1992年12月9日水曜日

1992年12月号

1992年12月号 表紙:西田ひかる



SOFT TOP20
 いつも通りというか『英雄伝説2』『大戦略4』がワンツーに。築城SLG『キャッスルズ』が3位と健闘。『三国志3』は8位まで後退。
 TAKERUはX68000版の『サーク2』。この時期に、このゲームとは意外な感じ。
 ファンタジー小説は『グイン・サーガ40 アムネリアの罠』が首位。いつまで続くのかっていう感じだが、山岡荘八の『徳川家康』を抜いて欲しい気もする。
 TRPGは『蓬莱学園の秘密!!』がトップ。パソゲーと違って、こちらは月が変わるとランキングも変動しやすい。



新作
『スターウォーズ アタック・オン・ザ・デススター』は今ではお目にかかれないワイヤーフレームシューティング。線だけで宇宙空間を現している。今ならポリゴンを使うんだろうけど。
『3×3EYES』がパソゲー初登場。この頃の『3×3EYES』は、まだわかりやすい展開だった。ゲームはオリジナルストーリーだけど。
 環境系というかバーチャルペット系というか、その手の走り『エルフィッシュ』が登場。デスクトップを水槽に見立てて、魚を眺めてるってやつ。


コンプRPG月報
 コンプRPG Vol.5が発売。
 新作TRPGでは『イースTRPG』が登場。当時のアスキーはコンピューターゲームをTRPG化するのが得意だった。この他にも、『真・女神転生』も出している。でも、『ログアウト』誌上のリプレイを読んだ限り…ちょっと、アレだった。


特集
【特集 光栄】
『信長の野望・覇王伝』が出るっていうんで、システムの解説から。だが、オレはこれにはあまりハマらなかった。なにせ、完全クリア=全ての城を制圧するのだから、時間がかかってしょうがなかった。あまりのかったるさに一度クリアしたら二度とやらなかった。
『三国志3』は、これまでのリプレイのおさらい。
【ソード・ワールド トラベルガイド】
 年末恒例のRPG特集はなし。元気のないRPG群の中、唯一気を吐くというか、唯一の期待作としてソード・ワールドを特集。
【裏特集 FM-TOWNS】
 音声やアニメなど、PC-9801とは明らかに違う特性を持っていたはずのFM-TOWNS。美麗なグラフィックなどは当時のオレの垂涎の的だった。でも、結局、98の市場を切り崩すことはできず、次第にフェードアウトしていった。既得権益をガッチリと守ったNECの作戦勝ちってことなんだろうか。


How to Win
 ようやく『プリンセスメーカー2』の画面写真公開。漫画家によるイラストエッセイは真鍋譲治だったが…「娘」が思いっきり真鍋テイストっていうか真鍋キャラになってる。自分の作風にプライドがあるんだとは思うけど、ゲームにはゲームファンがいるわけだから、そこらへんを考えてくれよ。わりと心が冷えた。
『卒業』などの育成SLGには欠くことのできないライターにイボンヌ木村がいる。この人の正体が中村ウサギだったと知って、ちと驚いた。
 他に『魍魎戦記MADARA』『ブランディッシュ2』『大戦略4』『マスターオブモンスターズFINAL』『シヴィライゼーション』『アマランス2』も。


RPGリプレイ
『黄金伝説クリスタニア』:第9回
 次の試練として山賊退治を引き受けた一行。ところが、その山賊の頭領はスループの町を出奔したレスリーであった(1992年7月号参照)。


SLG WORLD
『三国志3』リプレイを小説化。


福袋
『天仙娘々』と『同級生』が大きな扱い。
 コラムとして92年のエロゲーを振り返っている。


コミック
『リスティス』:第8話
『ムーンクエスト』:第20話


付録
【銀河英雄伝説3 解放のテクニック】
【フォーチュン・クエスト パソコンゲーム ポケットミニ図鑑】
 ゲームの攻略法は殆どなく、もっぱら『フォーチュン・クエスト』の基礎知識に重点が置かれている。


その他・備考
 この号をもって、この「コンプテョーク」は終了。
 次号予告では「誌面大刷新」と謳われているが、大刷新どころかほとんどの編集者、ライター、作家がいなくなってしまうという異常事態。そして、同時に刊行された「電撃王」には見慣れた企画に作家に記事が見られた…


1992年11月9日月曜日

1992年11月号

1992年11月号 表紙:Qlair



SOFT TOP20
 98に移植された『英雄伝説2』がトップに。88専用の『蒼き狼と白き牝鹿 元朝秘史』は2位止まり。『大戦略4』は3位まで後退。『ファイナルファイト』はX68000版のみだが、安定してチャートの上位を占めている。
 TAKERUでは『電脳倶楽部 52号』がトップ。これって、なんでこんなに売れるんだろう?
 ファンタジー小説は『フォーチュン・クエスト7 隠された海図(上)』がトップ。さすがの人気。2位にはSLGリプレイのメンツを主人公に据えた『偽書信長伝 秋葉原の野望・巻の上』が。
 TRPGは『バトルテック メック戦闘ルール』。これはルールが難しいのでプレーしなかったが、リプレイの方は楽しく読んでいた。



新作
『ライフ&デス2』が登場。今回は脳外科手術。着眼点の馬鹿馬鹿しさと、妙なこだわりがアメゲー的。
 悪党が主人公の『ディーアーク』が登場。実はオレ、これは続編もプレーしている。
 アメリカのホラー映画のナビゲータを勤める『エルヴァイラ』が主人公の同名ゲームが登場。この人が出た映画を観た憶えがあるけど、キャラの濃さと反比例して印象が薄い。


コンプRPG月報
 おなじみのコンベンションが行われた。今回も漫画家を呼んでのプレーをしている。
 今月の新作は少なく、ツクダホビーから『戦国ふぁいとボードゲーム』『装甲騎兵ボトムズ バトリング』が出ている。


特集
【年末ソフト完全ガイド】
 タイトル通り、年末・年始に出るゲームのカタログ。コンプに縁のある人が、自分の注目しているゲームについて意見も述べている。
【裏特集 マイクロプローズ】
 マイクロプローズは『パイレーツ』『シヴィライゼーション』やフライトSLGを開発しているアメリカのソフトハウス。どんなに評価の高いゲーム群であっても、オレには全く無縁なソフトハウスである。


How to Win
『大戦略4』のリプレイはソロプレイに。担当が四谷であるということに、他のメンツが気に入らないらしい。で、次号からは勝者が担当することに。ライターはギャラが痛いことだろうが、読者はその方が楽しい。
『プリンセスメーカー2』は、ようやくパッケージイラストが公開。今号から、漫画家がプリメのイラストを描いたエッセイを載せることに。今号は伊東岳彦。
 他に『卒業』『銀河英雄伝説3』『三国志3』『ふしぎの海のナディア』『大戦略4』『ロボクラッシュ98』『ブランディッシュ2』『ロードス島戦記・福神漬2』『モンキーアイランド』も。


RPGリプレイ
『黄金伝説クリスタニア』:第8話
 牙の部族に喰われるところだったグラントだったが、神獣ブルーザを召喚し、牙の部族を説得したことによって、髪の毛を失っただけで済んだ。だが、まだ黄金峡への道は開けていない。


SLG WORLD
『偽書信長伝 秋葉原の野望・巻の上』が売れたということで、こちらで特集している。


福袋
 ついに『同級生』が登場。といっても、「1」はあんまり思い入れがないのだけど。


コミック
『リスティス』:第7話
『ダンジョン・マスター』:最終話
 面白かったのに結構あっさりと終了。わかりやすい展開と絵柄がオレ好みだった。
『ムーンクエスト』:第19話


付録
【尾張信長新報 最新作『覇王伝』速報】
【信長カルトクイズ1000】


その他・備考
 FM-TOWNSのゲームでは声の入っているゲームが普及してきた。というわけで、ゲームの広告に声優の名前がクレジットされるようになってきた。
 ゲームミュージックフェスティバルというゲーム音楽のライブがあった。こういう企画があるということ自体、オレは知らなかった。
 押井守のこれでもくらえは『ウィザードリィ』…なぜか『狂王の試練城』
 この年に『プリティ・リーグ』が日本で公開された。トム・ハンクスは、この作品で再起して、今じゃオスカー常連俳優に…というのが、オレ的な見方。


1992年10月9日金曜日

1992年10月号

1992年10月号 表紙:三浦理恵子



SOFT TOP20
 今月も『大戦略4』がトップ。2位が『三国志3』、3位が『スーパー野球道』と順位は変われどもトップスリーのメンツは変わらず。
 TAKERUでは『電脳倶楽部 51号』がトップで相変わらず安定して売れている。
 ファンタジー小説は『アルスラーン戦記9 旌旗流転』がトップに。この9巻が出てから10巻が出るまでに7年もかかっている。待ちくたびれて、今ではすっかり話の中身を忘れてしまった。
 TRPGは『クロムビート』がトップ。



新作
 アイルというソフトハウスから『マハ・バラタ』というインド風のRPGが。このアイルってのは、あのアイルのことなのだろうか?
『Ms.DETECTIVE ファイル#1 石見銀山殺人事件』はサイキックディテクティブシリーズのデータウェストから。こちらはアニメではなく実写である。でも、実写ものが当たった試しはないけれど、これはどうだったのだろうか?


コンプRPG月報
 汎用RPGの基礎ルール『ガープス・ベーシック』が登場。ものぐさなオレは、他のルールを覚えるのが面倒くさいので、全てのゲームをガープスに統一すればいいのにと思ったものである。でも、ガープスを推進するグループSNE本体が、いろんなルールを出して、ガープス一本にまとめる気がないのだからどうにもならない。


特集
【ゲームで楽しむ原作の快楽】
 角川お得意のメディアミックス展開しているゲームについて。
 巻頭は大御所『銀河英雄伝説3』
『ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ!』はウルトラマンが来る前の科特隊と怪獣の戦闘をシミュレートしたものという、なかなか興味深いテーマ。でも、これが話題なった憶えはないな…
 他に、コンプに縁のある『魍魎戦記MADARA』『フォーチュン・クエスト』『地球防衛少女イコちゃん UFO大作戦』
【裏特集 卒業】
 今号から、コンプが特にお勧めする1つのタイトルだけを取り上げるコーナーが登場。で、その第1弾に選ばれたのが『卒業』。でも、中身はいつものHow to Winのリプレイ記事だった。


How to Win
『プリンセスメーカー2』は相変わらず画面写真がないが、町人の簡単なプロフィールが紹介された。なぜか、プリメの脇役キャラにはプロ野球の外国人選手の名前が多い。しかも、かなりマイナーな選手。
 信長シリーズの最新作がパッケージのイラストだけ公開。このころは、まだ『信長の野望5』という仮称だった。
 他に『三国志3』『蒼き狼と白き牝鹿 元朝秘史』『ふしぎな海のナディア』『英雄伝説2』『シヴィライゼーション』『ドラゴン創世記』『ロボクラッシュ98』『大戦略4』『天下統一2』『ロードス島戦記・福神漬け2』も。


RPGリプレイ
『黄金伝説クリスタニア』:第7話
 黄金峡へ行くための資格とは何なのか、それを探し求めて旅を続ける一行。街道を歩いていると、牙の部族の青年と出くわす。彼は、牙の部族の成人儀式のために死んでくれ、とグラントに無茶な要求をふっかける。結局、サシの勝負では勝てないと悟ったグラントは、フェインデスを使って死んだふりをする。ところが今度は、殺した死体を喰わなければならないと、また無茶な要求をする牙の部族の青年なのであった。


SLG WORLD
『茶水風雲録』というデマゲームのデマ記事でお茶を濁す。


福袋
 アリスソフトへのインタビュー。
 ゲームでは『雀ジャカ雀』登場。エルフゲーということで、これも買った。でも、イカサマでなんとでもなるという大味なゲームだった。


コミック
『リスティス』:第6話
『ダンジョン・マスター』:第9話
『ムーンクエスト』:第18話


付録
【パソコンで遊ぶTRPGのすすめ】
 前号ではTRPGの付録をつけ、今度はパソコンで遊べるTRPG。まるで前号の付録が、今号の付録の前フリみたい。オレ的な考えとしては、パソゲーがTRPG の代替になるものではないし、その逆にTRPGがパソゲーの代替になるものだとも思っていない。でも、きっかけとしてどちらかのゲームを遊ぶのはアリだと思う。
 ここで扱われているのは『ソード・ワールドPC』『AD&Dチャンピオンズ・オブ・クリン』『忘れえぬ炎(ビヨンド・ローズ・トゥ・ロード)』


その他・備考
 バトルテック・センターというテーマパークがオープン。コクピットに乗り込んで、他プレーヤーの敵機と戦闘するというもの。なかなか面白そう。
 ミス・リリアの杉本理恵が『7人のオタク』に出演していたとは知らなかった。
『ストリートファイター2』のテレビCMで春麗役を水野美紀が演じていたのは有名な話。


1992年9月9日水曜日

1992年9月号

1992年9月号 表紙:C.C.ガールズ



SOFT TOP20
『大戦略4』がトップとなり、大戦略シリーズの底力を発揮。2位には『スーパー野球道』が。『三国志3』は3位に後退し、新作にトップの座を譲った形に。
 TAKERUは『宇宙海賊キャプテンハーロック』が。松本零士ものは根強い人気があって、現在でもゲーム化されている。
 ファンタジー小説は『星から来た船 下巻』。『映画版サイレントメビウス2 刻かける希望』が2位に。
 TRPGは『デーモンマジック』がトップに。



新作
 個性派RPGを出し続けるきんぷくりんから『フリーウィル』が登場。TRPG的な要素が強く、決して一本道ではないゲーム展開が評価されたが…セールスには繋がらず。現在では、このタイプのRPGはほとんど見られなくなった。
 それに対して、良い意味でコンピュータゲームライクになった『ソードワールドRPG』は、わりと成功した方ではないだろうか。これは面白かった。


コンプRPG月報
 コンプRPG Vol.4が発売。表紙はサイヤ。美形エルフは人気がある。リプレイではわりと影が薄かったのに。
 新作には、マンガ形式のRPG初心者向けガイド『RPGなんてこわくない!』が。
 この当時は、こういう本も結構出ていた。でもTRPGというのは、ぶっちゃけると場にいる人のノリ次第で、どうにでもなってしまうもの。コミュニケーション論や心理学のように類型化はできるが、最終的には主観に依るところが大きかったりする。そのためか、この手の本にはくだらないものも多かった。特に異性間の問題を扱っているものは、半ばやっかみが入っていたりして苦笑を禁じ得ないものもあった。
  ただし、『RPGなんてこわくない!』が、そういうしょうもない本だというわけではないので、勘違いしないように。


特集
【育成シミュレーション研究序説】
『シムシティ』『ポピュラス』に始まった新感覚SLGは、SLGだけでなくゲームそのものにも大きな影響を与えた。というわけで、ここから発展していったゲームを特集している。
 コンプ的には、やっぱり『プリンセスメーカー2』であろう。相変わらず画面写真すらできていないのに、巻頭で最もページを割いて扱われている。で、プリメから派生した『卒業』も。
『シムシティ』『ポピュラス』からは、それぞれ『シムライフ』と『ポピュラス2』。他にも『財閥銀行』『シヴィライゼーション』『キャッスルズ』が。


How to Win
『蒼き狼と白き牝鹿 元朝秘史』にはオルドという子作りコマンドがある。ナンパゲーよろしく、体力が続く間に口説かないとオルドが成功しない。でも、ラッチというブサイクな女だけは別で、何もしないで子供が作れてしまう。ラッチが国王を襲って、無理矢理、子供を作ってしまうのだ。この時の襲われる国王の間抜けぶりが笑える。
 他に『三国志3』『ふしぎの海のナディア』『英雄伝説2』『ロボクラッシュ98』『大戦略4』『天下統一2』『F-19 ステルスファイター』『銀河英雄伝説3』『ソードダンサー』も。


RPGリプレイ
 なんとかクエストを成し遂げた一行。途中で、クエストを横取りしようとする妨害も入ったが、無事にラトーナの元にたどり着いた。だが、ラトーナは「黄金峡を訪ねる資格とは何か?」というリドルを出しただけ。結局、問題の核心に触れることなく一行はラトーナを仲間に加え、黄金峡を目指して再び旅に出ることになる。


SLG WORLD
 ネタがないのか、またもや減ページ。本誌記事のリプレイが忙しいのか?


福袋
 前号ではファンクラブの話だったが、今号ではエロゲーメーカーが開いているパソコン通信ネットについて。パソ通については詳しいことは知らないので言及は避ける。
 当時、開設していたのはアリスソフトは「ALICE-NET」と「YUKICHI-NET」、ディスカバリーは「アトランティス・ネット」、アクティブは「アクティブネット」、ソフトウェアハウスぱせりは「NET in ぱせり」
 ゲームの方では『ALICEの館2』が登場。


コミック
『リスティス』:第5話
『ダンジョン・マスター』:第8話
『ムーンクエスト』:第17話


付録
【安田均のTRPG大宝典】
 パソゲー雑誌なのにTRPGオンリーの付録がつくとは…それだけ、当時のTRPGはブームになっていたってこと。なお、付録の中身はTRPGのカタログ。カタログになるぐらい、色々なゲームが出ていたということでもある。
 なお、オレがプレーしたことあるTRPGは『D&D』『ウィザードリィ』『ソードワールド』『ロードス島戦記』『クトゥルフの呼び声』である。


その他・備考
 ガイナックスから『不思議の壁のアリス』が。現在は腐るほど市場に溢れているデスクトップアクセサリー。でも、この当時はWindowns3.1自体が市場に普及していなくて、デスクトップアクセサリーもわりと珍しかったみたい。
『ゴールデン・アックス』が誤植で「ゴールデ・ンアックス』になっていた。
 スト2のエドモンド本田のコスプレをしている男の情けないボディが、ちょっとイヤ。
 ゲームデザイナーズアカデミーという専門学校(?)の資料用フロッピーはX68000とPC-9801用でのみ配布。他機種のユーザーは紙媒体頼り。インターネットがまだ普及していない頃の話である。
 押井守のこれでもくらえは再び『マイト&マジック3』  


1992年8月9日日曜日

1992年8月号

1992年8月号 表紙:一色紗英



SOFT TOP20
 98に移植された『ぽっぷるメイル』が予想外の首位に。88版専用の『英雄伝説2』が19位まで後退している点からも、もはや88は古い機種となっていたようである。『三国志3』は1つ順位を下げて2位に。ウマゲー『クラシックロード1』が3位に入った。
 TAKERUでは先月に引き続き『リューヌ伝説』がトップ。MSXに移植された『ピラミッド・ソーサリアン』『戦国・ピラミッド・カップリングパッケージ』が、それぞれ4位と5位に入りソーサリアンブランドの底力を見せた。
 ファンタジー小説は今月も『グイン・サーガ39 黒い炎』がトップ。
 TRPGでは『クレギオン』が首位に。『クリスタニア・コンパニオン』は2位だった。15位に『ウノ』が入っていたりする。一応、これもカードゲームっていえばカードゲームだ。



新作
 夏発売の雑誌なのに扉絵のリセットちゃんが卒業式の格好をしている。何のことかと思えば、巻頭で『卒業』を扱っていた。
 通信RPGと銘打たれた『アーリーキングダム』。だが、実際にはネットでゲームに参加するのではなく、シナリオ集をダウンロードするというものだった。
 FM-TOWNSの『フリーソフトウェア・コレクション』が登場。この頃のコンプは、アプリケーションソフトやツール類はほとんど扱っていなかった。そのため、オレのパソコンも当時はゲームオンリーハードだったりした。
『デッド・オブ・ザ・ブレイン』が登場。これは『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のようなゾンビ映画のシチュエーションのゲーム。ゾンビとの戦闘では、一定時間内にゾンビの急所に銃弾を撃ち込まなければならないのだが、その当たり判定が異様に小さいため、なかなか先に進めないということがあった。
 島田伸助が監督をした『風、スローダウン』もゲーム化されていた。


コンプRPG月報
 各種ゲームのサプリメントが特集された。基本ルールをハードとすれば、サプリメントってのは、コンピュータゲームでいうところのソフトみたいなもの。基本ルールが広まっている『ソードワールド』なんかだとサプリメントも大量に出される。その一方で、基本ルールだけで出されて、何のフォローもされなかった TRPGというのも結構あった。


特集
【光栄的歴史遊戯集】
 光栄ゲームオンリーの特集。まずは最新作の『蒼き狼と白き牝鹿 元朝秘史』。これはゲーム終盤、ヨーロッパの戦局が膠着状態になって、攻め込むに攻め込めず時間を浪費して老衰死したということがあった。っていうか、あの状態になったらクリアできるわけないだろって感じがするんだけど。
『三国志3』は、おなじみのリプレイ。
 そして、ビジネスSLGの『リーディング・カンパニー』。これは『エアーマネージメント』などシリーズ化されてるけど未プレー。
【ユーザーのためのよくわかる英雄伝説2】
 98版発売直前ということで、ワンタイトルの攻略だけの特集。


How to Win
『プリンセスメーカー2』は6月号からの登場だが、画面写真すらできていないのに毎月取り上げられている。
『ロードス島戦記2』は攻略最終回なのだが、またしてもラスボスのカーディスの写真を掲載する太っ腹。前作の時はカーラの他にエンディングまで掲載していた。この頃は、あまりネタバレに関して自主規制みたいなものはなかったんだろうか?
『大戦略4』のマルチエディターのタイトル画面には作戦会議を開く兵士の姿が。現在のように女の子の姿はもちろん、影すらも伺えない男臭さ。
 他に『ふしぎの海のナディア』『ロボクラッシュ98』『天下統一2』『F-19 ステルスファイター』『ソードダンサー』も。


RPGリプレイ
『黄金伝説クリスタニア』:第5話
 シティアドベンチャーを失敗させた一行は、ようやく本来の黄金峡を目指す旅に出る。黄金峡への道案内をするラトーナが、道案内をしてほしければクエストをクリアしろと条件を出す。というわけで、精霊や妖精の住まうエルサリ山を目指す一行。ようやくファンタジーRPG的な展開となった。


SLG WORLD
 なんだか減ページ。しかも、SLGとはほぼ無縁の読者コーナー的になっているし。


福袋
 エロゲーメーカーのファンクラブと会報誌を紹介。取り上げられているのは、アリスソフト、エルフ、ディスカバリー、D.O.、バーディーソフト、ファミリーソフト、グレイト、フェアリーテール。グレイトの会報誌、週刊レッスルはオレも買った。週プロ風の誌面構成がナイスだった。


コミック
『リスティス』:第4話
『ダンジョン・マスター』:第7話
『ムーンクエスト』:第16話


付録
【少年コンプ Vol.3】
 ついに!『トップをねらえ! NeXT GENERATION』が復活! グレートアトラクターの罠にかかったグレートガンバスター。グレートガンバスターを救出するために、全艦グレートアトラクターへ一斉砲撃を開始するが…ここで終了。そして、作者体調不良のため、今後、続きが描かれることはなかった…なんてこった!
【ロードス島戦記ジャイアントポスター】


その他・備考
『卒業』には関根明子、鉄炮塚葉子が声優として出演していた。知らなかった…。
 ミス・リリアの杉本理恵のニューアルバム『HealRing』が8月21日にリリース。


1992年7月9日木曜日

1992年7月号

1992年7月号 表紙:高橋由美子



SOFT TOP20
『三国志3』が3ヶ月トップで強さを見せつけた。2位は『太閤立志伝』。『ふしぎの海のナディア』は3位に。88専用の『英雄伝説2』は息切れして7位に後退。
 TAKERUのトップ『リューヌ伝説』はポプコムから出ている。ポプコムの他、テクノポリスやログイン、コンプとパソゲー雑誌が開発に携わる(名前をクレジットする)ゲームは結構あったのだ。
 ファンタジー小説は『グイン・サーガ39 黒い炎』がトップ。
 TRPGは『アート・アルケミー』がトップに。ベスト20に入っているゲームの中で、プレーしたことがあるのは『AD&Dプレイヤーズハンドブック』だけ。それだけ数多のゲームが発売されていたということ。



新作
『AD&Dアイ・オブ・ザ・ビホルダー』が登場。ビホルダーといえば『バスタード!!』に登場した土下座衛門。ジャンプ連載時はビホルダーだったのに、コミックスでは名前もフォルムも変わってしまった。なんでだろ?
『卒業』が登場。プリメが多人数になったと言ってしまえばそれまでだが、目新しさもあって結構ヒットした。
 野球SLGが『スーパー野球道』『ミスタープロ野球PERFECT』『ダイヤモンドプレイヤーズ』と3本も登場している。
 3D主観モードの『ウルティマ アンダーワールド』がアメリカで登場。ウィズの不甲斐なさとは対照的に、ウルティマはどんどん斬新に、そして面白くなっていく。


コンプRPG月報
 コンプRPG Vol.3が発売された。コンプ的に最大に盛り上がるのは、やはり『クリスタニア・コンパニオン』の発売であろう。クリスタニアの包括ルールなのに、表紙は魅力度18のフィランヌ。可愛い子は美味しい役どころだ。


特集
【夏の最新ゲーム徹底分析】
『蒼き狼と白き牝鹿 元朝秘史』『大戦略4』『ドラゴン創世記』を扱っているのだが、いつもとレイアウトが変わっている。誌面の上下に画面写真を配し、本文はテキストベースで解説書みたいな雰囲気になっている。でも、思い入れのゲームはなかった。


How to Win
『三国志3』のリプレイでは南が劉備を。信長の時も南は織田家だった。なんだかんだで主人公をやるのだから、可愛い子は美味しい役どころ。
 他に『ロードス島戦記2』『ふしぎの海のナディア』『英雄伝説2』『シュバルツシルト3』『マイト&マジック3』『F-19ステルスファイター』『ソードダンサー』『ロボクラッシュ98』『天下統一2』も。


RPGリプレイ
『黄金伝説クリスタニア』:第4話
 騎士団長への疑いを証明するために、騎士団長の家に潜入して証拠を探し出す一行。だが、ドルトムントの失策で証拠は入手できず。しかも、依頼主のレミリアは騎士団長の息子と無理矢理結婚させられ、恋人のレスリーは出奔という踏んだり蹴ったりの結末に。
 扉絵はミーア。うるし原智志が描くところのミーアは、かなりHな感じのする美人で、前号では色仕掛けまでした。でも、実は能力値的には魅力度は7しかなく、パーティではミュルミドンのドルトムントに次いで低かったりする。


SLG WORLD
 巻頭は星飛雄馬の野望。ネタがつきてきたのか?


福袋
『DE・JA2』が登場。ラストのオチはともかくとして、これは面白かった。これの続編をやりたいが、最近のエルフはこういうゲームを出してくれない。
 この頃は裸のグラフィックがあっても「18禁」と「非18禁」とに分かれていた模様。


コミック
『リスティス』:第3話
『ダンジョン・マスター』:第6話
『ムーンクエスト』:第15話


付録
【噂の新作】
 コンプに縁がある新作として『フォーチュン・クエスト』『魍魎戦記MADARA』『ソードワールドRPG』が登場。ソードワールドはスーファミ版もあるが、オレ的にはパソコン版の方が面白かった。
 信長の新作について、画面写真も情報も出てきていないが、コンプが勝手な予想記事を書いている。でも、城単位で管理されるという予想は当たっている。
 他に『プリンセスメーカー2』『銀河英雄伝説3』『ファイナル・ファイト』『KO世紀ビースト三銃士 ガイアの復活』『ウルトラマン』『バトルテック』も。


その他・備考
『ヴェインドリーム2』が発売延期。その理由は池亀社長が過労で入院したため。
 この頃は「UFOキャッチャー」の攻略法なんてのもあった。オレはUFOキャッチャーは一切やらないから、どんなもんなのかは良く知らないけど。
 衛生デジタルラジオのPCMジパングの広告は、かなりHな感じ。
 押井守のこれでもくらえは『マイト&マジック3』


1992年6月9日火曜日

1992年6月号

1992年6月号 表紙:中嶋美智代



SOFT TOP20
 さすがの三国志。『三国志3』が貫禄の連続トップ。『英雄伝説2』は相手が悪すぎて2位止まり。『太閤立志伝』は3位に。シリーズものの強さが発揮されたチャートとなった。
 TAKERUでは相変わらず『電脳倶楽部 47号』が強い。他のメンツは月ごとに変わっても、『RPGツクール』と『Dante2』は3位・4位と安定してランキング上位にとどまっている。
 ファンタジー小説では『スレイヤーズすぺしゃる2 リトルプリンセス』がトップ。そっか~、まだシリーズ2作目の頃なのか…。その一方で『グイン・サーガ38 虹の道』はシリーズ38作目。
 TRPGでは『パワープレイ2』がトップ。ブックタイプのものはランキングされないのか、ソードワールドの名前がマスタースクリーン以外に見当たらない。



新作
『マイト&マジック3』が登場。ファミコン時代は、このゲームがやりたくてしょうがなかったがパソコンを購入してからは食指が延びず。他のゲーム、特にSLGの方に気が移ってしまったからだと思う。
 クトゥルフ神話をモチーフにしたという『ティラムバラム』が登場。その世界設定には興味を引かれたが、結局、買わなかった。


コンプRPG月報
 テーブルトークRPGコンベンション2のレポート。当時、この手のコンベンションをやるとき、著名人のプレーヤーを呼び物にしていたが、冷静に考えるとそれがどうしたんだって気もする。「われめDEポン」もそうだけど、別に有名人がゲームをしているのを見ても、オレは何とも思わない。どうせなら桜井章一みたいなプロ雀士の腕前を見た方が良い。
 新作TRPGは各種ゲームのサプリメントが続々と。


特集
【初挑戦ソフトハウスVS人気シリーズ最新作】
 コンプのゲーム大賞を受賞した『プリンセスメーカ』の「2」が登場。当時のオレは、この報に色めき立った…と思う。記憶にないけど。でも、発売日に「2」を買っているから、多分、続編発売を喜んでいたはず。
 他の人気シリーズは『銀河英雄伝説3』と『大戦略4』
 初挑戦組ではカプコンの『ファイナルファイト』が目を引く。カプコンの場合、他機種からの移植がメイン(最近では外国の翻訳も)なので、初挑戦とは一概には言い切れない気分。
 一方、バンプレストは『ウルトラマン』で参入。こちらはパソコンオリジナルのゲームを出している。でも、その出来は…
 遊演体は『フィフス・エレメント』で新規参入。TRPGの大御所ということもあって期待されていたが…『フィフス・エレメント』は中古で500円だった。


How to Win
『ソードダンサー』はジャンルとしてはARPGとして括られているが、戦闘システムは2D格ゲータイプになっている。これをキーボードでやるのは相当に辛いだろう。
 他に『ふしぎの海のナディア』『英雄伝説2』『ぽっぷるメイル』『ロードス島戦記2』『ロボクラッシュ98』『天下統一2』『太閤立志伝』『シュバルツシルト3』『川中島異聞録』も。


RPGリプレイ
『黄金伝説クリスタニア』:第3話
 交渉では役に立たないテューレに代わって、ミーアが色仕掛けを使って情報を収集。最終的には色仕掛けではなく、美人局になってしまったが、なんとか騎士団長が真犯人であるという核心に近づく。


SLG WORLD
 規模が縮小された戦国合戦バトルロイヤルは関東平定戦。
 何故かは知らんが昭和40年代の話が展開されている。


福袋
 アリスソフトの『Dr.STOP!』が登場。
 なんだか、いつの間にかHow to Winがなくなっている。


コミック
『リスティス』:第2話
『ダンジョン・マスター』:第5話
『ムーンクエスト』:第14話


付録
【少年三国志】
 表紙は横山光輝御大という豪毅さ。
 中身は、呂布、孔融、馬騰、張魯の弱小君主での攻略法。他の君主はともかく、馬騰なら息子達の活躍でクリアできる。
 その他、三国志のマンガも何故か載っている。西野司、谷津太郎、ひぐちきみこ、林正之。林正之は裏ワザえもんと、あんまり作風が変わってないのが微笑ましい。


その他・備考
 91年のソフト大賞発表。大賞は『プリンセスメーカー』。これによってガイナックスは前年の『サイレントメビウス』に続いて連続で大賞受賞である。以下、各部門ではRPGは『ロードス島戦記2』、SLGは『プリンセスメーカー』、ADVは『電脳学園4エイプハンターJ』、ACTは『パロディウスだ!』、ETCは『レミングス』、家宝大賞は『サイレントメビウス』となった。
 アーケードゲームのコーナーは、ここのところ『ストリートファイター2』ばっかり。懐かしの格ゲーブームの頃なのだろうね。


1992年5月9日土曜日

1992年5月号

1992年5月号 表紙:新島弥生



SOFT TOP20
 初登場の『三国志3』が貫禄のトップ。この頃から、光栄のゲームも98専用で発売するようになったみたい。というわけで、2位は98に移植された『ロボクラッシュ98』。すっかり市場の中心は98に移ったようだが、そんななかX68000専用の『グラディウス2』が3位と頑張っている。
 TAKERUのトップは『スタートレーダー』なのだが、これはファルコムの同名タイトルと同じものなのだろうか? メーカーの名前がMNMソフトウェアとなっているのだが。
 ファンタジー小説では秋津透の『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー10 突入』がトップ。2位には友野詳の『コクーンワールド3 夜明けに笑う冒険者』これは読んでいた。
 TRPGでは『マジカルランドRPG』がトップ。でも、これは見たことも聞いたこともないゲームだ。



新作
『大戦略4』が通信対戦機能を備えて登場。とはいえ、シリアルケーブルを使っての通信なのだけど。当時のパソコン普及率を考えると、一般家庭じゃほぼ無理な環境。
 アメゲーでは『ミッション・インポッシブル』が出ているが、これはトム・クルーズ版ではなく、いわゆる『スパイ大作戦』の方。主演もピーター・グレイブス。


コンプRPG月報
 コンプRPGということで『ガープス』が上陸したわけだが、それ以外にも『ルーンクエスト'90s』や『クレギオン』など、毎月のように新作がリリースされる。でも、TRPGって消費するタイプのゲームじゃないので、こんなに新作が次から次へと出ても、遊ぶ時間と仲間が揃わないような気がするのだが…。
 ちなみにオレのサークルでは、毎週土日に集まって約1年ほどに渡っての超長期キャンペーンをやっていた。ロードスの連載をもしのぐ環境である。当時は、これが当たり前だと思っていたけど、大人になって時間と仲間が希少な存在となると、この当時がいかに恵まれていたかを痛感することに。こんな時代は、もう戻ってこないんだろうな…。


特集
【光栄SLG三連射】
『信長の野望・武将風雲録』『三国志3』『太閤立志伝』と前号と全く同じメンツ。とはいえ、どれもこれも面白いゲームなのだから仕方がない。事実、オレもこの頃はこの3つのゲームしかやっていなかった。
【ファルコム2大RPG ATTACK GUIDE】
『ドラゴンスレイヤー英雄伝説2』と『ぽっぷるメイル』。『ぽっぷるメイル』は『ワンダラースフロムイース』以来の横スクロールARPGだったが、あんまり芳しい売り上げではなかった模様。でも現在だったら、ちょっとやってみたいかも。


How to Win
『ロードス島戦記2』『ロボクラッシュ2』『天下統一2』『ウィザードリィBCF』
 上の特集でも書いているが、この頃は光栄三昧だったので印象に残るゲームが少ない。ロードスは年が明ける前にクリアして、やり尽くしていたし。


RPGリプレイ
『黄金伝説クリスタニア』:第2話
 没落した騎士の娘・レミリアから仕事の依頼をされる。依頼の内容は、父を謀略で殺した真犯人を捜し出すというもの。仕事を受けた一行だが、クリスタニアのプレーヤー達は、シティアドベンチャーが苦手な人ばかりのようで、無為に時間だけが流れるだけだった。


SLG WORLD
 戦国合戦バトルロイヤルは長篠の戦い。なんかテーマがパソゲーから離れていってる。


福袋
 CGノベルの第2弾は『ドラゴンナイト4』。「4」とはいってもゲームとは違い、あくまでもタケルとルナのその後のエピソードというもの。
 ゲームでは『レッスルエンジェルス』が登場。この1作目はやっていないが、後に出る『レッスルエンジェルス3』は最高にハマった。
 福袋裏表紙の「もぎたてフルーツ・ギャル」は飯島愛。このころは、あんな過去(当時は現在?)があるとは知る由もなし。


コミック
『リスティス』:第1話
 わたぬきほづみのマンガ。この号から、異例のマンガ3本の連載に。
『ダンジョン・マスター』:第4話
 短期連載から通常連載を勝ち取った下克上連載。でも、面白いしね。
『ムーンクエスト』:第13話


付録
【ふしぎの海のナディア プロダクションノート】
 プロダクションノートとあるように攻略法ではなく、製作過程を追いながら製作スタッフのコメントを求めるというもの。ゲームでも、こういうアプローチの仕方ってありだと思う。読んでいて面白いし。


その他・備考
 表紙の新島弥生は『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(スーファミ)のCMに出演(ゼルダ姫役)。つまり、第二の間下このみというわけだ。
 押井守のこれもくらえは『ブルー』。マルチシナリオでTRPGっぽさがウリだったが、想像力の幅を持たせるための地味なグラフィックが災いしてセールスに繋がらなかった…という印象がある。
 各ソフトハウスの近況を伝える「ソフトハウス伝言板」が終了。こういうメーカーの近況報告って、当時はわりと貴重な情報源だったんだけど。今はホームページがその役割を担っているけど。


1992年4月9日木曜日

1992年4月号

1992年4月号 表紙:小田茜



SOFT TOP20
 トップは『関ヶ原』。以前も書いたと思うが、自分が意図したことが実行できなくて、もどかしいゲームだった。2位から4位には『ロードス島戦記2』『幻影都市』『ウィザードリィBCF』とRPGがランクイン。
 TAKERUでは『RPGツクール』『Dante2』とRPGコンストラクションがワンツーに。みんな、オレ同様にRPGの自作を夢見ていたのだね。
 今号からファンタジー小説とTRPGの売り上げランキングもスタート。
 ファンタジー小説では菊池秀行の『D-昏い夜想曲』がトップ。TRPGでは『蓬莱学園の放課後』がトップ。



新作
 X68000に『グラディウス2』の移植が決定。このころのコナミは硬派といわれていた。出すゲームはACTかSTGがほとんどだった。
『スーパー野球道』が登場。これは、かなりやり込んだ。当時のジュニアオールスターでMVPになった鈴木一朗を鍛えまくって、9番ライトで起用したのも懐かしい想い出。


コンプRPG月報
 コンプRPGVol.2が発売。『ルナル・サーガ』のエフェメラが大人気のようで。
 新作TRPGでは『三国志2』のカードゲームが。中身はともかく、3300円というのは破格の高値。さすが光栄といったところか。


特集
【'92ソフトハウスBIG3】
 この栄えあるBIG3に選ばれたのは光栄、ガイナックス、日本ファルコムの3社であった。
 光栄は『三国志3』『太閤立志伝』『信長の野望・武将風雲録』のリプレイ3本立て。信長は伏兵の織田南の勝利で幕。『太閤立志伝』の場合、どんなリプレイよりも自分のプレイが一番楽しい。
 ガイナックスは『ふしぎの海のナディア』と『プリンセスメーカー』。プリメは最終回にして、ようやくプリンセスに。でも、このゲームはプリンセスになることだけが目的じゃないんだよね。
 トリのファルコムは『ドラゴンスレイヤー英雄伝説2』『ぽっぷるメイル』『アドバンスト・ロードモナーク』。英雄伝説2はクリアしたはずなのだが、どんな内容だったか全く思い出せない。


How to Win
『ロードス島戦記2』は前号で一気に攻略してしまったが、一転、今号ではリプレイの続きからになっている。ゆえに中身は前号と重複している。
 他に『ロボクラッシュ98』『天下統一2』『ウィザードリィBCF』『ポピュラス2』『幻影都市』も。


RPGリプレイ
『黄金伝説クリスタニア』:第1話
 前回のキャンペーンで戦死したテューレ(1991年3月号参照)が今回も登場する。テューレを蘇生するためにかかった費用を借金として抱えてしまい、それを返済するために「黄金峡」を目指すというのが冒険の発端。


SLG WORLD
 戦国合戦バトルロイヤルは三増峠の戦い。


福袋
 エルフから『天神乱魔』が登場。例の事件によって当局のチェックが厳しくなる中、エルフは独自に「成人向け」バージョンと「一般向け」バージョンを出すようになった。で、『天神乱魔』はその第1弾。
 How to Winは『華麗なる人生 みなさんのおかげです。』
 例の事件に関する読者の意見も載っている。で、担当ライターの私的意見と断った上で見解も述べられているが…コンプの正式コメントはなし。


コミック
『ムーンクエスト』:第12話


付録
【少年コンプ Vol.2】
 今回はコンプ本誌に復帰を果たした『ダンジョン・マスター』が巻頭に。


その他・備考
 '91コンプティークソフト大賞の応募開始。
 スーパーファミコンのCD-ROMアダプタが発表された。だが、これが実現されることはなく、いつの間にかプレイステーションが発売されて……
 今月も未来ちゃんがサポート。扱っているのは『レミングス』
 小川範子のエッセイ「おっこらせ日記」が終了。


1992年3月9日月曜日

1992年3月号

1992年3月号 表紙:西田ひかる



SOFT TOP20
 初登場の『天下統一2』がトップに。2位の『ウィザードリィBCF』はDOS/Vでも発売されていた。3位から5位までは『出たな!!ツインビー』『ジェノサイド2』『スターウォーズ』とX68000勢が健闘。
 TAKERUは『RPGツクール』がトップを堅守。2位には『戦国ソーサリアン』が。



新作
『ドラゴンランス戦記』のパソゲー版『ドラゴン・オブ・フレイム』が登場。小説版は読んでいたけど、どうしてもゴールドムーンが絶世の美女には思えなかった…。ちなみに当時のTRPGサークルでは、戦士のくせに戦わないやつを「スターム」と呼んでいた。
 辛口のゲーム批評が話題を呼んでいた三遊亭円丈がゲームデザインした『サバッシュ2』が登場。でも、口で言うほど、このゲームが面白かったとは思えなかったけど…。


コンプRPG月報
 今月の新作は興味のあるものなし…というわけにもいかないか。
 TRPGが盛んになるにつれて、西洋ファンタジーの世界観を解説した出版物が多数でされた。『精霊の大地』『武器屋』なんてのは、まさにその最たるものだろう。武器屋などという商売がクローズアップされるなんて、この当時ならではである。


特集
【三国志演戯】
 待望の『三国志3』発売ということで気合いの入った特集。圧巻は三国志地名辞典。ゲームに登場する都市・戦場の辞典だ。ゲームには何ら関係ないが、バックストーリーを理解する上では役立つ、かもしれない。


How to Win
『ふしぎの海のナディア』が登場。『プリンセスメーカー』ともども、ガイナックス作品のHow to Winにはひぐちきみこの四コマ漫画が載る。これが、けっこう面白く(特にプリメはゲームをやってれば絶対に笑える)、どこにも発表されずに埋もれさせるには惜しい。版権とスキャナの問題さえ解決できれば、ここに掲載したいぐらいなのだが。
 他に『ロボクラッシュ98』『信長の野望・武将風雲録』『天下統一2』『アドバンスト・ロードモナーク』『ぼっぷるメイル』『ウィザードリィBCF』『レイルロード・タイクーン』『関ヶ原』『幻影都市』『ウルティマ6』『レミングス』。
 そして『ドラゴンスレイヤー銀河英雄伝説2』。なんだか見慣れぬタイトルだが、実は『ドラゴンスレイヤー英雄伝説2』の誤植。まあ、似たようなタイトルだからな~。


RPGリプレイ
 TRPGリプレイは『黄金伝説クリスタニア』の準備のため休載。黄金伝説って、今じゃココリコですな。


SLG WORLD
 戦国合戦バトルロイヤルは川越夜戦。北条家と上杉軍の戦い。


福袋
『ドラゴンナイト3』のHow to Win。
「H帝国の逆襲」ということで、 開き直ったというわけでもないのだろうが、わり普通にHシーンも掲載。この件に関するコンプの正式コメントもなければ、対応の変化についての弁明も釈明もない。このへんが、ちと残念。


コミック
『竜惑星叙事詩 バーストランド』:後編
『ムーンクエスト』:第11話


付録
【ロードス島戦記2 五色の魔竜 完全ファイル】
 何故かリプレイはなくなっており、ファリスまで一気に攻略。ついでにサブミッションの発生方法まで。


その他・備考
 押井守のこれでもくらえは『ロードス島戦記2』
 PCエンジン版の『サイレントメビウス』がアナウンスされた。でも、確か、これは発売されていなかったような…? 誰か情報を持っている人がいたら教えて。
 アイドルコーナーの「アイドルデータバンク」が最終回。


1992年2月9日日曜日

1992年2月号

1992年2月号 表紙:中江有里



SOFT TOP20
『ブランディッシュ』が2ヶ月連続でトップ。2位は『ランス3』。4位に『指輪物語』が入るなど、久しぶりにRPGがチャート上位を賑わせた。
 TAKERUはRPGコンストラクションツールの『ログインRPGツクール・チャイムズクエスト』がトップ。「ツクール」シリーズは、これが第1段なのではないだろうか。当時は作ったゲームを配布する方法がなかったが、現在はインターネットがあるので出来の良い自作ゲームを遊べるようになった。



新作
 サイキックディテクティブシリーズの最新作『ナイトメア』が登場。当時はマシンパワーのあるFM-TOWNSでしかプレーできなかったので、このゲームを羨望の眼差しで見ていたものである。
 飯島健男がパンドラボックスというソフトハウスを設立。同社と同名の『パンドラボックス』というゲームを出した。
 源平もののSLG『義経』が日本ソフテックから登場。光栄のもそうだが、源平ものはあんまりヒットしないようだ。ヒットしたのは『源平討魔伝』ぐらいのもの。


コンプRPG月報
 コンプRPG第2号のお知らせ。
 今月の新作はゲームではないが『ワースブレイドがよくわかる本』。『D&Dがよくわかる本』を皮切りに、ルールごとにこういう本が続々と登場するようになった。でも、「TRPG」という包括的なゲームの紹介にまで及んでいたという点で、D&Dが群を抜いていたと思う。当時は、これを何度も読み返して「TRPGとは、どんなものなんだろう?」と想像を膨らませていたものである。
 メディアミックスといえば角川の十八番だが、『モンスターメーカー』もメディアミックス大展開中だった。


特集
【戦国ゲーム最前線】
『天下統一2』を筆頭に、『三国志3』『関ヶ原』『川中島異聞録』と揃った。昔は歴史SLGとして一括りにされていたが、この頃になると歴史物だけでもいろんなジャンルが登場するようになった。
【'92日本ファルコム基礎知識】
『アドバンスト・ロードモナーク』『ぽっぷるメイル』『ブランディッシュ』と新作を立て続けに出したファルコムの特集。『イース』や『ソーサリアン』のドラゴンスレイヤーシリーズは影も形もない…一応、コミック版『ソーサリアン』の全巻プレゼントってのはやってるけど。


How to Win
『ロードス島戦記2』の攻略だが、このリプレイ形式はアイデア賞ものだと思う。というのも、とっくにゲームをクリアしているオレのような読者にとっても、読み物としての価値があるからだ。記事中、SNEの高山浩がテストプレーヤーの不甲斐なさを嘆いているが、そんなものオレに任せれば大丈夫だ(笑)。
 他に『ブルトン・レイ シナリオ集Vol.3』『ロボクラッシュ98』『信長の野望・武将風雲録』『プリンセスメーカー』『幻影都市』『ウルティマ6』『KIGEN』『レミングス』『ウルティマBCF』も。


RPGリプレイ
『蟻帝伝説クリスタニア』:最終話
 真紅の皇帝とは戦闘にならず、神獣クロイセを説得して帝国の侵略戦争は終止符を打つ。だが、一行の真の目的は戦死したテューレを蘇らせること。マーファの高司祭の力によって無事に生き返ったテューレ。だが、生き返ったテューレには莫大な借金が残っていて…第3部に続く。


SLG WORLD
 なんだか、雑多な内容。このコーナーに大量の投稿をする読者の宗近三十郎氏のマンガが秀逸。
 戦国合戦バトルロイヤルは信長と信玄が、もし戦ったらというもの。


福袋
 ジャストの社長以下開発メンバーが「わいせつ文書等販売目的所持容疑」で逮捕された。そのため福袋ではエロゲーは一切扱っていない。で、この影響からエロゲーの表現が厳しくなり、またエロゲーに「18禁シール」が貼られるようになった。1991年までは、この手の規制もなかったのである。
 ちなみに、この事件が発覚した原因は中学生がエロゲーを万引きしたことであった。万引きした商品を警察が検分したところ、日本の法律では見せてはいけないものまで見せていた、ということが明るみになって、この逮捕に繋がった。
 くだらんことだけどエロゲー的には、わりと重要な出来事。


コミック
『竜惑星叙事詩 バーストランド』:前編
 杉田流仙によるマンガ。
『ムーンクエスト』:第10話


付録
【平成4年 日本のソフトハウス】
 新春恒例企画だが、例年より1号遅れての登場。
 バショウハウスはエメドラ以来のゲーム『ドラゴン創世記』を発表。それにしても、この時点で未だにエメドラの呪縛に縛られているとは…
 パンドラボックス社長の飯島健男の「今度こそ、この会社は決して辞めません」ってシャレになってない。何のことか分からない人は、当コンプテョークを読み直してほしい。
 この企画、各ソフトハウスの従業員数も記載しているのだが、笑ってしまうのが富士通の5万人。これは富士通全社員の人数だろって。
 マトリックスという聞き慣れないソフトハウスがあるが、ここには、あかほりさとるがいた。この当時の写真にも面影が残っているが、なによりも痩せている!
 それにしても、この頃はTRPGにも元気があったのだな~と、しみじみしたりする。


その他・備考
 リセットちゃん休載のため新田真子の未来ちゃんがピンチヒッター。扱ったのは『パワーモンガー』だった。
 読者参加ゲーム『ゲートワールド』が開始。でも、オレってこの手の読者参加ゲームには参加していない。郵送するのが手間で。


1992年1月9日木曜日

1992年1月号

1992年1月号 表紙:西野妙子



SOFT TOP20
 日本ファルコム久しぶりのARPG『ブランディッシュ』が初登場でトップ。2位の『斬2』はウルフチームの戦国SLG。グラフィックは確かに綺麗だったが、それ以外に見るものがないゲームだった。
 TAKERUのトップは『麻雀マスター』。ダンマス風の3Dダンジョンで脱衣麻雀をやるので「マスター」。キャラデザは唯登詩樹なので、ちょっとやってみたい。



新作
 ガイナックスから『ふしぎの海のナディア』が登場。ガイナックスが自分の所のアニメをゲーム化するという流れが、これで完全に定着した。
 手術SLGの『ライフ&デス』が登場。オレは盲腸手術も成功できず、早々と挫折した。
 エニックスの十八番ADVの『ホーリーナイト』が登場。エニックスは優良なADVをたくさん持っているのに、なぜかコンシューマに移植してくれない。ドラクエなんかより、こっちの方が楽しみなのに。


コンプRPG月報
 季刊ということでコンプRPGのネタは少な目。
 新作TRPGでは『機動警察パトレイバーALPHONSE』が登場。ヒットしたアニメのTRPG化ってのは一時期、相当に流行った。あの『新世紀エヴァンゲリオン』もTRPG化されている。でも、それが原作並に面白いのかっていうと…


特集
【七つの伝説】
 コンプに縁のあるイラストレーターに気合いの入ったイラストを描いてもらい、ついでに関連作品の宣伝もするというもの…いや、趣旨は逆か(笑)。
 結城信輝(ロードス島戦記OVA)、うるし原智志(クリスタニア)、中村数宣(ロボクラッシュ)、桐嶋たける(ムーンクエスト)、池田恵(忍者家族 瑠璃丸伝)、中村博文(ゲートワールド)、貞本義行(ルナル・サーガ)というラインナップ。
【新春新作ゲーム大特集】
 光栄から待望の『三国志3』が発表。まずは、さわりということで基本システムから。そんなに三国志に入れ込んでいたわけではないが、光栄のこのシリーズはよく遊んでいた。
 日本ファルコムからは『ぽっぷるメイル』が。これまでのファルコム色とはやや異なり、メイルという女の子キャラが前面に押し出されたARPG。
 今号から『ロードス島戦記2』の攻略が本格化したが、なんとリプレイ形式での攻略に。しかも、リプレイといっても本当にプレイヤーが6人揃ったわけではないと思うが…でも、この方が読んでいる分には楽しかった。なお、パソゲー版ではスパークを最初から仲間にすることはできない。で、スパークに変わってショートという騎士が随行することに。
 他に『アドバンスト・ロードモナーク』『ブランディッシュ』『天下統一2』『幻影都市』『ヨーロッパ戦線』『ウルティマ6』『指輪物語第1巻』『信長の野望・武将風雲録』『プリンセスメーカー』『関ヶ原』『ウィザードリィBCF』『らんま1/2』『KIGEN』『ファングス』『ヴェインドリーム』『レミングス』も。


How to Win
 特集をやってるのでお休み。


RPGリプレイ
『蟻帝伝説クリスタニア』:第13話
 打倒皇帝を目指す一行は神獣クロイセに会うために城に穴を開ける工事を開始。その工事に最中に皇帝側が送り込んできた強敵を相手にしボロボロ。でも、なんとか工事は完了。だが、そこに待ち受けていたのは真紅の皇帝であった。


SLG WORLD
『信長の野望・武将風雲録』のリプレイ記事が出来上がるまで。
「戦国合戦バトルロイヤル道場」というコーナーができた。これは歴史上の合戦をライターが指揮官になりきって、自分なりの戦い方を仮想シミュレートする、いわゆる「歴史ifもの」系の企画。ログインでも似たような企画があった。SLGゲーマーってのは、こういうのが好きなんでしょうか?で、選ばれた舞台は川中島の戦い。


福袋
『女教師・亜紀子』が登場。
「アノ」事件の影響で『ドラゴンナイト3』が発売延期に。だが、グラフィックは差し変わっていない…ある意味で貴重な画面写真かも?


コミック
『ダンジョン・マスター』:最終話
 短期連載ということで今月号で終わり。だが、好評だったので4月号から連載が再スタートすることに。まさに下克上。
『ムーンクエスト』:第9話


付録
【少年コンプ VOL.1】
 漫画雑誌としても軌道に乗ってきた『コミックコンプ』の出張版的な感じの付録。コンプに縁のある作家が原稿を寄せている。
【1992新作ゲーム総進撃】
 年末から年始にかけて発売されるゲームのカタログ。カタログをつらつらと眺めていると、いわゆる美少女キャラの含有率が高めだ。


その他・備考
 ミス・リリアこと杉本理恵のニューシングル『宇宙へ行こうGOGOGO』が発表された。
 押井守のこれでもくらえは『アトラス』。
『ブルトン・レイ』シナリオコンテスト2の大賞発表。
 松枝蔵人の新作『忍者家族 瑠璃丸伝』が連載開始。
 アーケードコーナーで「ピンボーラーへの道」が開始。この当時でも、ピンボールで遊んでる人って、あんまりいなかったような気がするけど。