はいたということに私は戦慄と感動を覚えたのであった……



Tにて



『ハイスクール奇面組』のレコードは買えなかったが、それ以上に貴重なブツを入手することができた。
 以前も重要拠点として取り上げたTである。
 Tでは店頭で文字通りのワゴンセールを行っていた。
 このワゴンセール、いわゆる在庫処分なのだがバラエティは非常に豊富であった。
 ワゴンセールの雄、スーファミソフトとセガサターンソフトが売られているのはもちろんのこと、100円以下でファミコンソフトも売られていた。
 今日び、ファミコンソフトといえば不当な投機対象となっているのが常であるが、Tではファミコンソフトを100円以下で販売しているのだ。
 まさに「ファミコンショップ」の鑑ともいえる店である。
 他にも、(おそらくサーチ済みであろう)トレーディングカードや、なぜか「ZOO」のアルバムが50円で売られていた。
 昔、「館ひろし」のアルバムが100円で売られているのを見たことがあるが、50円とは……っていうか、トレカと同じ値段かよ。
 他にも、シングルCDはみんな20円で売られていた。太っ腹である。
 と、これだけ前振りをしておきながら、ワゴンセールの中から購入したのは「こねこもいっしょ」のストラップだったりする……
 ワゴンセールは、この程度であったがファミコンソフト売り場では、驚くべきものを発見した。
 その名も『流れ花お流 花札遊侠伝』 という脱衣花札ゲーム。
 ゲーム内の描写にはとりわけ厳しい任天堂ハードで、こんな脱衣ゲームが出ていたなんて? と疑問に思うが、仕掛けは簡単。任天堂からのライセンスを受けていなかったのだ。
 これまでも話のタネやとして聞いたことはあるが、実物を見るのは私も初めて。
 ちなみにカートリッジの形状は、やや台形っぽくて、いかにも任天堂のライセンスを受けていないってカンジだった(笑)。
 話のタネとして面白そうなので購入しようかと迷ったが、1480円という微妙な値段が最終的に購入をためらわせた。



ときめき



 以上、購入を見送ってばかりいた私であるが、ついに私の興味を大いに引いたゲームに巡り会った。
 それはPC-ENGINEの売り場であった。
 探していた……
 長年、探し求めていた。
 PC-ENGINE版『ときめきメモリアル』!
 しかも、不当な高額ではなく1580円という妥当な値段で。
 これまでにも、私の故郷や帝都への出張の折りにも、PC-ENGINE版『ときめきメモリアル』が売られているのを発見していた。
 だが、そのいずれもPC-ENGINEというハードの現状を考えると、不当としか思えないような高額(中には定価以上の場合もあった)で売られていたため、どうにも私の食指が伸びずにいたのである。
 だが、1580円ならば買える。
 というわけで、買いました。
 これで「PC-ENGINE版はやったことないくせに…」という後ろ指を指されずに済む……とはいえ、PC-ENGINEのCD-ROM2は持っていなかったりするのだが。
 ついに、ようやく念願の『ときメモ』を購入できて意気揚々……と言いたいところだけど、『ハイスクール奇面組』のレコードを買い逃したことだけが心残り。
 今日の教訓「見つけたら、買え!」



掘り出し物



『ハイスクール奇面組』のレコード
『流れ花お流 花札遊侠伝』



購入品



『こねこもいっしょ』ストラップ
PC-ENGINE版『ときめきメモリアル』
0010009



2001年6月4日月曜日

一番長い一日(某所Sにて)

はるかなるときめき



『ときめきメモリアル2』のドラマCDセカンドシリーズの発売が始まったので、私はCDショップを見て回ったのだが……。
 言うまでもなく田舎な某所のためか、どこのレコード屋を見てもドラマCDが置いていない。
 っていうか、売り場の総面積に比例して、扱っているCDが圧倒的に少ないのだ。
 ほとんど新譜以外のCDは買えない(置いていない)という状況。
「なんてこった!」
 ってなわけで、今、私はネット上で購入できないかと模索している最中である。



巴里へ!



 どこに行っても見あたらないの、なんとなく以前も取り上げたTへと向かう。
 何か面白いブツはないかな、と思って。
 すると、なんと『サクラ大戦3』の『巴里歌謡全集』が売っているではないか。
 目的のものとは違ったが、どこのCDショップにも置いていなかった代物だけに、思わず私は購入を即断。
 とても良い買い物をしたなと、このときは思っていたのだが……



Sにて



 ドラマCDは買えなかったが、『巴里歌謡全集』を買えたので、すっかりと気分が良くなった。
 天気も良いので、もう少しいろんな店を回ってみようと思い立つ。
 すると某Bの隣に、ひっそりとたたずむ一軒の店を発見。
「マルチメディアリサイクルショップ」を謳い文句としているSである。
 マルチメディア(苦笑)を謳う以上、何か面白いものでもあるかもしれないと思い、とりあえず店内を覗いてみた。
「マルチメディア」を謳うだけあって、とりあえずAV機器やパソコンも扱っていた(とは言えカウンターに置いてあるノートパソコンが二台だけだったが)。
 なんじゃこりゃ、と思いながらCD売り場へと足を運ぶと。
 ラインナップ的には、普通の中古CDと変わらないような気がするのだが……
 そこで、面白いものを発見。
『西部警察』のテーマ曲集が450円で売られていたのだ。
 しかも、その背後には『西部警察2』『ゴリラ』『ゴリラ2』、そして『館ひろしベストアルバム』が並んでいた。
『西部警察』ファンの私にとっては、たまらないラインナップである、っていうかこれは明らかに確信犯の並べ方である。
 店主のツボを押さえたCDの配置に、思わず私は『西部警察』テーマ曲集を購入してしまった。



サンクチュアリ



 この店はリサイクルショップと銘打っているだけあって、CDや古本以外にも、古着やスポーツ用品、楽器などいろいろなアウトレットグッズを売っている。
 そういうアウトレットグッズをかき分けて進んでいると、唐突に視界に入ったのは……な、な、なんと、『ときめきメモリアル』のジグソーパズル。
 ジグソーパズルのアウトレットも扱っているのかと思って、周囲を見渡した私は次の瞬間、度肝を抜かれた。
 なんと、そこの一帯は『ときめきメモリアル』グッズを一手に扱っていたのである。
 ジグソーパズルはもちろん、ピンズ(コンプリート済み)やトランプ、マグカップなど、今となっては入手が困難なグッズが山のように。
 まさに「ときメモのサンクチュアリ」と呼ぶに相応しい。
 そんなサンクチュアリの、きわめつけが「紐緒閣下おやすみシーツ」!!!!!
 どういうわけか、おやすみシーツは閣下の分しかなかったのだが、とにかく閣下のシーツが売られていたのである。
 こ、これは困った……いつもの私なら躊躇なく買っていたことであろう。
 だが、つい先ほど 『巴里歌謡全集』を買ったばかりである。
 しかも、今の私は一応、単身者とはいえ世帯主であり自由に金が使えるような生活はできない。
 さらに言えば「リサイクル」品である……シーツのリサイクル品……
 迷うこと、しばし……私は無念の涙をのんで、今回は購入を見送ることにした。
 この決断に要した苦渋のほどを理解していただきたい。
 悔しい。
 これほど悔しい思いをしたことが、今までにあったであろうか。



掘り出し物



ときめもグッズの山



購入品



『巴里歌謡全集』
『西部警察』総集編





西部警察 総集編西部警察 総集編
価格:¥ 2,039(税込)
発売日:1996-01-21


2001年4月2日月曜日

旅立ちの詩(某所にて)

旅立ち



 私は今年の春より大学を卒業して社会人になる。
 しかも住み慣れたS市を離れ、津軽海峡を渡って某所での就職となる。
 よって、今後は別天地でのワゴンセールに趣を寄せてみたいと思う。
 住み慣れた土地を離れてエッセイを書くなんて、まるで旅行記のようだが、さほど優雅なものではないのがサラリーマンの悲しい業である。
 なお、当ホームページでは私のプライバシー保護のため、勤務地を「某所」と記している。



小手調べ



 全く初めて訪れる土地で土地勘がないので、まずはタウンページを眺める。
 現在のタウンページは「ゲームショップ」という項目があることを初めて知り、ちょっとした衝撃を受ける。
 だが、住所が分かっても肝心の、その住所がいったいどの位置にあるのか、という位置情報がなかったりもした。
 というわけで、とりあえず道に迷わない程度に、市内を探索することにした。



Kにて



 市内ではとりあえず二店舗発見することができた。
 チェーン店ということで販売形態も似ており、良く言えば買い物がしやすい、悪くいえば個性がなかった。
 ところが……。
 私はチェーン店の一方で『サクラ大戦3』と『ときめきメモリアル2 対戦ぱずるだま』と『ときめきメモリアル2 Substories Leaping School Festival(以下サブスト2)』を買おうと思ったのだが、あいにく『サクラ大戦3』と『サブスト2』の方は売っていなかった。
 というか、全体的に商品が少ないという印象が否めなかった。
 そのくせして、高額な箱なしファミコンソフトが文字通り「ワゴンセール」になっていたりするのだが。



Vにて



 なかなか、マニアックな店構えで興味をそそる店舗である。
 市内では珍しく古本屋ながらも中古ゲームも扱うという販売形態である。
 そのくせして誰が買うのか分からないギターなんかも置いてあったりして、注目度は高いのだが……。
 いかんせん、「トレーディングカード」も扱っているため、いつも店内は中高生に支配されており、ゆっくりゲームを見ていられない。
 機会があれば、じっくりと探索してみたい店の1つではある。
 なお、この店でも箱なしファミコンソフトが高額でワゴンセールされていた。



Bにて



 言わずと知れた、書籍の再販制度に一石を投じている、あの店のチェーン店である。
 ここにも申し訳程度にファミコンソフトが扱われていたが、この店ならではの値付けで私的にはやや納得。
 もっとも、あの投げやりな販売方法では誰も買わないだろうけど。
 それよりも、私の興味をそそったのはBの電化製品部門Hの方である。
 パソコンや関連商品も売られているのだが、そこのジャンクコーナーにPC-8801があったのだ。
 動作保証すら分からない状態だが、手元に資金があれば食指がのびそうな物であった。
 同時に、ジャンクコーナーには売れないCDやゲームソフトなども乱雑に並べられていた。
 この辺は、面白いブツが掘り出せる可能性もあるので、後日日を改めてじっくりと調査してみたい。



Tにて



 とにかく品揃えが凄まじい。
 ファミコンはもちろんのこと、16bitの旧世代機から全て揃っているのである。
 携帯型PCエンジンなんて、情報としては知っていたが現物を見るのは、この店が始めてである。
 今回は顔見せ程度だったので、ざっと見て回っただけであったが、この店もじっくりと探索する必要がありそうである。
 ちなみに懸案となっていた『サクラ大戦3』と『サブスト2』は近所のスーパーマーケットで買うという、このエッセイの趣旨に合わない緊急措置で入手している。



掘り出し物



PC-8801のジャンク
携帯型PCエンジン



購入品



なし



2001年3月14日水曜日

想い出は時の流れの中に(C市にて)

遠征



 市内での探索が主であった当コンテンツであったが、今回はC市への遠征を試みた。
 目的はもちろん、レアなアイテムを発見することである。
 田舎のオモチャ屋には、時として思わぬアイテムが眠っていることがあるのは、すでに実証済みである。
 ならば、さらなる田舎であるC市ならば、さらに驚くべきアイテムが隠されているのではなかろうか、と判断したわけである。



汝、迷うことなかれ



 JRで揺られること40数分、目的のC市へと到着した。
 元々、この町の郊外には祖母が住んでいるため、そちらの方面に関しては、ある程度の地理は知っている。
 その一方で、古くからのオモチャ屋などがある市街地の方には、ほとんど行ったことがない。
 だが、その市街地のオモチャ屋には私には忘れられない想い出があった。
 私的クソゲー筆頭の『フロントライン』を買ったのが、このC市のオモチャ屋なのである。
 15年ほど前に祖母に連れられた時の記憶を頼りに、私は市街地へと足を運ぶことにした。



 市街地を目指す前に、まずは駅沿いの通りにゲームショップがないかと周りを見渡す。
 私の記憶では、この近辺に『Zガンダム・ホットスクランブル』を中古で買った店があったはずなのだが……残念ながら、発見することができなかった。
 幸先の悪いスタートに、土地勘のない土地。
 不安要素を抱えたまま、私は薄れた記憶と方角だけを頼りに、市街地を目指すことにした。
 見覚えのない町なのだが、不思議なことに歩いている方角には自信があった。
 クソゲーの帰巣本能とでもいうのだろうか。



失われたアーク



 しばらく歩いていると、商店街が目に付いた。
 この商店街には見覚えがあった。いや、正確にはおぼろげな記憶がある。
 商店街を道なりに進んでいくと、正面左手の方角には白い大きな建物が見えてきた。
 私の記憶が正しければ、これはCデパートのはずである。
 私は自分の方向感覚と記憶力の確かさに小躍りしたい気分で、Cデパートを目指した。



 ところが……Cデパートは、とっくの昔に潰れていたらしい。
 今は、持て余した巨大なたたずまいをそのままに、廃墟同然にそこに建っているだけであった。
 C区のSは閉店後、すぐさま大型家電店が入店することになり、その巨大な建物は、市のIT戦略化のシンボルとなろうとしている。
 だが、こちらのCデパートは新たなテナントが入る予定すらなく、ただただそこに巨体を横たえているだけである……なんとも、哀れな姿である。
 Cデパートといって思い出深いのは、祖母に『ドンキーコングJr』を買ってとお願いしたのに、祖母が『ドンキーコング』を買ってきたことであろうか。
 この手のミスで年間、数万人の老人が孫の信頼を失っているという話は寡聞にして聞いたことがないかもしれない。



 Cデパート倒産はショックだったが、まだ近辺にはオモチャ屋がある。
 幸い、Cデパートとは交差点を挟んで正面にオモチャ屋が健在であった。
 記憶の中と変わらないたたずまいに、私はホッと胸を撫で下ろし、オモチャ屋を訪ねたのだが……。
 どうにも様子がおかしい。
 ペットの姿が目に付く。
 なんだ、これは……?
 と思い、店内を眺めてみると、なんとオモチャ屋がペットショップに変わっていたのである。
 ……『戦場の狼』と間違えて『フロントライン』を買ったこと、『マイティ・ボンジャック』を買おうと思って『ソロモンの鍵』を買ったら案外面白かったこと、などなど……。
 幼い日のファミコンの想い出が走馬燈のように蘇っては消えていった。
 結局、この近辺ではオモチャ屋を発見することができなかった。
 栄枯盛衰、諸行無常とはこのことなのだろうか……などと考えながら、私はとぼとぼと家路についたのであった。



掘り出し物



なし



購入品



なし



2001年2月24日土曜日

光と影(N区にて)

散華~血にまみれた掌~



 今日はN区の中でも、私があまり足を運ばない北方を探索してみようと思った。
 いつも某所へ行く途上で見かけるゲームショップがあり、それが気になったからである。
 自宅を出て北上している途上で、迂闊にも私はアイスバーンで転倒してしまった。
 これは数年ぶりの雪面での転倒で、私が世紀を跨いで維持してきた不転倒記録も、これで潰えてしまった。
 ついでといってはなんだが、転倒した際に受け身を取ったため、右掌がざっくりと切れて血まみれになってしまった。
 それと痛打した腰が今でも痛い。  



Mにて



 目的の店へ向かう途上、うらぶれたオモチャ屋を発見した。
「田舎のオモチャ屋には宝物が眠っている」
 とは定説である。
 だが、こういう小さい店構えの店は足を踏み入れるのはともかく、何も買わずに店を後にするのは気が引けたりする。
 店に入るべきか否か逡巡したのだが、店の入り口に「スーパーファミコン大特価」と張り紙がしてあったのを目撃した。
「せっかくだから、オレはこの店に入るぜ」
 ってな感じで、店を訪れることにした。
 店内は一昔前の駄菓子屋のような作りになっており、プラモデルや駄菓子、オモチャなどが陳列されていた。
 そういったオモチャの中に、キン肉マン(無論、スグルだ)のぬり絵があったりして、思わず私の胸を熱くさせる。
 そして広くもない店内を見て回っていると、確かにスーファミソフトのワゴンセールが行われていた。
 だが、そのワゴンの足下には……なんと、無造作にファミコンソフトが床に置かれているではないか。
 ワゴンセールとはワゴンに入った廉価販売だが、このように床に置かれている販売方法は何というのだろうか……?
 床に置かれていたソフトは『信長の野望・武将風雲録』『水滸伝』『ランペルール』『テクモボウル』そして『トップストライカー』の五本だけ。
 しかも、どういうわけか値付けは『トップストライカー』だけが500円で、残りは1000円だった。
 というわけで、最も廉価な『トップストライカー』を購入。
 ナムコのサッカーゲームなのだが、珍しく「ファミリー」が付かない代物だった。
 また、その脇にはメガドラ、PCエンジン、セガサターンもワゴンセール。プレステとドリキャス、N64はなかった。



Cにて



 思わぬところで思わぬ買い物をした私は、その後、ようやく目的の店にたどり着いた。
 店の名前はCといい、一般的なゲームショップといえる店構えであった。
 値付けに関しては、かなりまともな価格帯といえる。
 スーファミソフトは、だいたい1000円程度で、『スーパーファイヤープロレスリング』にいたっては180円だった。
 このゲームがこの値段なら、お買い得であろう。
 また、セガサターンソフトに関しては販売価格からさらに10%値引いていたり、ゲーム市場のニーズにあった販売をしている。
 サターンのゲームは今でも遊べるゲームがあるので、これはお勧めである。
 もっとも、ファミコンは『ソロモンの鍵2』が2480円だったりと、相変わらずファミコンは価格帯が高めに設定されている。



コナミ優遇措置



 Cではコナミだけ別コーナーを設けていた。
 そこではベスト化された『ときめきメモリアル・ドラマシリーズ』も扱われていたが、それらはいずれも2280円だった。
 中古にしては割高だが、メモラーの私としては嬉しい値付けだった。
『プライベートコレクション』などがワゴンセールの常連になっている、現在のゲーム市場は私にとって悲しいのだ。
 ときメモシリーズは常に定価販売されていてほしい、と切に願っている。



80円の衝撃



 売り場の中央にはショーケースがあるのだが、なぜかそのショーケースは「説明書がコピー用紙」というバッタモン紛いのものばかりが扱われていた。
 普通、ショーケースは目玉商品を扱うものだと思うのだが……
 そのショーケースの中で、一際私の目を引いたのが『ワンチャイ・コネクション』。
 フッくんが主演するクソゲー常連のこのゲームであるが、なんと80円という値段で売られていたのである。
 100円以下で買えるゲームは、これまでも雑誌等では見たことはあったが、実物を肉眼で目撃したのはこれが始めてである。
 しかも、この話にはオチもある。
 箱・説明書完備品は280円で売られているのだ。
 つまり、『ワンチャイ・コネクション』は箱と説明書に200円分の価値があるということなのだ。
 クソゲー中のクソゲーという評価を受けた『デスクリムゾン』は、逆にクソゲーゆえにプレミア価格が付いている。
 だが、同じクソゲーの『ワンチャイ・コネクション』は説明書以下の扱いを受ける羽目となってしまったとは……。
 陽の目を見てプレミアが付くクソゲーもあれば、陽の目を見ることもなく不当と言うより、もはや暴虐とも言える値段で売られてしまうクソゲーもあるのだ。
 なお、本来ならワンチャイを買って、そのレシートをここに掲載すべきだったのだろうが……
 私にはショーケースを開けてもらう勇気がなかったので、結局、280円のワンチャイを買ってしまった……
 クソゲーを買ってしまった後悔と、店員さんに言い出す勇気を振り絞れなかった後悔とで、二重の慚愧に捕らわれている私なのであった……



掘り出し物



80円で売られている『ワンチャイ・コネクション』



ワンチャイコネクション
価格:¥ 8,190(税込)
発売日:1994-11-22


Amazonで扱われているワンチャイの定価をご覧いただきたい。



購入品



『トップストライカー』
280円の『ワンチャイ・コネクション』



2001年1月21日日曜日

この胸のときめき

プレイステーション.com



 前回でも述べているが、どこにいってもプレステ2が見つからない。
 業を煮やした私は、プレイステーション.com(以下、PS.com)で購入することにした。
 PS.comとはSCEが運営するインターネット直販サイトのことである。
 昨年、サイト始動と同時に膨大なアクセスがあって、サーバーがパンクしてしまったことでも有名だ。



 アクセスしてIDを取得して、早速、プレステ2を注文。
 ……いとも簡単に注文できた。
 市内を歩き回っても入手できなかったというのに、ネット上では簡単な手続きと、僅かなクリックで注文ができた。
 正直言うと、品薄で注文できないのではないかと思ってもいたのだが、何の支障もなく注文できた。
 配達は注文から5日後ということだったが、バイトが休日の土曜日に配達してもらうことにした。
 以前、SCEがPS.comを立ち上げる際に、小売店が「自社流通を優先されると、小売りが打撃を受ける」と不安を漏らしていた。
 実際に、小売店で入手できなかったプレステ2が、ネットでは容易に入手できたのだから小売店の不安は、あながち間違っていなかったということになる。
 だが、消費者側としては確実に入手さえできれば、ネットだろうか小売りだろうが関係ない。
 しかも、愛想の悪い小売りや、「好評発売中」のノボリを立てながら実際には商品を置いていない小売りなど、具体名は記さないが不愉快な小売店もいくつかあった。
 全ての小売りが不愉快だとは決して言わないが、私は今回のプレステ2購入行脚の旅では、けっこう不愉快な思いをしている。
 そういった小売りから買うぐらいなら、ネットで買った方が精神衛生的にも健全だ。
 ネットなら対面販売はしないので、少なくても不愉快な奴に出くわさなくて済むから。



決戦前夜



 1月19日。
 プレステ2到着を目前にして、私はプレステ2専用ソフトを買うためにゲームショップIを訪れた。
 購入したのは『スキャンダル』。
 私が好きなやるドラシリーズのプレステ2第1弾だ。
 しかも、主役が高乃麗さんであるというのもポイントが高い。
 ついでにプレステ2が売っていないかもチェックした。
 相変わらず品切れで「入荷日未定」とのことで、ホッと胸をなで下ろす小心者の私。



 いよいよ、明日はプレステ2が届く……
 でも、特にドキドキというか、ワクワクというか、ゲームを手にするときの「ときめき」がなかった。
 ネットで注文した日に予定通りに届く……ただ、それだけだ。
 それ以上でも、それ以下でもない。
 ……ホントにそうなのだろうか?
 いったい、いつからだろう。
 ゲームを買う前日にドキドキしなくなったのは。
 昔はゲームを買うときは前日からドキドキして、ゲームショップへはワクワクしながら走っていたものである。
 今でも鮮明に覚えているのが『ボンバーマン』を買いにいったとき。もちろん、初代ファミコン版である。
 お小遣いを手にして、夜中なのにゲームショップまで走ったもんだ。
 他にも、『ダウボーイ』『忍者じゃじゃ丸くん』『ちゃっくんぽっぷ』などなど……思い入れが強かっただけに、クソゲーを掴んだときのショックも大きかったものだ。



 でも、今はそういう「ときめき」がない。
 ゲーム誌やネットで入念にチェックしたゲームを、中古になってから買っている。
『スキャンダル』もそうやって入手した。
 それとネットでの購入も、「ときめき」減退の要因かもしれない。
 パソコンの前でキー操作して、あとは商品が届くのを待つだけ。
 全てが予定調和的で、ゲームを入手するというよりも、ゲームが手元に届くという感覚が「ときめき」を奪っているのかもしれない。
 そう考えると、この合理的なデリバリーシステムにも弊害があるといえるのか?
 でも、やっぱり私自身が「ときめき」を感じることが少なくなったというのが、一番の要因だろう。
 どうして、こうなってしまったんだろうか?
 心が「ときめき」に対して鈍磨になってしまったんだろうか……?



プレステ2



 1月20日。
 前日、上記のようなことを書いたのだが、実は今日はやたらと早く目が覚めた。
 少しだけプレステ2を待ち望んでいる「ときめき」が残っていたようで、少しだけ私は嬉しかった。
 そして、ついに、ようやく待ちに待ったプレステ2が到着した。
 ちなみに配達は佐川急便だった。



 デバッグでも触れたことがなかったので、プレステ2とはこれが文字通りの初対面である。
 でも、あらゆるメディアで露出していたので、ファーストインパクトの衝撃はあんまりなかった。
 これはデバッグの職場で初遭遇したドリキャスの感動に比べると、ちと薄い。
 説明書は読まず、すぐさま起動。基本的にプレステと同じだから、迷うことはない。
 そして、『スキャンダル』を立ち上げたのだが……
「こ、これはスゴイ!」
 色々と意見はあるだろうが、デジタルコンテンツに対する目が肥えていない私には、『スキャンダル』のゲーム画像は、なにからなにまでがスゴかった。
 プレステの『ダブルキャスト』を初めて見たときも、そのアニメーションに度肝を抜かれたが、『スキャンダル』は従来の作品とは根本的に次元が違った……そう、これがプレステ2のパワーなのだ!!
 このプレステ2のパワーに圧倒された私は、ついつい3時間以上もゲームをプレーしてしまった。
 ……どうやら私は、まだゲームに対する熱意は失っていなかったようである。



掘り出し物



なし



購入品



『プレイステーション2』
『スキャンダル』



2001年1月2日火曜日

逢いたいときに貴女はいない

賀新年



 明けましておめでとうございます。
 いよいよ、21世紀が始まりました。
 今世紀もよろしくお願いします。



悲劇は突然に



 年が明けようと、新世紀になろうと、セカンドインパクトが起きようが、核の炎に包まれようと、私の本質は変わらない。
 バイトの苦難から解放される正月休みは、例年通り寝正月ならぬゲーム正月を迎えようと思ったが……ゲームが動かない。
 クリアを楽しみしていた『東京魔人学園剣風帖』 だったが、ゲームが動かないのである。
 一応、タイトル画面までは行くのだが、戦闘を開始すると戦闘処理中に止まるのだ。
「そんなバカな……」
 去年の年末は『ドラゴンクエスト7』で奇怪なシーク音ながらも、きちんと動いていたではないか!
「動け動け動け動け! 今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ! もうそんなのヤなんだよ! だから動いてよ!――」
 そんな私の願いも空しく、ついにマイプレステは永眠した。
 思えば、『ときめきメモリアル』をやりたくて買ったマシンだから、すでに5年も前に買ったハードである。
 ご苦労様でした……合掌。



決断



 ゲームが出来なくて暇をもてあました私は、なんとなくホームページをリニューアル。
 新世紀の年明けにちなんでいて、まあ、これはこれで良かったのではないだろうか。
 が、しかし。
 やっぱり、ゲームをやりたい。
 ドリキャスはあるけれど、やりたいゲームはプレステのゲームばかりなのだ。
 っていうか、『東京魔人学園剣風帖』をクリアしてないし。
 というわけで、私は意を決してプレステ2を買うことにした。
 このハードをチョイスした理由は『スキャンダル』と『BLOOD THE LAST VAMPIRE』 をやりたいから。
 私はやるドラが好きなのだ。どうせ買うなら、やるドラDVDが動くプレステ2を買った方が良いに決まってる。
 昨年末、Sの崩壊を見届けた後に訪れたYでは、プレステ2が山積みになっていた。
 だから、プレステ2なんて、すぐに買えるだろうと高を括っていたのだが……後に、これが大きな誤りであることを痛感することになろうとは、いったい誰が予想していただろうか(まるで定型文みたい)。



長い旅



 当然、最初に訪うたのはYである。山積みになっていたから。
 が、しかし!  見事に無くなっていた。
 僅か一週間足らずだというのに、山積みになっていたプレステ2が一台もないのだ。
 あれは私が見た幻覚だったのだろうか?



 その後も、C区のT小路にある家電ショップを虱潰しに歩き回ったが、どこにもプレステ2はなかった。
「なんてこった!」
 天を見上げた私は日を改めて、地元のN区でプレステ2の探索を再開した。



 最初に入ったHで、早速プレステ2を発見!
「好評発売中!」なのだという。
 さっそく買おうと財布に手を伸ばした私であったが、そこに注意書きがあるのに気がついた。
「ゲームハードに限って現金のみでの取り扱いになっています」
 な、なにを言ってやがるんだ!?
 なんだか客にとっては理不尽な注意書きだが、背に腹は代えられないので銀行のCDで金を下ろす。
 雪が吹きすさぶ寒空の下、またHまで戻る。
 そして、私はレジでプレステ2を要求した。ついにプレステ2を手に入れるときが来たのだ……ところが!
「あいにく品切れです」
 私は我が耳を疑った。
 おいおい、「好評発売中」じゃあねえのかよ? 発売中ってのは、商品を取り扱っているからこそ発売中なんであって、商品がなかったら発売中じゃねえんだよ!
 などとイチャモンをつけたかったが、そこまで無分別ではなかったので、私は言葉を飲み込んで店を後にした。



 次に訪ねたのはD。Sの次に閉店の危機が危ぶまれているDだ。
 売り場が3階から地下1階に変更されていたので戸惑いつつも、なんとかプレステ2を発見。
 さあ、買うぞ! と意気込んでみると、そこにはまたもや小さな張り紙が。
「プレステ2は現在品切れです」
 おいおいおい! そこにある箱は何だ!? 空箱か? ゴミなら店頭に置くな! 紛らわしいんじゃ!
 と言ってやりたかったが、面倒を起こしてもしようがないので、すごすごと退散。



 結局、最終的に行き着いたのは去年も取り上げたHである。
 ちなみに先に訪れたHの本店である。
 2階に上がると老夫婦が二人、今まさにプレステ2を買うところであった。
「ビンゴ!」
 内心小躍りしながら、私はプレステ2を探して店内を見回す。
 だが、どこにもプレステ2が見当たらない。
 私の背後では、
店員:「ソフトはいらないんですか?」
老人:「ソフトとは?」
店員:「ゲームです」
老人:「ゲームとは?」
店員:「ソフトがなければ遊べません」
 などという禅問答のようなやりとりがされていた。
 やがて、老夫婦は納得したのかしないのかレジに背を向けると、どういうわけかドリキャスのコーナーへと歩を進めていった。
 どこにも見当たらないプレステ2。
 私は老夫婦がいなくなって手持ちぶさたの店員に、「プレステ2はありますか?」と尋ねた。
 すると店員は眼下にあるプレステ2を指さし、
「これで終わりです」
 ガーーーン! ショーック!
 こんなマンガみたいな、フィクションじみた事態が本当に起こり得るなんて!
 あまりにも劇的な展開に、私はむしろ清々しい気持ちでHを後にした。



 ドリキャスのゲームではなく、プレステ2のゲームを買えたのかどうか、老夫婦のその後についてはつまびらかではない。
 願わくば、孫の望んだゲームを購入していてほしい。
 ドリキャスのゲームを買って孫の不興を買っていないことを、今はただ祈るだけである。



掘り出し物



孫のために苦労している老夫婦



購入品



なし