2012年1月15日日曜日

モモコ

05cover



パッケージより
わたしモモコは現役女子大生。実はある男を探すため「クリスタル」っていうファッションヘルスのお店で働いてるの。ちょっと危険な男。だから、とっても危ない目に遭うと思うけど、持前のガッツと鍛え抜いたこのボディで切り抜けていこうと思うの、応援してね!



この『モモコ』、パッケージだけ見るとOVA的なイメージなんですが…。
OVAではなくて「オリジナルCVP」です。
オリジナルCVPというものなんだけど、コレは何かと思ってパッケージを読んでみると――



パッケージより
CVP(コミック・ビデオ・ピクチャー)とは
アニメ(静止画)と実写の合成作品。
アニメーションでは不可能なカットを実写との合成により迫力のある映像にする新手法。



――とのこと。
ググって見たけれど、これ以上の情報もなし。
まあ、ようするに背景が実写取り込みになってるOVAみたいなもんだろ、と思って買ったら……大間違いでした!



以下ネタバレするほどもなく感想へ。



オープニングは、実写による街並みやバイクの運転シーンとか、雨のシーンが挿入されてます。
んで、人物のクロースアップになると―― アニメ絵の一枚絵(静止画)を、カメラの前で前後左右に動かしたり拡大縮小(アニメ)して、それに合わせて声優(超棒読み聞いてるだけで死にたくなる)がセリフを喋るのだ。
これ、なんてパワーポイント? ってか、パワポだってもうちょっと良い仕事してるよ!


んで、実写とアニメの合成っても、立ち小便の滴だけが本物の水という超絶なくだらなさ。
しかも、基本的に静止画なんで、早送りすると何をやってるのかさっぱりわからない(ずっと止まった絵が出てるだけなのな)!


さらに、話の中身もアホ過ぎ。
主人公のモモコは、女子大生にして風俗嬢(お色気シーンあります。静止画ですが)だけど処女で、しかも空手の達人。んで、弟を殺した謎の男を捜しているという、すごいのかすごくないのかよくわからん設定。
そのモモコに熱を上げたストーカー(しかもラストで仲良くなる)や、実の娘(=モモコ)に欲情する父親、その夫に呆れて心中する母親など、電波ゆんゆんなお話。
そして、モモコが物語の最後には必ず全裸で水に飛び込む、というサービスが加えられています。


あまりにもくだらなすぎて780度ぐらい回転して、ほんのちょっと面白いかもと感じてしまうかも。
それと同時に、アニメってのは動きがあるから面白いんだなと、心底思い知らされた。
一話24分しかないんだけど、うんざりするほど退屈です、これ。


クラリオンソフトから出ているビデオなんで、モモコも一応クラリオンガールなんすかね?


05back
『モモコ』
声:鵜飼貴子、永井政春、他
製作元:クラリオンソフト株式会社/国際放映株式会社
販売元:クラリオンソフト株式会社


Amazon的にはアダルトコンテンツとして扱われているようです


モモコ(1) [VHS]
価格:¥ 9,991(税込)
発売日:1989-11-10

2012年1月10日火曜日

ザ・ショックス3 アメリカの憂鬱

03cover



Wikipediaによると、この「ザ・ショックス」というシリーズは、日テレ系の「世界の決定的瞬間」や「カメラが捉えた決定的瞬間」といった番組というか、企画の一部だったようです。
確かに、パッケージ裏に「企画協力:日本テレビ放送株式会社」とあります。
そういえば昔って、けっこうアレな決定的瞬間のテレビ番組ってやってたな~。



その後、映画版「ザ・ショックス~世界の目撃者~」が作られ、ここで「ザ・ショックス」という名前が出てきます。
映画版を経て、やがてビデオ専門となっていたようです。
この『ザ・ショックス3 アメリカの憂鬱』は、そのビデオ版の第3弾ということのようです。
この辺のことはWikipediaに、きちんとまとめられています。



この『ザ・ショックス3 アメリカの憂鬱』は中古で見つけたんですが、ナレーションが田中信夫にグッとキたんで買っちゃいました。
(田中信夫といえば水曜スペシャルとか警視庁24時シリーズ)
そして、なぜか黒木香ってところが時代を感じるな~。


冒頭の無意味なカットバックがたまらなくウザいんですが。
田中信夫のもっともらしいナレーションのおかげで、なんとなくそれっぽく見えるから大したもの。


んで、アメリカは銃社会でバイオレンスの国だ云々……って話になって。
暴力から身を守るには自衛が必須であり、それはシスターとて無関係ではいられない、となって何故かシスターが大量に登場。
そして、シスターたちが一斉に空手の演武を始め、板割りをやったり、合気道の乱取りをやったり。どこの暴力教会だよ!
極めつけはシスターの跳び蹴り(パッケージ裏に写真有)。かなりシュールな映像で爆笑できます。


そして、暴力→シスターと展開して、なぜかキャットファイトへ。
いつになったらショックシーンになるんだろう……と思っていたら、いつの間にか終わってました。
全編見てみたけど、いわゆるショックメンタリーなシーンは皆無でした。
っていうか、Wikipediaにも「決定的瞬間のようなシーンは、殆ど無い。」とありました。


アメリカの奇妙な風俗というか、流行モノの映像を集めてみたって程度のものです。
ちっともショックじゃない(せいぜい、入れ墨を入れるところが痛そうなぐらい)。
しかも、たいていがオッパイ付きという低俗の極み。
そういう意味では、ヤコペッティの夜モノ系の流れをくんでる(=一応、モンド系?)といえるかも。
あ、黒木香はお色気系ナレーション担当です。


とりあえずサービスショットは満載なので(だいたい、半分ぐらいはエロネタ)そういうのがお好きならオススメできるかも。
03back
『ザ・ショックス3 アメリカの憂鬱』
声:田中信夫、黒木香


企画協力:日本テレビ放送網株式会社、東和プロダクション
日本語版製作:株式会社バップ


ザ・ショックス3 アメリカの憂鬱
価格:(税込)
発売日:

2012年1月3日火曜日

格闘シュート戦争!!虎の穴

07cover



パッケージより
初代タイガーマスク佐山聡のシューティングの歴史が今、明らかに!! 藤原嘉明とイランの怪物ボクサーイサマル・チャンガニーと異種格闘技戦は生死を賭けた戦いとなった!!



「格闘シュート戦争」というタイトルに、シューティングのグローブをした佐山。
このパッケージだけを見ると、シューティング(現 修斗)が主催した大会のビデオなのかな、と思ったりするんですが。
実際には、1988年4月2日に行われた梶原一騎の追悼興行 格闘技の祭典の第1回を収録したものでした。



このビデオに収録されているのは、
・佐山率いるシューティングの選手達によるデモンストレーション
・サガット・ボンタウィンVSラクティ・ムンスリン(ムエタイルール)
・サムラン・サック・ムンスリンVSベッダム・ルウボライ(ムエタイルール)
・藤原喜明VSイサマル・チャンガニー(異種格闘技戦)
事実上3試合です。



パッケージの表には、藤原が石川雄規と戦っている写真もありますが、そういうシーンはなかったです(っていうか、履いてるパンツも違うし…)



ビデオの内容に入る前に、ちょこっと第1回 格闘技の祭典についてググってみたんですが。
格闘技の祭典というだけあって、実際にはシュートボクシング、空手、プロレスなど合計26試合が行われていたようです。
この大会の詳しい観戦記なども、こちらのサイトに書かれています。
バトル千一夜



パンフレットもあり、そこでは空手が大きく扱われ、馬場やブッチャー、タイガーマスクといったそうそうたる顔ぶれが並んでいます。
コレクション博物館



それなのに何故、このビデオには前述した3試合だけしか収録されていないのか…?
いろんな団体が絡んでいるんで、権利関係が複雑だったんでしょうか?
今となっては、ネットで調べてみてもあまり資料はなく、どういう事情だったのかはわからなかったです。
当時のプロレス雑誌などに当たってみれば、何かわかるかもしれません?



ちなみに若手時代の小橋健太(現 小橋建太)が、この大会に出ている映像もあるようです。
なので、これとは別に第1回 格闘技の祭典のソフトがあるのかもしれませんね。



とまあ、そんなカンジでネットで調べてみた情報も少し加えながら、以下に感想文です。



まず最初に、昭和63年4月2日に開催された格闘技の祭典であることが表示されます。
主催はWKA世界空手道連盟、後援は東京スポーツ新聞社。


シューティングのデモンストレーション
アイ・オブ・ザ・タイガーに乗って佐山聡が登場。
このときリングは全日本プロレスのものを使っているので、文字どおり佐山が全日本のリングに上がるという光景になっています。
この大会のメインイベントに登場する(このことはビデオ内では語られていないが)2代目タイガーマスク(=三沢光晴)と、リング上でがっちりと握手。
2代目タイガーへ社交辞令の佐山に対し、「ええ、まあ…」みたいなカンジで照れているのかノリ気じゃないのか、ビミョーなカンジの2代目タイガーマスク。


その後、シューティングの選手達によるトレーニング風景。
佐山のローリングソバットは凄まじく、明らかに会場の空気と温度が変わったのが映像でもわかります。
とはいえ、ここで佐山は足を負傷した模様。
スパーリングもあったようだけど軽くこなしただけで、シューティングの他の選手に替わってもらっています。


修斗の公式サイトによると1986年にアマチュアの競技大会を、1989年にプロの大会を始めたとあります。
1988年ということは、ちょうどプロの興行を打つための準備をしていた時期なんでしょうか。
もしかするとプロのリングに上がっていた選手も、このデモンストレーションに参加していたかもしれませんが、不勉強のためそこまではわかりませんでした。


サガット・ボンタウィンVSラクティ・ムンスリン(ムエタイルール)
サムラン・サック・ムンスリンVSベッダム・ルウボライ(ムエタイルール)

申し訳ないけど、当時のムエタイ選手に関しては当方全く知識がありません。
どうして、このカードが組まれたのかもわからんのですが、当時は有名な選手同士の対決だったのでしょうかね?
ちなみに試合は、サガット・ボンタウィンがTKO勝ち、ベッダム・ルウボライが判定勝ちとなっています。


藤原喜明VSイサマル・チャンガニー(異種格闘技戦)
イサマル・チャンガニーがすでにリングに上がった状態から映像がスタート。
藤原の登場に、会場は大藤原コール。
このときの藤原がリングに上がる光景なんですが――所属は新日本プロレスとなっているけど、UWFのジャージを着ており、しかも全日本のリングに上がっています。
Wikipedia等で調べてみると、第2次UWFの旗揚げが1988年5月12日となってます。
1988年4月2日の時点では、UWF勢が新日に出戻っていた時期だったので「所属は新日本プロレス、ジャージはUWF」だったのかな、と思います。
んで、この大会のリングを提供したのが全日本プロレスだったので、新日本プロレスの看板を背負った藤原が全日本のリングに上がるという光景になったのでしょう。


ちなみに藤原のセコンドには、やたらと身体が分厚い選手が二人付いています。
「バトル千一夜」によると、新日に所属していた頃の船木誠勝と山田恵一だったようです。
現在になって改めてこの映像を見ると、いろいろと感慨がひとしおとなります。


イサマル・チャンガニーについては、よくわからなかったです。パッケージには「イランの怪物ボクサー」とあるのに、キックもできる選手のようでした。


試合序盤は、チャンガニーのパンチに藤原がうまくタックルを合わせて、ダウンを奪ったりします。さらに打撃をこらえながらも、何度もタックルでダウンを奪っていきます。
一方のチャンガニーもパンチで藤原を追い込んだり、亀状態の藤原に膝を見舞うなどしたんですが…。
ダウンを取られるたびにチャンガニーが、さっさとロープにエスケープし、藤原も決めきれないので、それ以上試合が続かない…。
むしろ、終盤はこの繰り返しでした。
ルールが明示されていないのでわからんのですが、ロープエスケープは何度でも有りだし、特に減点とかにもならないようです。
結局5ラウンドでは決着せず、観客の「延長」コールも空しくドローで試合が終わり。
スカッとした決着を望んでいた観客的には、物足りないカンジだったでしょうね。


以下、ネットで調べてみた余談なんですが…。
このビデオの発売元にある、日本ビデオ販売株式会社といえばビデオ安売王の会社です。
このビデオの装丁とかパッケージも、ビデオ安売王ブランドのものと同じです。
でも、ビデオ安売王のマークは付いていません。
ビデオ安売王のビデオとして作られてるわけではないようです?
パッケージの下端に「WKA-004」とあるので、これは世界空手道連盟ブランドのビデオっていうことなんでしょうか?
ネットで調べた程度は、あんまりよくわかりませんでした。


07back
『格闘シュート戦争!虎の穴』
製作元:WKA世界空手道連盟
発売元:日本ビデオ販売株式会社


AMAZONには売ってないみたい?