パッケージより
初代タイガーマスク佐山聡のシューティングの歴史が今、明らかに!! 藤原嘉明とイランの怪物ボクサーイサマル・チャンガニーと異種格闘技戦は生死を賭けた戦いとなった!!
「格闘シュート戦争」というタイトルに、シューティングのグローブをした佐山。
このパッケージだけを見ると、シューティング(現 修斗)が主催した大会のビデオなのかな、と思ったりするんですが。
実際には、1988年4月2日に行われた梶原一騎の追悼興行 格闘技の祭典の第1回を収録したものでした。
このビデオに収録されているのは、
・佐山率いるシューティングの選手達によるデモンストレーション
・サガット・ボンタウィンVSラクティ・ムンスリン(ムエタイルール)
・サムラン・サック・ムンスリンVSベッダム・ルウボライ(ムエタイルール)
・藤原喜明VSイサマル・チャンガニー(異種格闘技戦)
事実上3試合です。
パッケージの表には、藤原が石川雄規と戦っている写真もありますが、そういうシーンはなかったです(っていうか、履いてるパンツも違うし…)
ビデオの内容に入る前に、ちょこっと第1回 格闘技の祭典についてググってみたんですが。
格闘技の祭典というだけあって、実際にはシュートボクシング、空手、プロレスなど合計26試合が行われていたようです。
この大会の詳しい観戦記なども、こちらのサイトに書かれています。
【バトル千一夜】
パンフレットもあり、そこでは空手が大きく扱われ、馬場やブッチャー、タイガーマスクといったそうそうたる顔ぶれが並んでいます。
【コレクション博物館】
それなのに何故、このビデオには前述した3試合だけしか収録されていないのか…?
いろんな団体が絡んでいるんで、権利関係が複雑だったんでしょうか?
今となっては、ネットで調べてみてもあまり資料はなく、どういう事情だったのかはわからなかったです。
当時のプロレス雑誌などに当たってみれば、何かわかるかもしれません?
ちなみに若手時代の小橋健太(現 小橋建太)が、この大会に出ている映像もあるようです。
なので、これとは別に第1回 格闘技の祭典のソフトがあるのかもしれませんね。
とまあ、そんなカンジでネットで調べてみた情報も少し加えながら、以下に感想文です。
まず最初に、昭和63年4月2日に開催された格闘技の祭典であることが表示されます。
主催はWKA世界空手道連盟、後援は東京スポーツ新聞社。
シューティングのデモンストレーション
アイ・オブ・ザ・タイガーに乗って佐山聡が登場。
このときリングは全日本プロレスのものを使っているので、文字どおり佐山が全日本のリングに上がるという光景になっています。
この大会のメインイベントに登場する(このことはビデオ内では語られていないが)2代目タイガーマスク(=三沢光晴)と、リング上でがっちりと握手。
2代目タイガーへ社交辞令の佐山に対し、「ええ、まあ…」みたいなカンジで照れているのかノリ気じゃないのか、ビミョーなカンジの2代目タイガーマスク。
その後、シューティングの選手達によるトレーニング風景。
佐山のローリングソバットは凄まじく、明らかに会場の空気と温度が変わったのが映像でもわかります。
とはいえ、ここで佐山は足を負傷した模様。
スパーリングもあったようだけど軽くこなしただけで、シューティングの他の選手に替わってもらっています。
修斗の公式サイトによると1986年にアマチュアの競技大会を、1989年にプロの大会を始めたとあります。
1988年ということは、ちょうどプロの興行を打つための準備をしていた時期なんでしょうか。
もしかするとプロのリングに上がっていた選手も、このデモンストレーションに参加していたかもしれませんが、不勉強のためそこまではわかりませんでした。
サガット・ボンタウィンVSラクティ・ムンスリン(ムエタイルール)
サムラン・サック・ムンスリンVSベッダム・ルウボライ(ムエタイルール)
申し訳ないけど、当時のムエタイ選手に関しては当方全く知識がありません。
どうして、このカードが組まれたのかもわからんのですが、当時は有名な選手同士の対決だったのでしょうかね?
ちなみに試合は、サガット・ボンタウィンがTKO勝ち、ベッダム・ルウボライが判定勝ちとなっています。
藤原喜明VSイサマル・チャンガニー(異種格闘技戦)
イサマル・チャンガニーがすでにリングに上がった状態から映像がスタート。
藤原の登場に、会場は大藤原コール。
このときの藤原がリングに上がる光景なんですが――所属は新日本プロレスとなっているけど、UWFのジャージを着ており、しかも全日本のリングに上がっています。
Wikipedia等で調べてみると、第2次UWFの旗揚げが1988年5月12日となってます。
1988年4月2日の時点では、UWF勢が新日に出戻っていた時期だったので「所属は新日本プロレス、ジャージはUWF」だったのかな、と思います。
んで、この大会のリングを提供したのが全日本プロレスだったので、新日本プロレスの看板を背負った藤原が全日本のリングに上がるという光景になったのでしょう。
ちなみに藤原のセコンドには、やたらと身体が分厚い選手が二人付いています。
「バトル千一夜」によると、新日に所属していた頃の船木誠勝と山田恵一だったようです。
現在になって改めてこの映像を見ると、いろいろと感慨がひとしおとなります。
イサマル・チャンガニーについては、よくわからなかったです。パッケージには「イランの怪物ボクサー」とあるのに、キックもできる選手のようでした。
試合序盤は、チャンガニーのパンチに藤原がうまくタックルを合わせて、ダウンを奪ったりします。さらに打撃をこらえながらも、何度もタックルでダウンを奪っていきます。
一方のチャンガニーもパンチで藤原を追い込んだり、亀状態の藤原に膝を見舞うなどしたんですが…。
ダウンを取られるたびにチャンガニーが、さっさとロープにエスケープし、藤原も決めきれないので、それ以上試合が続かない…。
むしろ、終盤はこの繰り返しでした。
ルールが明示されていないのでわからんのですが、ロープエスケープは何度でも有りだし、特に減点とかにもならないようです。
結局5ラウンドでは決着せず、観客の「延長」コールも空しくドローで試合が終わり。
スカッとした決着を望んでいた観客的には、物足りないカンジだったでしょうね。
以下、ネットで調べてみた余談なんですが…。
このビデオの発売元にある、日本ビデオ販売株式会社といえばビデオ安売王の会社です。
このビデオの装丁とかパッケージも、ビデオ安売王ブランドのものと同じです。
でも、ビデオ安売王のマークは付いていません。
ビデオ安売王のビデオとして作られてるわけではないようです?
パッケージの下端に「WKA-004」とあるので、これは世界空手道連盟ブランドのビデオっていうことなんでしょうか?
ネットで調べた程度は、あんまりよくわかりませんでした。
『格闘シュート戦争!虎の穴』
製作元:WKA世界空手道連盟
発売元:日本ビデオ販売株式会社
AMAZONには売ってないみたい?
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